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転生魔導王は、底辺職の黒魔術士が、実は最強職だと知っている  作者: 銀翼のぞみ
二章

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58話 思わぬ来客

「ふぅ、久しぶりの剣を使っての戦い、けっこう楽しめたな……」


 そんなひとり言を呟きながら、ティオが会場の出口から出てくる。

 大会の表彰式を終え、賞金と記念品を受け取りホクホク顔だ。


 そんなティオの前に一人の少女が飛び出してくる。


「ティオ様!」


「アイリスさん――うむぅ!?」


 飛び出してきた少女……アイリスに抱きしめられ、彼女の胸の谷間からティオがくぐもった声を漏らす。


「ちょっとアイリス、抜け駆けなんてずるいわよ!」


 アイリスに先を越されたベルゼビュートが、頬をぷっくりと膨らませながら近づいてくる。


「あはは!」


「ティオさんはほんとにモテモテなのです〜!」


 アイリスの胸の中で顔を揉みくちゃされるティオを見て、リリスとフェリスが面白そうに笑っている。


「マスター、お疲れ様。カッコよかったわよ」


「ぷはぁっ……! ありがとう、ベル」


 アイリスの胸からなんとか脱出しつつ、ベルゼビュートの言葉に答えるティオ。

 その際に、ティオの手がアイリスの胸の敏感なところに当たってしまったようで、彼女が「あん……っ♡」などと悩ましい声を漏らすが……聞こえなかったことにする。


「ティオさん、抱っこしてほしいですぅ〜!」


 そう言いながら、ティオの体をよじ登ってくるフェリス。


「私も〜!」


 リリスも羽をパタパタとはためかせながら、ティオの頭にちょこんと座る。


「えへへ〜、ティオさんの抱っこは気持ちいいです〜」


 ティオに抱っこしてもらい、フェリスが嬉しそうに声を漏らす。

 先ほどまで戦いの緊張感の中にいたティオは、その落差に思わず苦笑してしまうのであった。


「とりあえず、宿屋に帰ろうか」


「そうですね、ティオ様」


「せっかくだし、夜は盛大にお祝いしましょう」


 ティオの提案に、アイリスとベルゼビュートがそんな風に答える。


「いいなぁ〜……」


「強い上に美少女たちにモテモテじゃねーか……」


 宿屋に向かって歩き出したティオたちを見て、観客だった男たちが羨ましげにその姿を見送るのであった。


 ◆


 宿屋に戻ってきたティオたち。

 久しぶりの接近戦を繰り返したということもあり、ティオは疲れを癒すために少しだけ眠りに就こう……そう思っていたのだが――


「ま、まさか、ここまで来客があるなんて……」


 げっそりした表情で、ソファーの背もたれに体重を預けるティオ。


「まぁ、仕方ないかもしれませんね」


「なんせ、一年に一度開かれる大イベントの新チャンピオンになったんですもの」


 さらに疲れた様子のティオに、苦笑しながらそんな言葉をかけるアイリスとベルゼビュート。


 宿に戻ってきたあと、ティオのもとにひっきりなしに来客があった。

 この島国、ナツイロ公国を拠点とする大商人や、小貴族など様々である。

 そして、その誰もが年頃の自分の娘を一緒に連れてきて、ティオに紹介してくる。


 武闘大会で優勝したことで、ティオの噂は瞬く間に広がった。

 それほどの実力者、しかもAランク冒険者となれば、「お近づきになりたい」「自分の娘を嫁入りさせて繋がりを持ちたい」……などと考える者たちが出てくるのも当然だったのだ。


 宿屋の受付に突き返させればよかったのかもしれないが、ティオの真面目な性格が災いして、その全てと面会し丁重にお断りするのを繰り返していたのである。


 気づけば陽は傾き始め、オレンジ色の夕焼けが部屋の中に差し込んでくる。


(さすがにもう誰も来ない、よね……?)


 夕焼けの空を眺めながら、ティオがそんなことを考えた時だった。


 コンコンコン――ッ。


 部屋にノック音が鳴り響いた。


「……はい、今行きます」


 疲れた表情で返事をしながら、部屋のドアへと歩いていくティオ。

 ドアを開ければ案の定、宿屋の従業員が立っていた。


「今度はどなたですか……?」


 どうせまた面会の希望だろうと、ティオが問いかける。


 すると――


「お疲れのところ申し訳ありません。じ、実は――公爵様が直々にお見えになっておりまして……」


 ――そんな答えが返ってきた。


「…………は?」


 ティオは間抜けな声を漏らすのであった。

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