表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生魔導王は、底辺職の黒魔術士が、実は最強職だと知っている  作者: 銀翼のぞみ
一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/99

25話 女勇者たちの動向

「うわ〜! どこまでも青いのね〜!」


「風が気持ちいいです〜!」


 船が出港してから、リリスとフェリスは大興奮だ。

 ずっと樹海で暮らしていれば、船など乗ったこともなかったので当然か。


「リリス、フェリス、危ないから身を乗り出しちゃいけないよ?」


「「は〜い!」」


 ティオに元気に応えつつ、二人とも身を乗り出している。

 羽のあるリリスはともかく、飛べないフェリスは危ないので、ティオは後ろから抱っこしてやる。


「あ〜! フェリスったらずるい! 私も〜!」


 そう言って、リリスがティオの頭にちょこんと座る。


「すっかり二人に気に入られてしまいましたね、ティオ様?」


「ほんと、マスターの優しいところ、好きよ」


 アイリスとベルゼビュートが、ティオの左右から寄り添ってくる。

 エルフに魔王(仮)に妖精……つくづく異種族に愛される少年である。


 数時間後――


「ティオ様、よろしければ、そろそろお昼などいかかでしょうか?」


 ティオが船のデッキで、リリスたちと遊んでやっていると、乗組員の一人が声をかけてくる。


 船旅ではしゃぎすぎて気づかなかったが、そんな時間になっていたようだ。


 せっかくの船旅だからということで、乗組員たちが船のデッキに席を用意してくれるらしい。


 緩やかな風を浴びながら、海上ランチと洒落込むわけだ。


「これは……とても美味しそうですね」


 席に着いたアイリスが思わず声を漏らす。


 テーブルの上には、魚のカルパッチョや、魚介のスープ、それに大型の海老のグリルなど、様々な海の幸が並べられていたのだ。


「全部今朝漁れたものです。新鮮な海の幸をご堪能ください」


 そう言って、乗組員は作業に戻っていった。

 本来なら、付きっきりで世話を見るのだろうが、それではティオたちが緊張してしまうだろうと、あえて近くから離れたのだろう。

 さすが侯爵家に雇われた乗組員である。


「うわ! この海老っていうんだっけ……? すっごく美味しいわ!」


「スープも最高です〜!」


 リリスとフェリスがまたもやはしゃぐ。


 海老はバターソース、それにレモンで味付けされており、シンプルながら素材の味を楽しむことができる。身はしっかりと弾力があり、食感が心地よい。


 スープはトマトと一緒にいくつもの魚介が煮込まれており、魚の旨味と、トマトの甘みと酸味が程よい塩梅だ。


 ティオとリリス、それにベルゼビュートも、他の料理に舌鼓を打つ。

 新鮮な魚介に美しい海の景色、そしてこの時のために船を停めてくれたようで、風も緩やかで気持ちいい。


 最高の海上ランチである。


 ◆


 バーレイブ王国の隣国、リラン公国のとある村、その宿屋にて――


「ティオを追放した? どういうことです、勇者様……?」


「そうだよ! ティオくんを追い出すなんて! いったいどういうつもり!?」


 女勇者――アイラを、二人の少女が問い詰めていた。


 前者の名は〝ラティナス〟――

 長身で、白の長髪をした物静かそうな少女だ。

 このパーティの一員であり、クラスは〝賢者〟である。


 そして、後者の名は〝エイル〟――

 身長は低く、どこか幼い……いわゆるロリ顔と、明るいブラウンの髪を持った少女。

 ラティナスと同じくこのパーティの一員であり、クラスは〝召喚士〟である。


 ここしばらく、二人はアイラたちと別行動を取っていた。


 二人の知らぬ間にティオがパーティ追放となっていた……。

 そんな事実を、集合予定地であるこの宿屋でたった今聞かされたわけである。


「二人とも、落ち着け。アイラ様が困ってらっしゃるだろう」


 ラティナスとエイルを宥めようと、白魔術士――ルシウスが割って入る。

 しかし、その表情はどこか楽しげだ。


「そう……そういうことですか」


 細めた瞳でルシウスを睨みながら、ラティナスが言う。


「え? どういうこと、ラティナス!?」


「エイル、多分だけど……ティオをパーティから追放するように、ルシウスが勇者様に進言したのよ」


「えぇ!? どうしてそんなこと!」


 ラティナスの言葉に驚きつつも、今度はルシウスに詰め寄るエイル。

 そんな二人を、ルシウスは「ふん……っ」と、鼻で笑いソッポを向く。


「答える気がないならいいです。勇者様に聞きますから」


「アイラ様! どうしてティオくんを追放なんてしたの!?」


 ラティナスとエイルが、再びアイラに尋ねる。


「それは、ティオが足手まといだったからよ……」


 俯きながら、アイラが答える。

 膝に置いた両手が、僅かに震えているのを、ラティナスは見逃さなかった。


「足手まといですか、とてもそれだけが理由とは思えませんが……いいでしょう。本当のことを言う気になったら、話してください」


「え!? 本当のことって、どういうこと? ラティナ〜!」


 アイラが何かを隠していることに気づいたラティナス。

 それとは反対に、何から何までわからないエイルが、頭を抱えて叫ぶ。


「それより、次の目的地を伝えるわ」


 話はここまで――

 そういった雰囲気で、アイラが切り出す。


「次の目的地はバーレイブ王国よ。国王様直々の呼び出しらしいから、心しなさい」


 と――


【読者の皆様へ】


下にスクロールすると、作品に評価をつける【☆☆☆☆☆】という項目があります。


お楽しみいただけましたら、どうか応援していただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 実際に追放されるまでは足手まといで間違ってないからなぁ、実力以外に何かしらメンバー三人の女性を惹き付ける魅力があったんだろうけど今のところ見えてこない 今後の展開で明かされるのを期待し…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