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転生魔導王は、底辺職の黒魔術士が、実は最強職だと知っている  作者: 銀翼のぞみ
二章

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52話 指輪は薬指に

 翌日――


 ティオたちは港のマーケットまでやってきていた。

 宿屋の受付嬢に、獲れたての鮮魚をマーケットで買えば近くのいくつかの飲食店で調理してもらえるという話を聞いたからだ。


「うわ、あの魚、すごい色してますね」


 とある露店を指差しながら、ティオが言う。


 大きな水槽の中を、青が際立つ美しい色の魚が泳いでいる。

 さすが南国の島というべきか、珍しい色の魚もいるものだ。


 魚だけではない。よくよく見てみれば、貝類も非常に綺麗な色をしているのが見受けられる。


 露店の店主の呼び込みを受けながら、いくつかの店をまわり、ティオたちはナツイロダイと言われる大きな魚を一匹、オアシスシュリンプという青色の手のひらサイズのエビを人数分、サンライトホタテという二枚貝を人数分、それと果物をいくつか買って近くの飲食店へと向かう。


 店の従業員が、ティオたちが買い物袋を持っているのを見ると、ニッコリ笑ってそれを受け取り、おすすめの調理方法をいくつか提示してくれる。


 ナツイロダイは煮込み料理に、オアシスシュリンプは塩焼き、サンライトホタテはバター焼きで調理をお願いした。

 果物はデザートに生クリームを添えた盛り合わせにして出してくれるとのことだ。


 ちなみに、調理代はなかなかに良心的な値段だった。

 恐らく観光客だけでなく、地元民もよく使っているからだろう。


 少しすると料理が運ばれてきた。


 どれも盛り付けが綺麗で、いい匂いが漂ってくる。

 朝だというのに、食欲がこれでもかとそそられる。


「あ、このエビの塩焼き、美味しいですね」


 オアシスシュリンプを一口かじり、アイリスが瞳を輝かせる。

 昨日もレストランでロブスターが気に入っていたようだし、もしかしたら甲殻類が好きなのかもしれない。


 ティオも一口かじると、アイリス同様にその瞳を輝かせる。

 プリプリの歯応えに、エビの旨味をこれでもかと凝縮したような味わい、それが塩で焼かれることによって、より引き立てられている。


「タイも美味しいわ!」


「ホタテもです〜!」


 口をハフハフさせながら、ナツイロダイの煮込みと、サンライトホタテのバター焼きを食べるリリスとフェリス。


 ベルゼビュートは苦笑しながら、二人の口の周りを拭いてあげている。

 昨日はあんなに妖艶な雰囲気でティオを誘ってきたのに、今は完全にママの顔である。


 最後にフルーツの盛り合わせを食べると、皆は満足顔で店を後にする。


 ◆


 二時間後――


 宿屋で少しの休憩を取ったあと、ティオたちはこの街の商業区の中を歩いていた。

 ティオたち……というより、アイリスを始めとした女性陣はワクワクした表情で歩いている。


 ティオは連れて行きたいところがあると言って、皆をここまで連れてきた。

 どんなところに連れて行ってくれるのだろうと、アイリスたちは楽しみでしょうがないのだ。


「あ、ここかな?」


 とある店の前で、足を止めるティオ。

 店のショーウィンドウには色鮮やかな宝飾類が並べられている。


「わぁ〜!」


「綺麗なのです〜!」


 ショーウィンドウのガラス越しにアクセサリーの数々を眺め、瞳をキラキラさせるリリスとフェリス。

 アイリスとベルゼビュートも同じく瞳をキラキラさせながらショーウィンドウを眺めている。


「ティオ様、ここってアクセサリーショップ……ですよね?」


 アクセサリーに目を奪われつつ、問いかけるアイリス。


「この島は宝飾職人が多く、その中でもこの店は、この島でしか採れない鉱石を使ったアクセサリーのみを取り扱っているそうです」


 アイリスの質問に答えつつ、店の扉を開けるティオ。


 せっかくバカンスに行くのだから、何か思い出に残る品を皆にプレゼントしたい……。

 そんな思いで、ティオはクラリスでユリとスズなどに話を聞き、事前に店のリサーチを済ませておいたのだ。


 ティオが自分たちのために……。


 それに気づいたアイリスたちは、花の咲くような笑顔を浮かべ、ティオのあとについていく。


「いらっしゃいませ」


 店に入ると、スーツに身を包んだ何人もの女性スタッフに出迎えられた。


 並べられているアクセサリーたちは、どれも魅力的な輝きを放っている。

 この島の鉱石や、どういったアクセサリーが特におすすめなのか……などの話を聞きつつ、ティオたちは店の中を眺めてまわる。


 ティオたちがAランクの冒険者タグを付けていることに気づいたからだろうか、もしくは妖精であるリリスとフェリスを連れているからだろうか。


 周りの客が一グループに一人のスタッフが付いているのに対して、ティオたちには三人のスタッフが付いている。


 指輪にネックレス、ブレスレット……様々なアクセサリーが飾られているが、アイリスたちは誰もが指輪がいいと言った。


 この店には貴金属のサイズ調整が可能な魔法スキルを使える宝飾技師がいるらしく、どのデザインの指輪でも合うようにサイズ調整してくれるとのことだ。

 つまり、小型妖精のピクシーであるリリスにもぴったり合わせてくれるということである。


 色々と悩んだすえに、アイリスはアイスブルーの宝石、ベルゼビュートはアメジストヴァイオレットの宝石、リリスはクリアピンクの宝石、フェリスはクリアグリーンの宝石が嵌め込まれた指輪をチョイスした。


「ティオ様、その……よろしければ指輪をはめていただけませんか……?」


 頬をピンクに染めながら、そんなことを言ってくるアイリス。

 それを聞いたベルゼビュート、リリス、フェリスの三人が……


「あ、ずるいわよ、アイリス」


「ティオ! 私も!」


「私もお願いします〜!」


 ……と、一気に詰め寄ってくる。


 そして四人とも、〝左の薬指〟に指輪を付けてほしいと言ってくる始末だ。

 さすがにその場所は……と、ティオは尻込みするのだが、拒もうとすると四人して瞳をウルウルさせてくるので、結局薬指に付けてやることになるのだった。


「はぁ……ティオ様からのプレゼント……」


「嬉しいわ……」


 蕩けた表情で、自分の薬指を眺めるアイリスとベルゼビュート。


 リリスとフェリスも「わ〜い!」「とってもキレイなのです〜!」とはしゃいでいる。


 四人のそんな表情を見せられれば、ティオもプレゼントした甲斐があるというものである。

 お値段は普通であれば目玉が飛び出るほどのものであったが、ティオの懐具合であれば問題なしだ。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] あ…リリスたんとフェリスたん、いつの間に(笑) …肉欲にまみれる前に何とかしなければ!(苦笑) [一言] ここだけの話、ベルゼビュートは一体何個目の左手薬指用の指輪なんでしょう(笑)…
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