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転生魔導王は、底辺職の黒魔術士が、実は最強職だと知っている  作者: 銀翼のぞみ
二章

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71話 新たな旅路

 翌日、公爵家の食堂にて――


「ティオ殿、娘を頼む」


 ナツイロ公爵がおもむろにティオに切り出す。


「「「ブフォ……ッ!!」」」


 ナツイロ公爵の唐突な言葉に、思わず果実水を吹き出すティオ、アイリス、ベルゼビュート。

 公爵は今何を言った? 娘を頼む……それ即ちダリアのことを……?

 そんなことを思いながら、口の周りを拭くティオ。

 彼の疑問を察してか、ナツイロ公爵が苦笑しながら言葉を続ける。


「ティオ殿、もちろん貴殿にダリアを受け入れてもらいたい……という思いもあるが、今回は貴殿の旅にダリアをついて行かせてほしいというお願いだ。聞けば三獣魔の討伐に向かうそうではないか」

「公爵様……危険です。ダリア様の実力は知っていますが、今回は特に」

「わかっておる。何も三獣魔との戦いに参加させよと言っているわけではない。そこまでの露払い、他にもティオ殿のサポートをさせたいと思っている」


 ナツイロ公爵の言葉は続く。

 ダリアはティオの手によって悲しき運命から救われた。

 その恩返しをしたいというダリアの思いを、改めてナツイロ公爵からも伝えたかったと。


(どうしたものか……)


 ナツイロ公爵の話を聞き、頬を掻きながら考えるティオ。

 ダリアの思いはありがたいが、さすがに公国の姫君を連れて行くのは……

 そんな時だった――


「諦めて連れて行くわよ、マスター」

「そうですね、公爵様……それに何より、ダリア様の目は本気です。絶対に譲らないでしょう」


 ベルゼビュートとアイリスが、口を揃えてそんなことをティオに言ってくる。

 二人の言葉を聞き、改めてナツイロ公爵とダリアを見るティオ。


(なるほど、確かに説得は無理そうだ……)


 二人の表情を見て、そんな風に察するのだった。


「よし、そうと決まれば話は早い。キョクトウ法国までの船は公爵家で用意しよう。一度クラリスを経由して行くのがいいだろう」

「ありがとうございます。公爵様」

「ああ、娘をよろしく頼む」


 そんなやり取りを交わし、頷き合うティオとナツイロ公爵。

 話がまとまったところで、ダリアが――


「ティオ殿、末永く……よろしくお願いします」


 そう言いながら、うっすらと頬を染める。


「よくわからないけど、ダリアも仲間に加わるのね!」

「わーい! 次の旅も楽しみです〜!」


 リリスとフェリスが、きゃっきゃっとはしゃぐのであった。


 ◆


 数時間後――


「よし、行こう」


 ナツイロ公爵が用意してくれた船を前に、ティオが言う。


「「「はい!!」」」


 ティオの言葉に、一斉に応えるアイリスたち。


「ティオ殿」

「娘を……ダリアをよろしくお願いしますわ」


 船に乗り込むティオたちの背中を見送りながら、ナツイロ公爵とイライザ夫人が静かに言う。


 ◆


 船が出港して少し――


「マスター、ちょっといいかしら?」


 甲板で風を浴びるティオにベルゼビュートが話しかけてくる。


「どうしたんだい、ベル?」

「マスター、ほんの少しの間だけ私は次元の狭間に帰還するわ。三獣魔が復活したことを〝巫女〟に伝えるために」

「巫女……そういえば、何かこの世界で大きな事件が起きる時に、聖魔王が巫女に預言を授けるって聞いたことがあるけど、アレって本当だったんだね」

「そういうことよ。巫女がそれを国のトップに知らせれば、きっとどこかの国の勇者たちが動き出すと思うわ」


 勇者……と聞き、苦笑を浮かべるティオ。

 彼の頭の中にアイラたちの顔が浮かんだのを察し、ベルゼビュートも同じく苦笑を浮かべる。


「そんなわけで、少しの間ちびっ子二人を頼んだわよ、アイリス?」

「もちろんです。心配せずに預言を授けてきてください、ベル」


 優しい瞳でリリスとフェリスを見つめながら、そんなやり取りを交わすベルゼビュートとアイリス。


「うー、少し寂しいけどすぐ戻ってくるのよね?」

「少しの辛抱なのです〜!」


 言葉通り寂しそうな表情を浮かべながら、ちびっ子なりに気丈に振る舞うリリスとフェリス。

 そんな二人に、ベルゼビュートは「もちろんよ」と言い頭を撫でてやると、次元の狭間へのゲートを開き、姿を消すのであった。


「か、彼女が……ベルゼビュートさんが聖魔王というのは、どうやら本当のようですね」


 今までのやり取りで、何となくそのことを察していたダリアも、今の会話と目の前で起きた出来事で想像を確信へと変えたようだ。


 中継地点のクラリスへと向け、船は海の上を進む。


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― 新着の感想 ―
[一言] 新年、明けましておめでとうございます。 今年も楽しみにしています。 後、ティオもげろ。
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