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転生魔導王は、底辺職の黒魔術士が、実は最強職だと知っている  作者: 銀翼のぞみ
二章

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92話 三獣魔ヨルガムンド

『ク、クソが……ッ』


『まさかこのようなことが……』


 アイラたちの攻撃をまともに受け、全身にダメージを負いながらも立ち上がるアガレスとバルパトス。


 まだまだ強さ的には発展途上の女勇者アイラ、そしてまだまだ幼さの残る少年魔法使いティオ。このような者たちに七魔族が二柱である自分たちが圧倒されている驚き、そして屈辱に震えている。


「ティオくん!」


「こちらはいつでも合わせられます!」


 テンペストキマイラを従えたエイラ、魔導書を構えたラティナスが叫ぶ。


 その声を聞きティオが再び飛び出した。


 今度はバルパトス懐に一瞬で飛び込み拳を突き出す。


『グゥゥ!? 先ほどのようにいくとは思わんことじゃな!』


 苦しげな声を漏らしつつもバルパトスはティオの拳を、両腕をクロスさせることで受け切って見せる。


【ほう、もう我らのスピードに対応し始めたか】


「さすがは七魔族、といったところかな?」


 少し驚いたような、それでいて余裕ありげな声色でやり取りを交わすベヒーモスとティオ。


『何を調子に乗ってやがる! 喰らうがいい!』


 バルパトスが攻撃を受けるのと同時に後方へと飛び退いていたアガレスが魔力鏡の能力を発動させようとする、のだが――


「無駄だということがわからないのか?」


 背後からそんな声がする。


『な――!?』


 驚愕のあまり振り返ろうとするアガレス、その体が前方へと吹き飛ぶ。

 今アガレスのいた場所には前蹴りを放った状態のティオの姿が。


 そして――


「《セイクリッドレイン》!」


「《ブリザードハウリング》〜〜!」


「《ライトニングジャッジメント》……!」


 アイラ、エイル、そしてラティナスの攻撃が二体を襲う。


『クソが! クソがぁぁぁぁ!!』


『グアァ……! 何をした……ッ』


 呪詛を吐くアガレスと気を失いかけながらもティオを睨みつけるバルパトス。


「何をしたも何も……」


【出力を上げただけだな、ティオ殿】


 涼しい様子でバルパトスの問いに答えるティオ。

 そう、ティオたちは単純にナイトオブベヒーモスのパワードスーツとしての出力を上げた。

 つまり最初に攻撃を仕掛けた時はまだまだ余力を残していたということである。


「さぁ、そろそろ終わりにしよう」


 そう言って、構えるティオ。

 アガレスとバルパトスの顔は恐怖と絶望の色に染まっている。

 もはや敵に余力は残っていない、このまま一気に片をつけるのみ。


 そんな時だった……


『騒がしいぞ――』


 底冷えするような、それでいて腹の奥に響くような、そんな声が空間に木霊する。

 次の瞬間、ドン……ッッ!! と音さえ聞こえてくるような錯覚をしてしまうまでのプレッシャーが迷宮の奥から伝わってくる。


【ちっ】


「復活したか」


 舌打ちするベヒーモス、そしてフルヘルムの下で顔を顰めるティオ。


 ゆっくりと、迷宮の奥から獣が現れた。


 一見すると狼だが、それとは比べものにならないほど巨大、そして禍々しくその体には鎖を纏っている。


『嗚呼……三獣魔が一柱、〝ヨルガムンド〟様!』


『ついに復活なされたか!!』


 ボロボロになりながらも神を仰ぐような様子で感嘆の声を漏らすバルパトスとアガレス。


『このような者たちに追い詰められるとは情けない、だが俺様を復活させた褒美をやろう』


 尊大な物言いでバルパトスとアガレスを見下す狼――否、三獣魔ヨルガムンド。

 次の瞬間、バルパトスとアガレスの体が禍々しい紫の光に包まれた……そして――


『おお! ダメージが完全に回復している!』


『さすがはヨルガムンド様の権能ですじゃ!』


 興奮した声を上げる二体。

 その言葉の通り、体からはティオたちから受けたダメージがキレイさっぱり消えている。


『さぁ、人間どもよ。俺様の配下をいたぶってくれた借りを返すとしよう。その後は魔王様たちを復活させるための準備だ。ゲハハハァァ!!』


 ティオたちを見下し、ヨルガムンドが吠える。

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