次なる任務地へ
量産型M.E.の配備が進む中、トロイメライ戦隊は次なる任務のため、動き出していた。
疑似怪獣ではない、大災害の悪魔との戦いのために。
「では、今回はロディに指揮を任せて、アイクとシャオで彼女のバックアップをお願いします」
ハリスからの指示を受けたロディは頷き、アイクとシャオは敬礼する。承諾した合図だ。
「危険な任務ですが、信頼していますよ」
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輸送機内。
目指している地は、ハワイ諸島だ。
理由は大災害の悪魔こと略称カタストロイの目撃情報があったからだ。
基本的にカタストロイが出現し、街や人に被害を与える前に前兆がある。
それが、霧の中から怪物の影が見えるという現象だ。
その情報を元に、今回トロイメライ戦隊が出動したのだ。
だが、フルメンバーではないのには理由があるのだが――
「ロディ~! 霧しか見えないな! ハワイっていつもこーなのか?」
「いや、そうではないな。これはカタストロイによるものだろう」
「そうなのかー!」
二人の会話を静かに聞いていたアイクは、胸ポケットからワイヤレスイヤフォンを取り出すと、携帯端末と接続してゲームを始める。会話に関心がないというより、シャオの事が苦手故の行動だ。
(環境からこういう性格にっていうのは、理解出来ているんですけどねぇ? どうにも、絡みづらいんだよ……)
そんなアイクに気づいているのかいないのか、ロディとシャオは会話を続けている。横目でそれを認識しつつ、アイクは現実逃避でもするかのようにゲームに集中する。
輸送機がハワイ諸島に到着するまで後数時間。
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ハワイ諸島、オアフ島。
ホノルル空港の極秘管理区域に、輸送機が着陸する。
各々の機体は、オアフ島にある特別基地へ搬入される手筈となっている。そのルートとは別にタラップから降りて、ホノルル空港内から特別車両に乗り込み移動する。この特別車両は、黒いワゴン車に偽装された防弾等の対策がされている車両だ。
信徒となった者達の中には、人間の姿のままトロイメライ戦隊及びアルプ機関員達を襲撃する者が出ているからだ。
それから守るための手段である。
ある程度の空間があるとはいえ、狭い中でのシャオの口調と相手をするロディに、疲れを既にアイクは感じていた。
ここまでアイクがシャオを苦手にするのは、彼の出自が関係している。
(まぁ自分の問題なのは、わかってはいるんですよ? だからっつったって、この布陣は勘弁してほしいもんですよ、隊長殿?)
そんな彼らを乗せて、特別車両は霧に包まれたハワイ諸島を進んで行く――




