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すり替え  作者: 大和香織子
第一章 証言
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加瀬信也

加瀬かせ 信也しんや


 妻がこんな事になってしまい非常に困惑しています。


 会社内でも大変なことになっています。僕は直美のお義父さんを代表とする会社で働いていますが、代表も最愛の娘を失った事で心労からお倒れになりました。


 僕としても未だに信じることが出来ません。


 妻には色々と尽くしてもらったと思っていますし、僕も少しでもお返しをしたい、とそんな風にいつも思いながら直美に接していました。


 僕が風邪を引いて咳が出始めた時には、直美は葛根湯を買って来てくれたり温かいお粥を作ってくれたりしました。


 直美の作る卵酒は、トロンとしていて甘くて、冬には風邪を引いていないというのにお願いして作って貰いました。


 今年の冬は、とても寒くて直美の作る卵酒が恋しくて飲みたくなります。仕方がないので自分で作ってみましたが……日本酒を入れて温めてから砂糖とかき混ぜた卵を入れてみましたが、分離してしまい、まるでかき卵汁の様になってしまいます。


 この材料で合っている筈ですが、何度作っても、あの甘くてトロンとした触感にはなりません。


 僕が作る卵酒は、鼻にツーンときますから、よくアルコールを飛ばす必要があると思い煮込んでみましたが、全く美味しい物ではなく飲めたものではありませんでした。


 卵酒と言えどもアルコールですから出勤前には飲みませんし、運転前などには当然ながら飲みません。


 飲酒運転になってしまいますから。以前、会社の部下が飲酒運転をしてしまって車ごとひっくり返ってしまって捕まったんですよ、営業担当だったので、車が運転できないと言うのは致命的です。


 飲酒運転で免許取り上げですからね、罰金をいくら支払ったのかまでは知りませんが、代表はすぐに降格させ別の部署に異動させましたが。


 飲酒運転をしてしまったせいで、チャンスを自ら手放してしまうなんて、馬鹿らしいことです。


 代表には、いずれ僕に会社を任したいという風に言われていますが、僕はまだまだ未熟者ですから、直美が亡くなったからと言って引退するなんて事にならなければいいと願っています。


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