表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/39

ナディア・ホワイトからの報告

「さぁ! ミス・ホワイト! 早速報告してくれるかな!」


 レインの圧を気にすることなく、ナディアは端末を接続しながら、口を開いた。


「では、失礼しますわね? まず、ミナレ・アンジョウから。彼女が服用していたサプリについてですが、成分分析したところ……疑似怪獣(ハイ・カタストロイ)の成分と一致しましたの。故に、彼女の経過を診ていましたが……今の所アウスになる兆候はありませんわ」


「ふむ。では、ミス・アンジョウに関しては、これからも経過観察を?」


 ハリスが尋ねれば、ナディアが頷く。その表情は憂いを帯びていたが、レインは気にすることなく話を再開した。


「経過観察については、アルプ機関に委ねるよ! それで? 次はなんだい?」


「ホント、相変わらずですこと。はぁ……まぁ良いですわ。次に、フェリナ・チェニーナについてですが、彼女もまた、サプリを服用していた事が判明しましたわ」


「なるほど……では、僕達が調査をしていたコールフィールド姉妹についても?」


「えぇ、その通りですわ。ハリストフォル大尉。コールフィールド姉妹もまた、サプリを所持し……かつ、配布していたことが分かりましたの」


「ふむふむ。つまり、トロイメライ戦隊が調査した三件について、全てにおいてサプリが共通していると! これは興味深い!」


 レインは、ナディアが端末経由で映像出力した、サプリの成分分析表を見つめる。その瞳は、探求心に満ち溢れている。それを見たハリスが肩を竦めるが、彼は気にする素振りがない。その時、エッダが静かに挙手をした。


「どうしたんだい? 珍しいじゃないか、エッダちゃん!」


「レイン博士、発言の許可を求めます」


「勿論許可するとも! 最近の君の成長は目まぐるしいからね!」


 レインの許可を得たエッダが、静かに口を開いた。その声色は、いつも通り起伏がない。


「では、失礼ながら発言させて頂きます。サプリメントのこの成分、疑似怪獣(ハイ・カタストロイ)と同様との事ですが、明確には細部で違いがあります」


「え? どういう事ですの、エッダ? 説明して下さる?」


「はい、ミス・ホワイト。この成分分析表ですが、紫色に区分けされている成分ここの量が違います。意図的かはわかりませんが……」


「ふむ。面白い着眼点だ! 人間にとっては多少の違いでも……というのはあるからね! よし、ミス・ホワイト!」


「ここの違いについて、アルプ機関総出で調査を行いますわ。また、ミナレ・アンジョウの経過も、随時報告させて頂きますので、よろしいですわね?」


「勿論です、ミス・ホワイト。僕達トロイメライ戦隊を支えてくれているのは、間違いなく貴女達アルプ機関ですから。むしろ、負担をかけてばかりで……」


 ハリスの言葉に、ナディアは少しだけ口角をあげると、挨拶をして研究室から去って行った。それを見送ると、レインが一言呟く。


「さぁ……ここからが本番だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