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Another#2

Another第2話

 

「見られたっ!?」

 

 そこは何も無い空間であった。

 1人の少女の見た目をした存在がいる以外は何も無い空間であった。

 延々と続く白。

 

 そこに浮かぶ少女は目を見開いてそう呟いた。

 

「嘘…まだ覗き初めて10秒も経ってないのに気づかれるなんて…」

 

「それにあの眼、まさか神の目?でも一体誰が授けたのよ…」

 

「あんた達じゃないでしょ?」

 

 少女は振り向き、虚空に呼びかける。

 すると、空間が裂け、無数の目が浮かび上がる。

 

 少女と目とが視線数秒交差させる。

 そして少女の溜息。、

 

「分かってるわよ、本気で疑ってるわけじゃないわ。」

 

 声という音ではなく視線に乗せられた意志のやり取りで彼等では無いと少女は判断した。

 

「全く、せっかく地球が十分成長してシステムを導入出来たのに…。」

 

「最初のダンジョンが出来る時に人が巻き込まれた時点でイレギュラーだし事故なのに神の目まで持ってしまうなんて…。」

 

「クリアされずに終わるはずで誰も挑戦しなくていいはずだったのよ、あのダンジョンは。」

 

 少女は物憂げにそう呟く。

 

「どうしようかしら」

 

「オイ」

 

 虚空に浮かぶ目はいつの間にか消え、口が浮かんでいた。

 

「なによ、あなたも来たの?」

 

「アア、大変ソウダナ。」

 

「からかいに来たなら帰ってちょうだい。」

 

 少女の顔に明らかに不機嫌だという表情があらわれる。

 

「ナニ、少シ例ノ目ニツイテ話シテオキタイダケダ。」

 

 人の声とはまた違う、不気味な音がその口から発せられる。

 

「ああ、誰が与えたか分からない神の目の話ね。私もあれについて悩んでいたのよ。」

 

「ワレモ少シ覗イテミテ分カッタコトガアル。」

 少女が少し目を大きく開き、口の方に体を向けた。

 

「見つからなかったの?」

 

「スグニ見ツカッタ、ダガアル程度情報ヲ得ラレタ。」

 

 今の状況に行き詰まりを感じていた少女にとっては良い提案であった。

 

「そう、教えて」

 

 少し少女が身を乗り出す。

 

「アレハナ…」

 

「なによ、焦らさないでさっさと言いなさいよ。」

 

「オソラクアレハ…“失われし眼(ロストワン)”ダ。」

 

「!?」

 

「奴ラハ自由意思ニ基ヅイテ自分デ主ヲ選ブ。」

 

「嘘よ!あいつらが人を主にする筈がない!」

 

「ダガソウトシカ考エラレン。」

 

「でも!まだ断定は出来ないでしょ……。」

 

「アア、マダ憶測ノ域ヲ出ナイ。」

 

「もしそうだったら最悪よ、あいつらは嬉々として私たちに反抗しやがるのにこの状況で覚醒してしまうなんて。」

 

 口が少しの間閉ざされ、再度開かれた。

 

「ソシテモウヒトツノ目ダ。」

 

「なによ、もう1つの目は普通の人の目だったでしょ?」

 

「…ヤハリカ」

 

「何よ……もしかして、騙されてるっていうの!?この神である私が!!」

 

「アレハ魔眼ダ。」

 

「魔眼…」

 

「シカモ神域ニマデ達シテイル。」

 

「ただの悪魔じゃないのね、魔神じゃないの?」

 

「オソラク欺クノニ特化シタ神ダ。」

 

「ワレハ視界ヲ通サズ力デ物ヲ感ジテイル。」

 

「知っているわ」

 

「ソシテソノ目ノ力ガマッタク感ジラレナカッタ。」

 

「なんてこと…」

 

「ワレ欺クホドノ力ヲモツ目ダ、ソノ力ハ計リ知レヌ。」

 

「でも、普通の目として欺くのには少し魔力を込めておくべきだったわね。」

 

「その目はそこまで万能じゃないみたいね。」

 

「…ソウダトイイナ。」

 

「なにがいいたいの?」

 

「スコシ作為的ダト思ッタダケダ。」

 

「でもただの人間が得たばかりの目をそんなに使いこなせると思わないわ。」

 

「それに私達にその神の存在を知らせてなんの意味が…もしかして私達に対する牽制かしら?」

 

「恐ラクナ、事実ワレラモ気軽ニ手ヲ出シヅラクナッタ。」

 

「でもやっぱりそんな目の手網を握れているとは思えない。」

 

「ダカラ恐ラク」

 

「両方自立型ダ。」

 

 少女は頭を抱えた

 

「最悪ね」

 

「こんな直ぐに私達に脅威が生まれるとは思わなかった。」

彼女らは神みたいなもんです。見た目キショいけどね。

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