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新三国志 退廃帝曹叡と賢英帝劉禅  作者: 水源
建興12年(234年)
39/41

五丈原の戦いの後

 魏の総大将である曹叡が五丈原にて戦死したことで、指揮を執る者がいなくなった魏軍は潰走することになった。


 更に曹宇・許儀・夏侯覇らも討ち取られるに至って再編成すらおぼつかぬ事になり、兵士や下級指揮官はてんでバラバラに逃散した。


 それに対して諸葛亮は落ち着いていった。


「皆さん深追いは無用です。

 一度陛下や仲達たちと合流し、休息を取りながら部隊を再編成し、その後長安を落として、洛陽まで向かいましょう」


 諸葛亮は周りを見回しながらそういう。


 実際に自軍の兵にも少なからず損害もでており疲労困憊の兵も多い。


「なら俺の部隊だけでも追撃をさせてくれ」


 魏延がそういうが孔明はそれを却下した。


「あなたはまだ行けるかもしれませんが兵もそうであるとは限りませんよ。

 長安へ向かうにも今は休息を取ることが大事です」


「……わかった」


 魏延はしぶしぶと行った様子であったが従った。


 実際に敵陣を突っ切る際に損害もでているし兵が疲労しているのも事実であったからだ。


 そこへやってきた劉禅が諸葛亮へ向けていった。


「朕は成都へもどる。

 ゆえに相父に洛陽攻めは任せるものとするぞ」


「は、お任せください」


「朕も兵をまとめ荊州を攻めねばならぬ。

 関索や関銀屏野ののぞみも叶えてやらねばならぬ」


「至極最もにございます。

 洛陽については臣にお任せください」


「うむ、吉報をまっておる」


 こうして劉禅達は一度成都へ戻って荊州攻略のために兵を再編成することになった。


「仲達よ、今後の魏の様子はどうなると予想する?」


「うむ、孔明よ。

曹叡の後継者を巡って混乱するだろう。

 故になるべく早めに洛陽までは落としたいところだ」


「わかりました。

 兵の疲労の回復を待ち、準備ができ次第東に向かいましょう。

 雍州や涼州については孫礼将軍に任せましょう」


「ああ、それでいいだろう」


 こうして諸葛亮と司馬懿は兵を休めた後再編成を行ない長安へ向けて進軍を開始した。

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