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宴会!!

 その日は我々にとって終わりの日だった。突然地響きが鳴り響き、地の裂け目から多頭龍が現れたのだ。

 村にいた冒険者達は、未熟なものしかおらず腕利きの冒険者達遠い地のクエストに旅立っていってしまっていた。

 まさに村の絶体絶命…の危機の筈だった。それをあの飛空挺が…突如現れた新型の飛空挺なのだろうか?それが一瞬で倒してしまった。一体あの飛空挺は何者が動かしていたのだろうか?

 気になる、私は好奇心にかられ思わず馬を走らせあの飛空挺の近くまで駆け寄ろうとしたが飛空挺はどこか飛び去ってしまった。村の中でこんな声が響き渡る。


「間違いなくあの飛空挺にのっているもの達はこの村にはとっての英雄!石碑でも立てよう!」


 それに対して否定するものなどいなかった。



 というわけで、俺たちが村に来てみるととんでもない騒ぎになっていた。やれ、あの飛空挺は救世主だの、勇者だのと。俺とエルさんが、直接飛空挺を村に持っていくのは騒ぎになるから面倒だと、飛空挺を雲の上に隠してきたのだ。それが逆にあの飛空挺に神秘性を持たせてしまったらしい。英雄だの、神の使いだのとどんどん話は膨らんでいった、このままではいずれ神話になってしまいそうな勢いでもある。ちなみに飛空挺から降りる際はエルさんの力を借りた、申し訳ない。


「すごい人気だな、俺たちの飛空挺…」


 小さい声でエルさんに話しかける。


「そうですね…まさかここまで騒がれてしまうとは…」


 俺たちの目的は俺が呼ばれた理由を知ること。転生者たる俺はこの世界の人々の願いに答える形でこの世に召喚されたのだと言う。問題はその願いがわからないことである。つまりなんのために呼ばれたのか俺はわからないのだ。それを知るために俺はここの村にきたわけだが…


「よし、では!今日は宴会だ!あの多頭龍を倒した飛空挺を称えて!」


 いつのまにか宴会をする雰囲気になってしまっていた。

 そして村中が大騒ぎ、酒を呑んだり、呑まれたりする祭りになってしまった。


「しまった、聞き込みっていう感じの雰囲気じゃなくなったぞ!」


 俺はおもわず苦笑いをする。


「ここはもう楽しむというのはどうでしょう?勇気様は頑張られたのですから、ハメを外すというのもいいと思います!何せ、あんなに頑張られたのですから。」


 そう褒められると少し恥ずかしい気持ちになってしまう。しかしたしかにこの世界に来てから、戦闘しかしていない。しかもお腹も減った。とりあえず流れに身を任せ宴会に俺たちは紛れ込むことにした。


「よう坊主!見かけねぇ顔だな!それに珍しい服だな!」


 すると、見知らぬおじさんに話しかけられた。どうやら俺が珍しいようだそれもそうか、俺は今、学生服の姿でいる。どうやら神様が転生をするとき気を利かせて、服装はそのままで転生させてくれたようなのだ。


「はい、旅のものでして!遠くから来ました!この村にも先ほど来たところです!」


 そう答える。まさか実は転生してきて別の世界からの出身なのですと答えても、信じてもらえるわけがないだから、話をスムーズに進めるために嘘をついてしまった。少々罪悪感はあるが致し方ない。



「そうか!大変だったな!よりにもよってこんな日に来るなんてよ!」


「そうですね!何か騒ぎがあったみたいで!」


 おじさんは俺が飛空挺のことを知らないと悟ると、飛空挺の勇姿について話し始めた。どれも本当は俺がやったことなのだがもし、ここで話したらとんでもない騒ぎになるか、嘘つきだとして怒られてしまうだろう。それらは避けたかった。おじさんはそんなこと知る由もなくしゃべり続けた。


「いやーそれにしても大変だな!深くは聞かねえけどよ!こんなご時世に旅とは。」


「どういう意味です?」


「なんだよ坊主しらねぇのか?」


 おじさんは酒を飲み干すと再び喋り始めた。


「さっきの多頭龍みてぇな巨大モンスターが各地に出没してんだよ。」


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