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転生魔導王は、底辺職の黒魔術士が、実は最強職だと知っている  作者: 銀翼のぞみ
一章

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20/99

20話 ランクアップ

「なるほど、迷宮での異変の原因はその妖精たちだったわけですか……」


 ティオが経緯を説明し終えると、受付嬢は納得といった感じで言葉を漏らす。


 被害に遭ったアイリスは複雑そうな表情を浮かべたが、無邪気にティオに甘えるリリスとフェリスを見ると、毒気を抜かれてしまったように小さく笑う。


「では、クエスト達成ということでいいですか?」


「はい。高ランクモンスターの死体をあれだけ持ち帰ってきましたし、妖精たちの証言もありますから、これにてクエスト達成とさせていただきます」


 ティオの問いに、受付嬢が頷く。


 持ち帰ったモンスターの死体の買い取り金と合わせて、今回の報酬を支払うから、少し待機していて欲しいと言われたので、ティオたちはギルドの酒場に移動することとする。


「そうだ。せっかくだし、ベルも呼んであげるか」


 受付嬢が歩き出したところで、ティオがEXスキル《ブラックサモン・魔》を発動する。


 漆黒の魔法陣の中から、ベルゼビュートが「うふふっ……会いたかったわ、マスター」と言って現れる。


 ベルゼビュートの声に、受付嬢が振り返り、ギョッとした表情を浮かべる。

 突如として人が現れれば当然である。


「ぼくのスキルで呼んだだけなので、気にしないでください」


「スキルで人を召喚する……!? 本当にあなたはいったい……」


 ティオの適当な説明に、受付嬢はさらに目を見開く。

 何か特別な力を持っているということを匂わせるには、実に効果的だ。


「すごいすごい! ティオは何でもできるのね!」


「綺麗な人です〜!」


 魔法陣の中から現れたベルゼビュートを見て、リリスとフェリスは大興奮だ。


「あら? マスター、この子たちは?」


「ベル、この子たちのことは後で説明するよ。ひとまず酒場に移動しよう」


「うふふっ……お昼からアルコールなんて素敵ね。それじゃあ行きましょう?」


 そう言って、フェリスを抱っこするティオの腕に軽く手を触れさせて、ベルゼビュートが寄り添ってくる。


「ず、ずるいです!」


 慌てた様子で、アイリスもティオの反対側に寄り添う。


「あははは! ティオってばモテモテね!」


「でも抱っこは代わってあげないのです〜!」


 頭の上でリリスが、そしてティオの腕の中でフェリスがさらに盛り上がる。


 こうなっては仕方ないと諦め、皆を連れてティオがギルドの中へと歩き出す。


 それを呆然とした様子で、受付嬢が見送るのだった。


 ◆


「なるほど、それじゃあ、その子たちを故郷に送り届けるための旅に出るわけね?」


「ああ。かわいそうだし、放っておけないだろう? 魔族の話も気になるし……」


 酒場でグラスを傾けながら、問いかけてくるベルゼビュートに、ティオが頷く。


「ティオ様がそういうなら、一緒に行きましょう。救世の旅の始まりですね!」


 リリスとフェリスを、故郷であるルミルスの大樹海に送り届ける旅に出ることを、アイリスは了承してくれるようだ。


「やった〜!」


「これで帰ることができます〜!」


 リリスはティオの肩の上で、そしてフェリスは同じくティオの膝の上で、諸手を挙げて喜びを露わにする。


 話の内容は詳しく聞こえなかったが、二人の無邪気な様子に、周りの冒険者たちも微笑ましげな表情を浮かべている。


「ティオさん、鑑定が終わりましたので、報酬をお支払いします。」


 受付嬢が革袋を持ってティオのもとへと歩いてくる。


 今回のクエスト報酬と、モンスター別の買い取り金額の内訳を聞きながら、アイリスたちとともに革袋の中を確認する。

 なかなかに……というか、今回もかなりの金額となった。


 これなら旅をするのにしばらく困ることはないだろう。


「それと……ティオさん、こちらをどうぞ」


 そう言って、受付嬢が手のひらサイズの小さな箱を差し出してくる。


 ティオは「何だろう……?」と、首を傾げながら、中を開ける。

 すると、そこには白金色の冒険者タグが入っていた。


「これは、Aランクの冒険者タグ……?」


「はい、ギルドはティオさんの実力を認め、ランクアップを決定しました」


 ティオの質問に、普段はあまり笑わない受付嬢が微笑みを浮かべる。


「おめでとうございます、ティオ様!」


「うふふっ、私のマスターなら当然よね?」


 アイリスが興奮した様子でティオを祝福し、ベルゼビュートは妖艶に笑う。


「よくわからないけど、ティオはやっぱりすごいのね!」


「強くて優しくてすごいのです〜!」


 意味はわからずとも、ティオが何かを成し遂げたことを理解したようだ。

 リリスとフェリスも興奮した声を上げる。


「う、嘘だろ!?」


「黒魔術士がAランク冒険者だと……ッ!?」


 周りで話を聞いていた冒険者たちが驚愕の声を上げる。

 まぁ、底辺職と馬鹿にされる黒魔術士がAランクとして認められれば、その反応も当然かもしれない。


 周りの反応に、何だか照れくさくなり、頬をぽりぽりと掻くティオ。


 それとは反対に、アイリスとベルゼビュートが「「ふふんっ♪」」得意げな様子で胸を張る。


 その拍子に、二人の豊満なバストが、ぷるるん……っ! と揺れ、それを見た冒険者たちが「「おうふっ!?」」と前屈みになってしまう。


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