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ひな(24)・異端



「少しはサマになってきたかしらねえ」

 と言う十野に、そうでしょうか、とひなは心許なく返事をした。

 二人の視線の先には、木刀を持ったコハクと三左がいる。コハクに何度か木刀を振らせてみて、三左がその都度、手の位置や立ち方などを直してやっている。ひなからするとどこがどう違うのかよく判らないのだが、十野に言わせれば最初よりはずっと形が良くなってきたらしい。


 コハクに刀の扱い方を教えるといっても、実際に指南をしてくれる三左は、いきなり最初から本物の刀を持たせるという無茶なことはしなかった。

 まず木刀を握らせて振るというところからはじめて、すでに五日になる。


「三左が、あの子は覚えがいいから教え甲斐があるって褒めてたわよ」

「三左さまの教え方も上手なんでしょうね」

 初めのうち、コハクも少し三左の無愛想さに戸惑っていたようだったが、今ではもうすっかり慣れてしまったようだ。「あの人、顔は怖いけど中身はそうでもないんだね」としみじみと言っていたのを聞いて、ひなもちょっと笑ってしまった。二太や三太も懐いているし、三左は子供に好かれる性質であるのだろう。子供は子供なりの勘で、人を見分けることが出来るのかもしれない。

 木刀を構えるコハクは、砂に足がとられて少し動きにくそうだが、それが足腰を鍛えるのに却っていいのだと十野はひなに説明した。羽衣島の男たちは、こうして浜で年長者たちの仕事の合間に基礎を習い、あとは実戦をこなしながら力をつけていく、というやり方で剣術を覚えるのが普通なのだという。


「剣術、なんて立派なもんじゃないんだって。お侍さんみたいにちゃんとした型があるわけじゃなく、みんな我流だしね。ある程度の齢になったら有無も言わせず船に乗せられちゃうんだから、生きていくためにイヤでも覚えなくちゃならないってだけの話よ」


「……厳しいですね」

 ぽつりとひなが落とした言葉を、十野は陽気に笑い飛ばした。その笑顔は、生命力に溢れて眩しいほどだ。

「この島に限ったことじゃないの。どこだってそうよ。こういう世の中だもん、生き残るためには、さっさと力をつけるしかない。そうそう悠長に構えてられないのよ」

 さばさばとした口調でそう言って、十野は青い空の下で木刀を振り続ける子供をどこかしら懐かしそうに見やる。


 十野とひなが、こうして並んで岩に座り、三左とコハクの稽古を見物するのも、このところの日課になりつつある。

 そういう時、つれづれのように、十野はいろいろな思い出話をひなに話して聞かせてくれた。


 昔、自分も刀を持ちたいと言い張ったけれど皆に相手にされず、悔しい思いをしながらこんな風に同年代の男の子たちを眺めていたこと。

 そんな十野に、千早がこっそり木刀の振り方を教えてくれて、稽古相手にもなってくれたのだけれど、あまりにも腕が違いすぎて余計に腹が立ってしまったこと。


「千早はわりと、昔からなんでもそつなくやれる奴だったのよ。泳ぎも、走りも、舟の操り方も。あれで意外と頭も廻るし。だからかな、周りの期待もけっこう大きかったのよね。こいつは将来、ひょっとしたら親父さんよりも優れた頭になるぞってね。ま、口に出してそう言ってたわけでもないんだけど、そういうのって、やっぱりなんとなく本人にも伝わるもんじゃない? あたしから見ると……千早はどんどん、そういう無言の圧力に押されて、『いい頭にならないと』っていう思い込みを深くしていくみたいだった」


 互いに成長して、十野が気づいた時にはもう、千早からは幼い頃の天真爛漫さが失われていた。一人でどこかに姿をくらます時間が増え、内心をそのまま口にすることをしなくなった。なんでも判り合った幼馴染の心は、いつからか一部が固く閉ざされて、外側からは見ることが出来なくなっていた。


