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転生魔導王は、底辺職の黒魔術士が、実は最強職だと知っている  作者: 銀翼のぞみ
二章

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66話 魂の解放

 約二時間後――


「ふぅ、かなりの数のモンスターを倒しましたね」


 アイリスが刀についた血を払いながらティオに話しかける。


「そうですね、モンスターの魂もだいぶ集まってきました。あと少しといったところですね」


 アイリスの言葉に、鍵型のマジックアイテムにモンスターの魂を吸収させながら答えるティオ。

 マジックアイテムは眩いばかりの白銀の光を放っている。魂が集まりきれば、この光が虹色に変わるとナツイロ公爵からは説明を受けている。


「ふぇ〜、さすがに疲れるわね〜」

「でもあと少しなのです〜!」


 大半のモンスターをティオが圧倒的な力で倒しているとはいえ、連戦に次ぐ連戦でリリスとフェリスも疲れた様子を見せている。しかし、その瞳には揺るぎない闘志が宿っている。

 皆疲れているが、この調子なら島を覆う結界が解けるタイムリミットまでには間に合うであろう。


 誰もがそんなふうに思った時であった――


『何ら騒がしいと思えば……人間カ』


 そんな声がティオたちの耳に聞こえてきた。

 それに続き、ドスッドスッ……! という足音とともに三体の異形が現れた。


「……オーガか!」

「強敵、ですね」


 異形――オーガを見て声を漏らすオーギュストとダリア。

 オーガとは二メートルほどの筋骨隆々の体を持つ、鬼人型のAランクモンスターだ。

 三体はそれぞれ、剣、槍、棍棒を装備している。


『久しぶりの人間、食いごたえがありそうダ!』

『楽しませてもらウ!』


 そんなやり取りを交わすと、オーガたちは血走った目でその場を飛び出した。


「いくぞ!」


 そう言って、ティオも武器を手に飛び出す。

 ダリアたちも後に続く。


 ドガンッッ!!


 先頭のオーガの棍棒がティオに激突――する直前に《ベルゼプロテクション》が自動展開しティオを守る。

 突然現れた魔法陣型の盾を目の前にし、オーガが『ヌ……ッッ!?』と驚愕の声を漏らす。


 その隙を見逃すティオではない。

 そのまま勢いよく片手剣を突き出しオーガの土手っ腹を貫いてみせる。


『グゥゥゥゥゥ――!?』


 激痛のあまり声を上げ……そのままその場に崩れ落ちた。


 その隣では――


「さすがティオだな!」


 剣を持ったオーガと切り結びながらオーギュストがティオに称賛の言葉を送る。

 見ればオーガの体にはいくつか大きな傷が走っている。この様子であればオーギュストの方は問題ないだろう。


「アイリスさんたちの方は……」


 そう言いながら、アイリスとダリアの方を見るティオ。


「喰らいなさい!」

「いくら抵抗しようと無駄です!」


 アイリスが剣で斬撃を放ち、すかさず盾とハルバードで蓮撃を放つダリア。

 二人で連携することで、こちらもオーガを圧倒し――


『こんな……ことが、ガ――』


 とうとうアイリスの刀に心臓を貫かれ、オーガはその場に倒れ伏した。

 そんなタイミングで、オーギュストの方も敵を完全に沈黙させることに成功したようだ。


「ティオ殿、お願いします」

「了解です、ダリア様」


 ダリアの声に応え、ティオがマジックアイテムを発動する。

 結界の中を漂っていたオーガの魂がマジックアイテムの中に吸収され――


「これは!」

「やったな! 虹色に光ったぞ!」


 歓喜の声を上げるティオとオーギュスト。

 そう、ティオの手の中にある鍵型のマジックアイテムが、眩いばかりの虹色の光を放ち始めたのだ。


「どうやら無事に条件を満たしたようね」

「ダリア様、さっそく始めましょう!」


 虹色の輝くマジックアイテムを見てホッと息をつくベルゼビュート。

 そして興奮した様子でダリアの方へと振り返るアイリス。

 リリスとフェリスも「わ〜い!」「これでダリアさんが救われるのです〜!」と、はしゃぎまわっている。


「ではダリア様、始めます」

「お、お願いします。ティオ殿……!」


 ダリアが意を決したように頷いたのを確認したところで、ティオがマジックアイテムを彼女の胸元に向ける。

 すると、虹色の輝きがダリアの胸の中へと吸い込まれていく。


「か、体が熱い……っ」


 少々苦しげな声を漏らし、自分の腕を抱き抱えるダリア。

 その背中から、毒々しい紫色の霧のようなものが次々と噴き出してくる。

 それ見てアイリスとベルゼビュートが――


「あれが……」


「ええ、間違いないわ。あれが七魔族の一柱の魂よ」


 と、やり取りを交わす。


 紫の霧――七魔族の魂はやがて禍々しい輝きを放つ大きな結晶へと姿を変え、地面へと落ちていった。


「どうですか、ダリアさん?」

「あぁ……なくなっています。私の中にあった、あの禍々しい存在が……っ」


 大粒の涙を流しながら、ダリアがゆっくりとティオに抱きつく。

 どうやら無事に魂の解放に成功したようだ。


 ティオは少々困った様子で、しかし優しい手つきで涙を流すダリアの頭を撫でてやる……そんな時だった――


「ククク……これが七魔族の魂か」


 オーギュストが、そんな言葉を口にした。

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