179.新たなスタート!結婚式に向けて
「怜彬様…。体調がすぐれないとお聞きしておりましたが如何ですか?」
「ありがとうマダムベリー。今はとっても元気よ!」
「まぁそうですか!それはよろしゅうございました。ホホホ」
今日はマダムベリーがお城まで来てくれてウェディングドレスのデザインの打ち合わせをしていた。
わたしが希望した変更点を快く快諾してくれたマダムベリー。
むしろ創作意欲が湧いてとても楽しいとまで言ってくれた。
「では…こちらのお花をドレスに縫い付けるのでございますね」
「ええ。この花は枯れないように加工しているから、今から準備しても問題ないわ」
「まぁまぁ!何と素晴らしい!それでは胸元とドレスの裾全体に…ああでも反対側から縫い付けてもいいですわね~」
「急に変更してご免なさいね」
「とんでもない事でございます!よりよい衣装を提供するのが私の務めでございますので、お気になさらず」
「ありがとう。マダムベリー」
「それに…以前に比べて表情が明るくなられて良かったですわ」
「そんなに違うかしら?」
「はい。以前はどこか…寂し気な感じがしましたから…」
「心配してくれてありがとう。マダムベリー」
マダムベリーがにっこり微笑んで頷いてくれた。
それからすぐにスケッチブックにデザインの修正画を描きだした。
何かに取りつかれたかのように物凄い勢いでペンを走らせていく。
凄い集中力だった。
あっという間に30分ほどで新しいデザイン画が出来上がった。
ドレスの形自体はもともとデザインで決まっていた
マーメイドラインと呼ばれる体のラインがくっきり出るタイプ。
袖はワンショルダーで肩側だけに袖があるものだった。
その方がの袖部分に胸から肩、肩から手首にかけて大量の花を施すデザインだった。
「綺麗ね…。これならお花も映えるし着心地もよさそうだわ」
「はい。マーメイドラインは身体のラインこそ出るものの、通常のドレスと違ってコルセットをつけません。ですから長時間の着用でも疲れないと思いますわ」
「いいわね!このドレスなら縦長のブーケが合うかしら?」
「ええ!ピッタリですわ。後生花を使った冠ですがベールがうまく被れませんので、髪に編み込んではいかかでしょう?」
「そうね!それも可愛くていいと思う」
「ベールも出来るだけシンプルにして中のドレスが引き立つように致しましょう」
「それでお願いするわ!」
「かしこまりました。では早速持ち帰って修正致しますわ♪」
マダムベリーは勢いよく立ち上がり、そのまま元気よく立ち去って行った。
今からドレスを作るのが楽しみと言った様子だった。
よーし。じゃあ次はブーケを考えないとね…。
わたしは庭に言ってお花を何種類か摘んで試作品を作ることにした。
出来れば…母が好きだったアジサイの花がいいけれど…雨の日にしか咲かないし。
一通り花を見渡した際に、温室に咲いているブルースターと呼ばれる花を思い出した。
「あれなら…アジサイっぽくすることが出来るかも…」
わたしは急いでリンリンと共に温室へ向かった。
ブルースターと呼ばれる花はその名の通り星の形に見える花だった。
大きさは小さいけれど薄水色の綺麗な花で花言葉は「親愛、幸福な愛、信じあう心」
結婚式にはぴったりな花だった。
しかもこの花…雷覇が大量に送ってくれた花の一つなのよね。
これなら丸くまとめたらアジサイみたいに見えるわ…。
わたしは何本か摘み取って束にしてみた。
「うん!とっても綺麗だわ…」
後は差し色になるように白い花と緑のツタ状の葉っぱを切り取って
縦長になるようにひもで括り付けて行った。
「リンリンどうかしら?このブーケ」
「とても綺麗です。品があって…まるでアジサイの花みたいですね」
「そうなの!それをイメージしたのよ!」
「そうですか…。とても綺麗です」
「ありがとう!リンリン」
「あと…あの紫色のかすみ草も入れてみてはどうですか?」
「良いわね♪とっても彩りが綺麗だわ」
リンリンのアドバスも取り入れながらわたしはブーケのイメージを固めていった。
後は何度か練習すればもっと上手に作れそう…。
そんな事を考えながらわたしは黙々と作業を続けた。
「お嬢様…。そろそろ夕食の時間です」
「あら?もうそんな時間?」
「はい…。雷覇様も戻ってこられるかと思います」
「行けない!早く戻って出迎えてあげなきゃ」
わたしは作業を止めて急ぎ足で別邸へ向かった。
雷覇が帰ってきたらお帰りと言ってあげたかった。
別邸に戻ると雷覇はまだ帰ってきてなかった。
良かった~。間に合ったみたい…。
ホッとしたのも束の間、雷覇が帰ってくる音がした。
「怜彬!ただいま」
「お帰りなさい。雷覇」
わたしは駆け寄って彼の腕の中に飛び込んだ。
雷覇の体が少し強張った気がするけど…気のせいよね?
