表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新三国志 退廃帝曹叡と賢英帝劉禅  作者: 水源
建興12年(234年)
35/41

曹叡と諸葛亮は戦場にて対峙する

 孫権が合肥新城攻撃を諦め、その他の荊州や徐州方面の兵も引かせて、それが偽装退却でないことを確認した曹叡は取って返して、五丈原へと兵を向かわせていた。


 諸葛亮の目的は五丈原そのものや長安ではなく、五丈原を抑えることにより長安と陳倉との連絡を遮断し、司馬懿によって雍州西部や涼州を制圧してしまうことであった。


「今のところはうまく行っていますね」


 これは第一次北伐と同じで当時の諸葛亮は趙雲を箕谷に布陣させて囮にし、諸葛亮は自ら涼州方面に進撃しているが、今度は自らが囮となって司馬懿に雍州西部や領収の制圧を任せたのであり、電撃戦を得意とする司馬懿は郭淮を撃破して、それに応じ天水は寝返った。


 一方その報告を聞いた曹叡は顔をしかめざるを得なかった。


「ふむ、予想より涼州西部への侵攻が早かったか」


 かといって呉の孫権が狙っていた合肥や襄陽、淮陰を落とされた場合のダメージは雍州や涼州陥落の比ではなかったから、こればかりは仕方のないところであった。


「かくなる上はまず五丈原の諸葛亮を早急に撃破せなばなるまい。

 もっとも我らと戦うこともなく孫権が逃げ帰ったから諸葛亮は愕然としていることだろうがな」


 事実諸葛亮は孫権が曹叡の近衛軍と戦うこともなく撤退したことに歯噛みしていた。


「孫権は闘いに持ち込んで時間を稼ぐ程度もしないのか。

 致し方ない、我々でなんとかせば」


 とは言え呉軍が撤退してしまうと、蜀漢と魏の兵力の差は絶望的なものとならざるを得ないのではあったのだが。


 こうして曹叡の近衛軍は諸葛亮の主力軍と五丈原で相対した。


「わざわざここまで朕に足を運ばせたからには少しは楽しませてもらわねばな」


 一方に諸葛亮も悲壮な決意を固めていた。


「魏の皇帝自らを戦場に引きずりさせた以上、その首を落とせば魏は崩壊する。

 窮地ではあるがこれは最大最期の好機でもあるのだ」


 こうして五丈原の戦いが始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