 ──そして一年前の出来事を機に、千早はふっつりと笑顔を消した。


「いや、笑いはするんだけどね。なんていうか、もう、昔のとは全然違うのよね。よく判ってない奴は、『あいつも大人になったってことだよ』なんてこと言ってたけどね。あたしはそういう奴らを、馬鹿じゃないのって思ってたわ」

 子供から大人になったなんて、そういうことではない。千早は「千早」を捨てたのだ。なぜそんなことも判らないのかと。

「それに気づいてたのは、おじさんとか、三左とか、七夜とか、ごく一部だけだったけど、あたしたちにはどうしようもなかった。もどかしくても、見ているしかしょうがなかった。ほーんと、幼馴染っていったって、無力なもんよね」

 そう言うと、十野は少し、寂しそうな表情になった。

「あの、でも」

 ひなは慌てて口を開く。

 でも、千早さまはずっと、あなたのことをとても大事に思っています──と言いかけたのだが、その前に十野はけろっと明るい顔に戻った。時々、ひなはこの回転の素早さについていけない。


「でも最近の千早はね、また笑うようになったでしょ。そりゃ、子供の頃のように、とはいかないけど、でも、ちゃんと『千早』として笑ってるから、あたしたちみんなね、よかったなあって思ってるのよ。ね?」


「……あ、はい」

 にこっと笑いかけられて、つられて微笑んだものの、ひなは当惑を隠せない。

(最近、笑うように?)


 でも……千早は、以前からけっこう笑っているような気がするのだけど。

 ひなをからかう時は、特によく笑う。そこまで笑わなくてもいいのではないかと思うくらい笑う。それとも、ひなが彼の「昔」を知らないから、ぴんとこないだけなのだろうか。


「……全然判ってないでしょ、ひなちゃん」

 十野の言葉は、以前に七夜という青年に言われたものとまったく同じだった。ひくひくと肩が震えているのは、噴き出しそうになるのを堪えているためらしい。

「あの……」

 訊ねようとしたが、十野はもうこっちを見ていなかった。きょろきょろとあたりを見回して、「あっ」と短く声を立てると、岩から立ち上がる。


「千早ー! こっちこっちー!」


 元気に手を振って大声で呼ぶその先には、今の今まで話題にしていた人物が歩いている。その人を目に入れてぱっと赤くなったひなは、思わずそこから逃げようとしたが、自分の腕は十野の手によってしっかりと捕まってしまっていた。いつの間に。

「なんだよお前ら、こんなところで油売ってんのか?」

 言いながら、千早がこちらに近づいてくる。彼の歩みに合わせて、ひなの鼓動も速まりはじめる。目を細め、笑っている顔を見ると、頬まで熱くなってくる。

(……ほら、笑ってる)


 笑っているではないか、こんなにも優しく。


「これから、二人でおじさんのところに行くつもりだったのよ」

 三左は仕事もあるから、コハクに教えてくれるのはほんの短い時間だ。その後、コハクは習ったことを一人でさらったり、家のことをしたり、二太や三太と遊んだりする。もともと元気にさえなれば、身の回りのことは自分で出来る子供だ。だから近頃のひなは、昼間はまた千船のところに通い始めていた。

 今日だって、十野と一緒に行くはずだったのに──


「あたし先に行ってるわ。じゃあひなちゃん、あとでまたね」

「え、あの、わたしも」


 行きます、というひなの言葉は最後まで言わせてもらうことなく、十野は一方的に言うと、ひなを置いてあっという間に立ち去ってしまった。呆然としているうちに、今まで十野の座っていた場所に千早が腰を下ろす。こんなことだから、どんくさい、と千早に言われるのだ。

「…………」

 結局、十野の代わりに今度は千早と二人で並んで、真面目に木刀を振り続けるコハクを眺めるしかない。しかし、ひなは心情的にもうそれどころではないので、視線はどんどんコハクから自分の足元へと下りていく。