「怜彬…花のいい香りがするな」
「さっきまで温室でブーケ作りをしていたの」
「そうか…。だからこんなに芳しい香りを纏っているんだな」
スリスリと頬を寄せて雷覇に抱き上げられた。
ふふふ。わんこが甘えてくるみたいでかわいい…。
わたしは雷覇の頭をなでなでした。
「お二人とも…お食事が冷めてしまいます」
「おっと…そうだったな。スキンシップは食事の後じっくりするとしよう」
「ありがとう。リンリン」
さすがリンリン。どんな時でも冷静だわ!
最近恥ずかしさがなくなってしまった分、時間が経つのも忘れるくらい
雷覇と触れ合っていることが多くなった。
その度にリンリンがいいタイミングで声を掛けてくれるからあり難い。
「そう言えば…リンリンに何か褒美をするという話なんだが…」
「そうだわ!前にそんな話していたわね」
「リンリンは何か希望はないか?」
「いえ…褒美を頂くようなことは何もしておりませんので不要です」
「そんな事はない。我が妻を綺麗にしてくれたのだ。十分その価値はある」
「そうよ。リンリンには本当に良くしてもらってるもの」
「ありがとうございます。では…少し考えさせてもらってもよいでしょうか」
「勿論だ。決まったら教えてくれ」
「何でもいいからね!遠慮しないでね」
「はい」
ペコリとお辞儀をしてリンリンは部屋を出て行った。
リンリンは相変わらず物欲がない。
いつもわたしが自主的に上げないと本当に何かを欲しがることはなかった。
もっと希望を言ってくれてもいいのにな~。
「そう言えばサイガの長期休暇は取れそう?」
「問題ない。結婚式が終わった後、休暇が取れるように調整したよ」
「良かった~。ありがとう!雷覇」
「サイガもとても喜んでいた。またお礼を言いたいといっていたよ」
「そっか。あとはわたしが虹禀殿に温泉旅館の事を聞けば大丈夫ね」
「ああ。虹禀殿も会いたがっていたから、顔を見せるついでにお願いするといい」
「ええ。そうするわ」
わたしは早速次の日、虹珠殿達に会いに向かった。
彼女達は結婚式の準備があるという事でこのお城に長期滞在している。
従者の人に案内されて部屋に着くと三人とも温かく迎え入れてくれた。
「怜彬ちゃん…体調はもういいの?」
「きっと疲れていたんだ。無理してはいけないぞ!」
「休むことも…大切」
三人が同時に心配してくれるからちょっとおかしくなってしまった。
でもとてもありがたいことだった。
「ありがとうございます。皆さん!体調はとても良くなってます。食欲もありますし」
「うむ。それならじき体力も回復するだろう!」
「じゃあ、早速打ち合わせしちゃいましょ~♡」
「はい!宜しくお願いします」
「じゃあ…。まずは当日のスケジュールの確認から…」
夏緋殿が出してくれたスケジュールを見ながら皆で打ち合わせした。
流れとしては1日目に身内だけで結婚式を行い、二日目には各国の主要人物や
友人や知人をを招いた披露宴を行う流れだった。
どれも細部にまでこだわりが組み込まれていて壮大なプランになっていた。
ううう。すごいお金と…労力がかかっている気がする…。
大丈夫なのかしら?
「怜彬ちゃん…お金の事なら心配ないわ…。だから気にしないで」
「えっ?!あ…はい…」
また夏緋殿に考えを読まれてしまった…。
わたしってそんなに顔に出やすいタイプなのかしら?
「怜彬殿は何か要望はあるか?」
「いえ。わたしからは何もありません」
「よし!ではこの内容で準備を進めよう」
「じゃあ私は四季国の司祭様と摺り合わせをするわね♪」
「私は各担当に修正内容を伝えます」
「うむ。二人ともよろしく頼む」
「あの…わたしは何かお手伝いしなくてもいいでしょうか?」
「大丈夫だ!私達がやりたくてやるのだ。怜彬殿は気にしなくていい」
「じゃあ。私のお手伝いをしてもらおうかしら♡」
ニコニコしながら虹禀殿に手を握られた。
凄いフェロモンだわ…。女のわたしですらドキドキする…。
「明日、四季国へ行くから旅行がてら一緒に行きましょ~」
「はい!分かりました」
「ついでにのんびりしてきてください…」
「ありがとうございます。夏緋殿」
こうして、虹禀殿と一緒に四季国へ行く事が急遽決まった。
雷覇に話したら物凄い反対されたけれど、最終的には許可してくれた。
自分も一緒に行くと言ってきかなかったものの、虹禀殿がわたしと二人で!
と希望していたため渋々了承してくれた。
虹禀パワー恐るべし!!
最後までお読みいただきありがとうございます( *´艸`)
ブックマークしてくださった方ありがとうございます!!
ちょっとでもいいなと思ったら、
広告の下の☆☆にぽちりしていただけると嬉しいです(#^.^#)
感想・ご意見お待ちしております!(^^)!
【桜色ノスタルジー】スタートしました♡こちらもお楽しみいただければ幸いです!!
⇒ https://book1.adouzi.eu.org/n7006go/




