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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第五章~アヤカシと戦う者
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AU団結成

バイオレットナイツ本部の応接室で、サキュバーナはケント達一行に一つの案件を持ちかけた。


「あなた達、結構人数揃ってるわね。それで、あなた達もそろそろ『AU団』を結成しても良い頃合いだと思うの。」


サキュバーナはAU団の結成をケント達一行に提案した。


「AU団…?」

「ええ、まずは団長を決めないとね。団長に相応しいと思うのは誰か…。ジジョッタ、あなたが指名して。」


サキュバーナはジジョッタに新たなAU団の団長の指名を促した。


「…わたくしは…、ケント様が団長に適していると思います…。」

「ジジョッタ、何故僕が…?」


ジジョッタに指名されたケントは自分が指名された理由を尋ねた。


「ユリアがわたくし達に同行する際、きちんと伝えるべき事を伝える様を見ての事です。きちんとした信念のない者に団長が務まる筈がありません。」

「わたしもケントに賛成ね。」

「我も賛成だ…。」

「ユリアもケント兄ちゃんにさんせ~い!」


一行はケントが団長を務める事に賛成した。


「団長はケントで決まりね。では、次は副長を指名して。」


サキュバーナは今度は副長の指名をジジョッタに促した。


「…副長は…、アジューリア様が適していると思います…。」

「どうしてわたしが副長に…?」


アジューリアは自分を副長に指名する理由をジジョッタに尋ねた。


「あのはぐれAUに、どこが抵触(ていしょく)していたのかをきちんと伝えた点です。その筋の通っている点が副長向きだとわたくしは思います。」

「僕も賛成だ。」

「我も…。」

「ユリアもさんせ~い!」


皆もアジューリアが副長を務める事に賛成した。


「副長はアジューリアね。では、他に係を決めましょう。今度はケント、団長であるあなたが決めて。」

サキュバーナは残りの団員の係の振り分けをケントに促した。

「まずジジョッタから…、参謀が妥当だな。」

「わたくしが…、参謀…?」

「君は常々何かを察知し、然るべき対処を怠らない、利発さと聡明さを兼ね備えたメイドだ。そんな君を参謀に()えずして何に据えるんだい。」


ケントはジジョッタを参謀に据える理由を述べた。


「ケント様…、このジジョッタ、参謀役を慎んでお受け致します。」


ジジョッタは快諾した。


「今度はムスタン様ですね…。」

「ケントよ…、我に敬称は要らぬ…。今のぬしの方が我より序列は上だからな…。」


ムスタンは自分より上の序列のケントに敬称は不要だと伝えた。


「わかった…。ムスタン、あなたには…、結構な体躯と勇猛なところから警護が適しているね。」

「我が警護か…。異論はない…。」


ムスタンも快諾した。


「ケント兄ちゃん、ユリアは何の係になるの?」


唯一残ったユリアはケントに自分が何の係になるか尋ねた。


「君には何の係が合ってるか…、なかなか思いつかないや…。」


ケントはユリアにどんな係が合ってるかわからなかった。


「…諜報(ちょうほう)が妥当だと思います。」


ユリアを諜報係に(すす)めたのはジジョッタだった。


「彼女はレスティーンの少女の姿から怪しまれにくい為諜報、すなわち情報収集に打ってつけです。それに、参謀の仕事も(はかど)ります。つまり、参謀であるわたくしの補佐という事です。」


ジジョッタはユリアが諜報に適している理由を述べた。


「うん、ユリア情報収集頑張る!ジジョッタ姉ちゃん支える!」

「ありがとう、ユリア…。改めて宜しくお願いします…。」


ユリアも快諾し、ジジョッタも彼女を抱擁した。


「これで係決めは終わったわね。次は団名を決めましょう。」


サキュバーナは新AU団の団名を決める事について提案した。


「『ケントAU団』ってのはどう?」


ユリアが真っ先に提案した。


「!…」

「悪くないわ。」

「悪くないと思います。」

「悪くない…。」


ケントは複雑な気持ちであるが他の団員は賛成した。


「ケントAU団で決まりね。AU団にもエンブレムが必要になるわね。それで、デザインについて考えているかしら?」


サキュバーナは今度は新AU団のエンブレムについて提案した。


「デザインなら僕が考えてます。」


ケントはこう申し出、ペンで白紙に『志』の文字を書いた。自分の愛剣ココロザシにも刻まれている文字だ。


「『ココロザシ』…、僕はこれを胸に生きてきました。」

「サクラヘイムの字ね。わたしにもわかるわ。わたしのシノビはサクラヘイム発祥の職業なの。」


サキュバーナもサクラヘイムの字に恍惚としていた。


「サクラヘイムの字のエンブレム…、結構粋な感じね。」

「悪くないです…。」

「悪くないな…。」

「ユリア良く分からないけど、かっこいいと思うな!」


ケントの考えたエンブレムのデザインに皆釘付けとなった。


「では、これでケントAU団結成ね。AU屋敷で更新の手続と荷支度したらいよいよ出発よ。」

「今日は色々ありがとうございました。」



ケントAU団は本部を後にして、AU屋敷でAU団の各手続と荷支度をしていった。ケントAU団がケイブガルドを出発する刻が刻々と迫っていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] ユリアちゃんは良いムードメーカーになりそうな気がします。 「あたたかいでしょう? これが命よ!」違
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