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超越探偵 山之内徹  作者: 朱雀新吾
最終話 超越探偵の弱点
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細山田太光とオリエンタルランド


――細山田先生は新進気鋭の政治家として、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いですが、御成功の秘訣は?

細:いえいえ、そんな、飛ぶ鳥を落とすだなんて。恐縮です。それもこれも全て市民の皆さんと、諸先輩方のおかげです。こればかりは私だけの力では、どうしようもありませんから。

――ですが、細山田先生はどなたか特定の後ろ盾がある訳ではありませんよね。市民の方々にしても、先輩政治家にしても。

細:まあ、そうですが。つまり現代の政治に於いて大きな組織であったり、派閥の必要性はない、という事かもしれませんね。やはり地域に根差し、市民の皆様の隣で、頑張ってきたおかげ、といいますか。

――市民の方々の目線に立った、政治という訳ですね。

細:はい、その通りです。それこそが私のやり方です。

――素晴らしいですね。では、今後、某県をどの様に変えていかれるおつもりでしょうか。

細:……ええと、大屋さんでしたよね。突然ですが、大屋さんは、犯罪について、どう思われますか。

――犯罪ですか?

細:ええ。フリーの記者さんですから、そういう記事も取り扱われるでしょう。

――まあ、そうですね。ですが、別件でたまたま事件に遭遇する、なんていう事の方が多いように思いますね。最近、とても優秀な少年探偵と出会いまして。仕事のない時なんて、その子に密着しています。

細:ほう、それは興味がありますね。また取材終わりにでも、詳しくお聞かせ願えますか

――ええ、喜んで。

細:話を戻しますが私はですね、犯罪は、犯罪として存在するから、犯罪となりうると考えております。

――それは、いわゆる箱の中の猫的な話ですか?

細:箱の中の猫は死んでいますよ。私はね、そう思っています。ですが、死んでいても、気が付かれない。それはつまり死んでいないとみなされる事もある、という意味として、私はあの話を理解しています。

――なかなか興味深い意見ですね。死んでいると確信されていて、それでも死んでいない可能性の話にも、目を向けるという事ですか。

細:はい。観測されてこそ存在するという言葉がありますが、その逆に、観測されなければ存在しない、とも言えます。ならば、どこかに悲しみがあったとしても、観測されなければ、ないに等しいのです。その証拠に、我々は世界中の戦争や事件、事故を全ては知らない。つまり、生活しながらも、平気で事実を存在しないものと認め、有機物を無機物に、生を死に変えている、業の深い生き物なのですよ。ですが、そうでないと、生きていけないではないですか。聖人君子ではないんですから。

――仰る通りです。

細:はは、少し話が分からない方に飛びましたね。まあ、何が言いたいのかと申しますと、今私が進めているプロジェクトのコンセプトに繋がっていくのですが。

――プロジェクト、と言いますと「オリエンタルランド」の事ですか?

細:ええ。悲しみも苦しみも認識されない場所。ただただ楽しみと喜びのみが顕在する場所。それこそが「オリエンタルランド」なのです。人々の幸せだけを箱に詰め込んだような、勿論、そうあって欲しいという、願望の話ではありますが。

――理想郷という訳ですか。

細:はい、その通りです。我々の理想郷です。

――我々?

細:ああ、私と、市民の皆様、という事です

――ああ、なるほど……。



――大屋メモ――           

 

2011年11月21日 某府 細山田太光議員へのインタビュー


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