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転生魔導王は、底辺職の黒魔術士が、実は最強職だと知っている  作者: 銀翼のぞみ
一章

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31/99

31話 圧倒

『く、黒魔術士だと……? 底辺職風情が、私のトロールたちを倒せるわけがなかろう!』


 叫ぶ魔族ガイル。


 そんなガイルを、ティオは――


「試してみるか?」


 ――と鋭い視線で見据える。


『く……っ!?』


 と、後ずさる魔族ガイル。

 底辺職である黒魔術士の圧に、体が勝手に反応してしまったことに戸惑いを覚える。


『いけ、トロールどもよ! ヤツを血祭りに上げろ……! しかし油断はするな!』


 正体不明の攻撃を放ってきたティオを警戒しつつ、魔族ガイルが二体のトロールをけしかける。


『『ゲバァァァァァッッ!』』


 と雄叫びを上げ、ティオの方へと駆けてくるトロールたち。


 ティオの後ろで、スズが「ひ……っ」と小さな悲鳴を漏らす。

 どうやら先ほど殺されかけたせいで、モンスターに対する恐怖心が強まってしまっているようだ。


「大丈夫です、そこにいてください」


「よ……よそ者……?」


 ティオの言葉に、弱々しい声を漏らすスズ。


 そんな彼女に、ティオは背中越しに大きく頷くと――


「《ブラックジャベリン》……ッ!」


 ――と、高らかに叫ぶ。


 ティオの目の前に二本の魔槍が現れ、漆黒の閃光となってそれぞれトロールに襲いかかる。


『ゲバァァァァァッッ!?』


『ゲッ……バァァァァァァッ!?』


 苦しげな声を漏らす二体のトロール。

 それぞれ腹と肩に、漆黒の魔槍が貫通している。


『ば、馬鹿な……! 再生スピードが落ちているだと……!?』


 驚愕した声を漏らす魔族ガイル。


 そう、魔槍によって穿たれてできた大きな傷口……。

 そこから煙は立っているのだが、明らかに再生スピードが遅いのだ。


「何を驚いている? 黒魔術は相手の生命力を奪うという特性を持っているのは知っているだろう?」


 不敵な笑みを浮かべて魔族ガイルに言うティオ。


『ふ、ふざけるな! 確かにそれは知っている……。しかしこれほど強力な黒魔術などあってたまるか……ッ!』


 言いながら、魔族ガイルが両手を広げてティオの方に向ける。

 すると手の平から、氷の魔槍が放たれたではないか。


「よ、避けろ……!」


 思わずユリが叫ぶ。


 しかし、ティオはその場を動かない。


 棒立ちのティオに氷の魔槍が直撃――するのだが……。


 パァン――ッ!


 そんな音ともに、氷の魔槍は霧散してしまった。


「な……!?」


『我の《アイシクルランス》が打ち消されただと!?』


 ユリと魔族ガイルが同時に驚愕の声を漏らす。


「うふふっ……私の防御魔法が中級魔法スキルごときに破られるはずがないでしょう?」


 妖艶な笑みを浮かべるベルゼビュート。


 そう、魔族ガイルが放った氷の魔槍――《アイシクルランス》は、彼女の施した《ベルゼプロテクション》によって阻まれたのである。


「す、すごい……」


「あんなに強力な敵を……圧倒するなんて……」


 ユリとスズがそれぞれ瞳を見開き、ティオを見つめる。


 そんな彼女たちの反応を見て、アイリスは「ふふふっ」と満足げだ。

 彼女も前線に出てもいいのだが、ティオの実力をユリとスズに知らしめるために、今回は後方に控えている。


「もう諦めろ、お前に勝ち目はない」


 静かに、ティオが魔族ガイルに言う。


『ふ、ふざけるな! 我はこんなところでやられるわけにはいかぬ! 何としても〝三獣魔〟様を復活させなければならぬのだ……ッ!』


 目を血走らせ、叫ぶ魔族ガイル。


 そしてそのままトロールのもとに駆け出しながら『《モンスターフュージョン》……!』と、言葉を紡ぐ。


 すると、トロール二体と、魔族ガイルの体が紫の光に包まれたではないか。


 光は輝きを増し、一つの形を成す――


『ゲババババァ……! 我はトロールと〝融合〟を果たした。これで貴様に勝ち目はないぞ……!』


 そんな言葉を漏らす魔族ガイル――


 トロールの姿が消えた代わりに、魔族ガイルの体はふた回りほど大きくなり、その体は筋肉で膨れ上がっている。


 なるほど。本当にトロールと融合したようだ。


『いくぞ! 黒魔術士……ッ!』


 ダン――ッ!


 と、凄まじいスピードで飛び出した魔族ガイル。


 対し、ティオは「《ブラックバレット》ッ!」とEXスキルを発動する。

 ティオの目の前の空間から、数十もの漆黒の魔弾が飛び出し、魔族ガイルに殺到する。


『ゲバァァァァァッッ――!?』


 苦しげな声を漏らし、魔弾に滅多撃ちにされる魔族ガイル。


 トロールと融合した自分のスピードがあれば、ティオの《ブラックジャベリン》のスピードを上回り、攻撃を通すことができると目論んだ……のだが――


 ティオはその考えの上を行っていた。


 魔族ガイルの強化されたスピードに対し、瞬時に《ブラックジャベリン》よりも発動速度の速い《ブラックバレット》に攻撃方法を切り替えたのだ。


「三獣魔という単語は気になるが……お前を生かしておくのは危険だ。だから……死ね」


『待っ――――』


 待ってくれ、とでも言いたかったのだろうか。


 そんな魔族ガイルの頭上から、ティオは《ブラックジャベリン》を三本降らせ、そのまま地面ごと穿ち――その命を完全に絶った。


「ま、まさか……」


「本当に……魔族もトロールも倒しちゃった……」


 ユリとスズは、呆然と言葉を漏らすのだった――


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