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転生魔導王は、底辺職の黒魔術士が、実は最強職だと知っている  作者: 銀翼のぞみ
二章

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57話 決着

 ガキンッッ!


 そんな音ともに、ティオが盾でオーギュストの大剣を捌く。

 そのままオーギュストの腹に向かって蹴りを繰り出した。


「大した身のこなしだな!」


 そう言いながら、オーギュストはティオの蹴りを左手のガントレットで防ぐ。


 だが、ティオは止まらない。

 さらにシールドバッシュと剣による連続連携攻撃を次々に繰り出す。


 オーギュストも負けじと大剣でティオの攻撃を捌く。

 重量武器を扱っているというのに、凄まじいスピードの剣捌き。

 何度も大会で優勝しているだけのことはある。


「さぁ、俺もそろそろ本気を出させてもらうぞ! 《剣鬼舞踏》、発動!」


 ティオの連続攻撃を捌きながら、スキルの名をオーギュストが叫ぶ。

 すると彼の体に、赤色のオーラのようなものが纏わり付いた。


 ベキッッ!!


 そんな音が響き渡る。

 見ればティオの剣が折れてしまっているではないか。

 そしてその前には大剣を振り切ったオーギュストの姿が……。


【(なかなかに凄まじいスピード、それにパワーだな……)】


「(……そうだね、ベヒーモス)」


 小声で、そんなやり取りを交わすベヒーモスとティオ。


 オーギュストの発動したスキル《剣鬼舞踏》――

 恐らく身体能力の大幅強化の効果があるのだろう。

 攻撃の威力を見るに、上級以上のスキルであると判断できる。


「そらいくぞ!!」


 獰猛な笑みを浮かべ、オーギュストが動き出す。

 大剣を自分の体であるかのように自在に操り、さらに拳や蹴りなどの体術による攻撃も織り交ぜてくる。

 スキルによって威力とスピードの上がった凄まじい猛攻を前に、ティオは防戦一方を強いられる。


 本気を出したオーギュストを見て、会場が更なる興奮に包まれる。


「ティオ!」


「ティオさんが危ないです〜!」


 押されるティオを見て、観客席でリリスとフェリスが悲痛な声を漏らす。


「ふふっ……大丈夫よ、二人とも」


「ティオ様があの程度の相手に負けるはずがありませんからね」


 リリスとフェリスとは対照的に、ベルゼビュートとアイリスは余裕の笑みを浮かべながら、戦況を見守る。


 そんなタイミングであった――


「(ベヒーモス、少しだけ出力を上げようか)」


【(くくく……そうだな、少しだけ上げるとしよう)】


 ――ティオとベヒーモスがそんなやり取りを交わす。


 その直後、パワードスーツと化したベヒーモスから、先ほどよりも少しだけ大きな駆動音が上がり……


 ドパン――ッッ!!


 ……腹に響くかのような重い音が響き渡る。


「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!?」


 そんな声とともに、大きく後方へと吹き飛んでいくオーギュスト。

 そのまま受け身を取ることすらできぬまま地面に叩きつけられる。


 突然の出来事に、会場がどよめきに包まれる。

 観客の反応に、アイリスとベルゼビュートは「ドヤっ」とした表情を浮かべる。

 リリスとフェリは「すごいわ、ティオ!」「やっぱりティオさんは強いです〜!」と興奮した声を上げはしゃいでいる。


 ティオとのやり取りの通り、ベヒーモスは自身のパワードスーツとしての出力を上げた。

 それによって生み出された圧倒的なパワーとスピードを活かし、ティオは強烈なシールドバッシュを放った。

 その結果、オーギュストはなす術もなく後方へと大きく吹き飛ばされたわけである。


【ティオ殿】


「ああ。このまま片付けよう、ベヒーモス」


 短くやり取りを交わすベヒーモスとティオ。


 立ち上がったオーギュストに急接近。

 折れた剣は捨て、拳のラッシュとシールドバッシュを連続で放つ。


「ぐぅぅッッ!? なんだ、このスピードとパワーは!!」


 大剣を盾のように構え、ティオの猛攻に耐えるオーギュスト。

 とんでもない威力の打撃の数々に大剣は所々凹み、刃こぼれだらけになっていく。

 大剣で防げない攻撃はオーギュストの鎧にヒットし、そちらにもダメージが蓄積していく。


「これで終わりだ」


 ボロボロになったオーギュストに、ティオが拳を大きく振りかぶる。


「ひぃ……ッッ!?」


 やられる! そんな風に悟ったオーギュストが情けない声を漏らしてしまう。


 そんなオーギュストにティオは拳を――コツンっ……と優しく当てる。


 ドサッ……!


 脱力したオーギュストが、その場に崩れ落ち尻餅をつく。


「し、勝者、ティオ……!」


 オーギュストが戦意を喪失したと判断し、審判がティオの勝利を告げる。


『『『ウオォォォォォォォ――ッッ!!』』』


 会場が歓声に包まれる。


「やったわね!」


「さすがティオさんです〜!」


「惚れ惚れする戦いぶりでした!」


「素敵よ、マスター!」


 リリス、フェリス、アイリス、ベルゼビュートが、他の観客に負けないような熱量で興奮の声を上げる。


『『『ティオ! ティオ! ティオッッ!!』』』


 ティオの勝利を祝福するように、観客たちが彼の名を叫ぶ。


「こ、これは恥ずかしいな……」


【くくく、ティオ殿は相変わらずだな】


 観客たちのエールに、ティオが恥ずかしそうな表情を浮かべ、ベヒーモスがそれに苦笑するのであった。

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