 あれから──「あれ」とは言うまでもないが──数日が過ぎ、その間もちろん、千早と顔を合わせる機会はあった。

 千船のところにも行くようになったし、それでなくても、ちょっとした時に、千早のほうからひょいとひなの家にやって来たりもするからだ。


 でも、そういう時は大概近くにコハクがいたり、十野がいたり、場合によっては二太や三太も一緒にいて賑やかだったりしたから、そうは意識せずに済んでいた。要するにこうして改まって二人の時間を持つことがなかったので、いざこうなると、緊張の度合いが尋常ではない。

 心臓が跳ね回って、ばくんばくんという音が耳にまで響くくらいだ。こんなに激しい音を立てていては、きっと千早にも聞こえてしまっているだろう。だってこんなに肩が触れ合うほどに近くにいるんだから──


「……なんか、お前と落ち着いて話が出来るのって、久しぶりだな」


 声をかけられ、飛び上がりそうになった。

「は、はい」

 下を向き、返事をする声が、イヤになるほど上擦っている。というか、以前までの自分は、どうやって千早と普通に話していたのだっけ? ということすら思い出せない。

「コハクは、筋がいいんだってな」

 その言葉に、やっと俯かせていた顔をおそるおそる上げると、隣の千早は寛いだ様子で三左とコハクのやり取りを見守っていた。話題がそっちにいったことと、彼の視線が自分に向いていないことに、心底ほっとする。これなら、なんとか普通の声も出せそうだ。

「はい。三左さまが丁寧に教えてくださいますし、よく一人で練習もしています。なにより、本人がとても熱心です」

「うん。それでさ、ひな、お前には言ってなかったけど」

「はい」

「俺はそのうち、あいつを船にも乗せようと思ってる」

「はい、あの子から聞きました」

「……お前は、そういうの、嫌かもしれねえけど」

「…………」

 今度こそちゃんと千早を見ると、彼は何かを考えるように難しい表情でコハクに目をやっていた。

 ひなは少し黙った。

 生き残るためには力をつけるしかない、という十野の言葉も理解はできる。ただやっぱり、コハクに危険なことをして欲しくない、と思う気持ちが自分にあるのは本当で、心配も、不安もあるのは確かなのだけれど。


 ──でも、嫌だ、とは思っていない。


 考えながら、口を開いた。

「あの子、一度だけ、三左さまに本物の刀を持たせてもらったそうです。そして驚いていました。こんなにも、重いのかって」

 とてもじゃないけれど持つだけで精一杯で、振るうことなんて出来ない。持ち上げて、下ろすことくらいは出来ても、それは「扱う」とは言えない。あれを扱えるようになるためには、それだけ腕に筋力をつけるしかなくて、そのためには、ひたすら鍛練をするしかない。

 ……ということを、刀を持ってみてはじめて、身に染みて思い知った、のだそうだ。


 俺、判ったんだ、とコハクは言った。


 自分の非力さがよく判った。今までは、それさえも判っていなかった。判っていないということが、やっと判った。だから、ちゃんとやる、と。

 そうやって、コハクはひとつずつ、自らを納得させていた。それを見て、ひなも心から納得したのだ。


「きっと、言い聞かせるだけでは駄目なことが、世の中にはたくさんあるのでしょうね。誰が何を言っても、実際に経験しないと判らないもの、言葉だけでは届かないものが、どうしても、あるのでしょう。だから千早さまは、あの子にいろいろなものを『見せて』やろうとなさっているのではないですか。言葉だけでは教えられないものを教えるために」


 今度黙り込んだのは千早のほうだった。

 生意気なことを言ってしまったかな、とひなは反省したが、千早はコハクの方に視線を据えたまま、うーん、と口の中で唸り声のようなものを発し──その後で、なぜか、少し顔を赤くした。

