悦楽の徒
始祖は世界を作る上で、先ずは魔物を作った。
ゲネシス、ディアプトラ、シグマ――――この三体とジュエリーの力を使って世界を形作り、そこに土地を作った。
次に命を与え草木と動物を作り生態系を試し、その後に自分達もその世界に参加。
自分達の劣化版である人を作ると、あとの統治は興味を持った他神々に任せた。
初めに作られた三体の魔物は、原初と呼ばれ歴史の闇に葬られた。
人よりも先に魔物が存在したとなれば、人々の心は揺らぐ――――それだけは確かな話なのだから。
「相変わらず図抜けた魔物だな――――面白くなってきたぜ」
かつて繁殖し、増えた原初を狩った日々に思い巡らす。
原初の力は結合と干渉――――台地を集めて固めたり、大気を固めて打ち出したり、そんな出鱈目を平然と行う。
「行くぜ」
拳に白亜の炎を纏わせ、そのまま振るい。
魔力砲の様に放たれた白亜が原初と衝突するが、始め一瞬以外にダメージは無く。
攻撃と体を瞬時に適応させているのだ。
跳んでかち上げ、ブチかまし。
攻撃と結合される隙の作らず、全てが音速を遥かに超えた速度での攻撃である。
その衝撃を街に向けぬ様、少しずつ外へと移動――――巨体が動けばそれだけで被害を生むが、戦闘の余波の比ではない。
「やっぱお前は、これじゃねえと死なねえよなァ」
掌に濃く纏った白亜――――掌底の要領で放った一撃は、以前シフィーへ向けられた攻撃と同様の効果を持つ。
「――――獣皇咬掌刻」
胴目掛け放たれた一撃は一点特化の衝撃で突き抜け。
簡単に原初を屠った。
「ハッ、やっぱし一体じゃあ物足りねえな」
首を鳴らしながら欠伸を。
街の無事と原初の消滅を確認したら、一度シフィーの元へ。
自分の着ている上着をかけてやると、未だ収まっていない魔力を散らしてやる。
次にメリュジーヌを捕らえに行くと、そこにあったのは白亜の炎で出来た矢に貫かれ、地面に固定された状態で切断された両足であった。
⌘ ⌘ ⌘ ⌘ ⌘ ⌘ ⌘ ⌘
「んっ、ここはいったい…………」
ミリスが目を覚ますと、そこは鉄格子の内。
両腕が鎖で宙から吊られる体制で、脚も床に固定され、恰好は温泉に浸かっていたときと変わらず一糸まとわぬ姿。
それをハッキリと認識した瞬間、身震いが。
思い出したのは以前の誘拐――その時はシフィーが居たが、今は一人だ。
「あら、目が覚めてたのね――――貴女のお仲間にはすっかりやられたわ。治るとはいえ足を噛み切るの、すっごく痛かったんだから」
鉄格子を開け現れたメリュジーヌは楽しそうに言い、ミリスに歩み寄る。
思考しながらフェロモンを散らし、ミリスの裸体を吟味しているのだ。
「貴女は殺さないけれど、いっぱい遊んであげようと思うの。そうね――――ローパーの入った壺に漬け込んでみる? 何人か奴隷を連れてきて、普段の褒美に犯させてあげようかしら? 考えただけでゾクゾクしちゃう――――あら貴女、聞いただけで漏らしちゃったの?」
気づけば失禁していた。
それを見たメリュジーヌは心底嬉しそうに嗤い、ミリスの下腹部を撫で。
怯えを存分に満喫する。
「お願いします、帰してくださいまし…………! 怖い事は嫌ですわ、お願いします…………!」
「貴女可愛い…………! きっと処女ね、ならせっかくだし処女のまま可愛がってあげましょう! 安心なさい、方法ならいくらでもあるわ。飽きさせたりなんて絶対にしない。毎日たっくさん、気持ち良くなって良いのよ」
ミリスが想像しただけで過呼吸に陥ろうが関係ない。
何しろ、楽しいのだから。
「これから一緒に、楽しい毎日をすごしましょうね」
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