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転生魔導王は、底辺職の黒魔術士が、実は最強職だと知っている  作者: 銀翼のぞみ
二章

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64話 協力者

「よし。ではさっそく、ダリアにこの件を伝えに行くとしよう」


「はい、公爵様」


 席から立ち上がる公爵の後についていくティオ。

 まだ食堂でアイリスたちと談笑していたダリアに、ティオが七魔族の魂の件を解決してくれることを伝える。


「ほ、本当ですか!? しかし、私個人の問題にティオ殿たちを巻き込むわけには……」


 七魔族の魂から解放されるかもしれないと聞き、ダリアの表情が輝くも、本当にいいのだろうかとすぐに俯いてしまう。


「ダリア様、ぜひお任せください。救世の旅を続ける者として、七魔族の魂を放っておくわけにはいきません。それに、何よりあなたを見捨てることはできませんので」


「ティオ殿……」


 ティオの言葉に、瞳を潤ませながら彼を見つめるダリア。

 その横で、イライザ夫人も「ティオさん、本当にありがとうございます」と、頭を下げる。


「まったく、マスターは本当に優しいわね」


「そういうことでしたら、わたしもお手伝いします!」


 ベルゼビュートは呆れたような……それでいて優しい表情で、アイリスもティオが決めたことならと、一緒に行く気満々の様子だ。


 リリスとフェリスも――


「よくわからないけど、お姫様を助けるのね!」


「ティオさんは強いから、もう安心なのです〜!」


 と、盛り上がっている。


「ティオ殿、本当に感謝する。こちらも最大限の準備をしよう」


 ナツイロ公爵はそう言って、どこかへと出かけていくのであった。


 翌日――


 ティオたちはさっそく、件の迷宮化した離れ小島へと向かうことにする……のだが――


「協力者、ですか?」


「ああ、事が事だからな。信用できる者を協力者として雇った」


 城の廊下を歩きながら、そんなやり取りを交わすティオとナツイロ公爵。

 そのままエントランスへと出ると、そこには――


「オーギュスト、さん……?」


 不思議そうに首を傾げるティオ。

 そう、そこには武闘大会決勝戦の相手、オーギュストが立っていたのだ。


「ティオ、公爵様から依頼を受け、俺も今回の件に協力させてもらうことになった。よろしく頼む」


 そう言って、手を差し出してくるオーギュスト。

 どうやらナツイロ公爵が雇った協力者というのは彼のことらしい。


「オーギュストは武闘大会で、数年連続で優勝していたほどの実力者だ。ギルドも太鼓判を押すほどの人材であるので、今回秘密裏に協力してもらうことにした」


「そういうことですか、公爵様。なるほど、オーギュストさんだったら頼もしいです」


 ナツイロ公爵の言葉に頷きながら、オーギュストと握手を交わすティオ。

 そんな二人を見ながら、エントランスの隅の方でリリスとフェリスが――


「む〜……」


「なんだか嫌な感じがするのです〜……」


 と警戒した様子を見せている。

 彼女たちの反応を横目で見ながら、どうしたのだろうと不思議に思うティオ。


(そういえば、前もオーギュストさんを見てあんな反応をしていたな……)


 と、そのことを思い出す。


 しかし今はダリアのことが優先だ。

 ある程度やり取りを交わすと、皆で離れ小島へと向かうことにする。


 ◆


 公爵家の用意した船に揺られ、離れ小島へとたどり着いたティオたち。

 一見普通の小島だが、鬱蒼と生い茂る密林の中から、モンスターどもの気配がこれでもかと漂っている。


「よし、まずはマジックアイテムを発動しましょう」


 そう言って、ナツイロ公爵から預かった金色の鍵のようなマジックアイテムを懐から取り出すティオ。

 天に向かってそれを翳すと黄金色の輝きが放たれ、半透明のドームのようなものになって、この小島を覆ったではないか。


「ティオ、これは?」


「オーギュストさん、これは討伐したモンスターの魂が孤島から飛んでいかないようにするためのマジックアイテムです」


「なるほど、そうやって魂を集めるわけか」


 ティオの言葉に感心した様子のオーギュスト。

 説明が済んだところで、ティオたちはモンスターの生息する密林――迷宮の中へと足を踏み込む。


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挿絵(By みてみん)

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