 はー、と深いため息をつく。


「……俺さ、ホントに我慢できるのか、全然自信ねえんだけど」


「は?」

 唐突な言葉にきょとんとして瞳を瞬くひなには構わずに、千早はぶつぶつと続けた。

「今だって俺、けっこう忍耐力を試されてるよな。まあそりゃ、いくらなんでも三左の前では何も出来ねえけど。それに邪魔ばっかりでなかなか機会もねえし、いや、でもなあ──」

「……?」

 ほとんど独り言のように言うので、訊き返すのも憚られ、ひなはただ困惑するばかりだ。

 と、いきなり千早がくるりとこちらを向いた。びっくりして、慌てて姿勢を正す。

「あのよ、ひな」

「はい」

 名を呼ばれ、ぴしゃんと背筋を伸ばしてしまったのは、それくらい、千早がものすごい真顔だったからだ。


「俺、そんなに我慢強いほうじゃねえみたいなんだけど、それでもいいか?」


「……は?」

 よく判らずに、問い返す。

 千早が我慢強いのかどうかはともかく、「それでもいいか」の意味が判らない。それは、ひなに確認をとるようなことなのだろうか。十野と口喧嘩をする姿を思い返すに、確かに少し短気なところはあるような気はするが。

 しかし千早は、肝心なところは全く説明する気がないらしかった。にも関わらず、こちらに向けられる顔は真剣そのもので、ちょっと怖い。


「この分だと、どーしても、辛抱できなくなるかもしれないんだよな」

「……はあ」

「お前、それでもいいか?」

「……あの、千早さまにどうしてもなさりたいことがあるのでしたら、思う通りにされればよいのではないかと、わたしは思うのですけど……」


 何がそう我慢できないのかまったく判らないまま、千早の勢いに押されるように、なんとなくそんな返事をせざるを得ない。

 ひなのその言葉を聞いて、千早はまた更に、ちょっと顔を赤くした。やっぱり意味が判らない。

「そ……そっか。まあ、お前がそう言うなら、そのうちに」

「???」

 ぼそりと言って、立ち上がる。何が一体どういう話だったのか、ひなにはさっぱり判らないのだが、千早の中では何かが成立してしまったらしい。「そのうち」って何がそのうちなのか、なんだかちょっと、取り返しのつかない会話の流れになってしまった気がしないでもない。

「あの……」

「うん、じゃあ、そういうことでな。よし」

 よし?

 ひなが意味を問うのをためらっているうちに、力強く何かを得た(らしい)千早は、またな、と手を上げると、足早に仕事に戻って行ってしまった。

 ──判らない人……

 その後ろ姿を見ながら、ひなは首を傾げた。



          ***



 夕方近くに、ひなが千船のところから帰ってくると、家の中にコハクの姿はなかった。

(どこに行ったのかしら)

 ちょっと早めに帰っては来たが、普段ならコハクはもう家にいて、夕餉の支度をはじめている頃である。まだ二太や三太と遊んでいるのかな──と思いはしたが、念のため、家の周りを見てみることにした。

 そうしたら、家の裏手に廻ったところで、すぐにコハクを見つけた。しかしそこには、彼一人ではなく他の存在もあって、ひなは驚いて目を見開いた。


「まあ……カラス」


 コハクの腕に大人しく乗っているのは、黒々とした羽の光沢を艶々と放っている一羽のカラスだった。もともと大きな鳥だが、子供のコハクの近くにあると、なおさら巨大に見える。

 コハクはひなを見て、明らかに動揺した表情を浮かべた。全身が強張り、顔色もさっと変わるほどだった。

 そこにわずかに怯えの色が出ているのを見て取って、ひなは驚きを呑み込んで、微笑を浮かべる。怒られる、とコハクが思っているのなら、まずはその誤解を解きたい。

「立派な鳥ね」

 穏やかな声でそう言うと、コハクはぐっと口を結んだ。固い顔つきのまま、ひなに目線を据えている。同じように、カラスも一緒になってこちらを見た。身体と同じ真っ黒な目は、吸い込まれそうに深い。

「あなたの、お友達?」

 警戒させてしまうかなと思ったので、ひなはそれ以上は近寄らず、口調を変えないで質問をした。

 ふっと、コハクの身体から力が抜けて、


「──テツっていうんだ」


 と小さな声で返事があった。

「テツ? 大人しいのね」

「うん、俺には馴れてるからね。もっと小さい仔ガラスだった時から、面倒を見てたから」

 そう言って、コハクはカラスを乗せている腕とは反対の手を、嘴に近づけた。よく見たら、その手には餌らしきものがあって、カラスは従順にも見える仕草でそれを啄んでいる。もしかしたら、今までにもこうやってこっそり食べ物を与えていたのかもしれない。

「子供の頃から……じゃあ、あの、前に暮らしていた島で?」

 コハクがこくりと頷く。


 そうすると、彼が島を出る時、そして海の中を流されている時も、このカラスはコハクの後をぴったりと見失わずについてきたということか。

 そういえば、七夜が家の屋根にカラスが止まっている、という話をしていたっけ。あれは、このテツのことだったのだ。


「ずっと仲良くしてたんだ。テツは、俺の弟みたいなものなんだよ」

「そう」

 ずっと、コハクを守るように傍にい続けた黒い鳥。それだけでも、どんなにコハクがテツを可愛がって育ててきたのか判ろうというものだ。

 コハクなりに遠慮して言い出せなかったのだろう、と思ったひなは、にこりと笑ってことさら何でもないように言った。

「だったら、これからは、こんな風に隠れるようにしてご飯をあげなくてもいいのよ。もっと早くに言ってくれれば、わたしも──」

「ダメだ」

 コハクの言葉は素早かった。カラスに向けられた目は動きもせず、口元は強く引き結ばれている。


「ひな、お願いだから、テツのことは誰にも言わないで」


 きつい言い方の懇願に、戸惑ってしまう。

「でも……」

「ひなは優しいからなんとも思わないかもしれないけど、普通の人はカラスなんて嫌がるに決まってる。前にいた島でだって、仔ガラスを拾ったってだけでいい顔をされなかった。だから俺、ずっと誰にも知られないようにテツを育ててたんだ。この島ならなおさら、余所者が連れてきたカラスを、薄気味悪く思うよ。俺だけならともかく、ひなまで白い目で見られたらたまらない。だから、このことは内緒にしておいて」

「そんなこと」

 笑って否定したが、コハクの瞳は頑ななままだ。困ってしまって、眉を下げる。

「でも、二太ちゃんと三太ちゃんは、大喜びすると思うけど……」

 その名を出された時だけ、小さな体が身じろぎした。


「……あいつらは、いい奴だよ。けど、それとこれとは別だ。人間なんて、少し変わった奴、自分とは違う奴は、どうしたって理解できない。理解できないから、排除するしかない。違う場所で生まれ育った相手なら、もっと簡単にそうなる。ひなはお人好しだから、判らないんだよ」


 コハクの口調には、まったく揺れるものがなかった。彼は本当に本心から、そう信じているのだ。何を言っても、言葉ではどうしても届かない。それがまた、ここにある。

 異なる価値観を持つ人間は、互いを理解し合うことはない、と。

 いいや──いいや、違う。

 コハクが言っているのは、「異端の者は、人に受け入れられない」ということだ。


(ああ……)

 胸を押さえ、目を閉じる。


 ひなはそれが判る。判ってしまう。なぜならひなこそが、ずっと異端であり続けたからだ。そして誰にも、受け入れられなかった。

 父にも、母にも。

 誰にも。

 ……ひなは異端だったがゆえに、忌まれ、怖れられ、隔離され、死ななければならなかったのだから。





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