表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第五章~アヤカシと戦う者
66/159

ムーンエムブレム

先の任務の後の休息を済ませたケント達一行はバイオレットナイツ本部に向かった。本部ではサキュバーナが一行を出迎えた。

「ふふ…、よく来たわね。今日はあなた達を特別な場所に案内するわ。」

サキュバーナは一行を菫の里の奥の方に案内した。彼女が案内した先には紫の扉の岩穴があった。

「サキュバーナ様、この先は一体…?」

ケントは扉の先についてサキュバーナに尋ねた。

「『紫の霊廟(れいびょう)』よ。菫の里があるカミラヘイムの最奥部なの。そこにわたしの相棒の闇のQGがいるわ。」

サキュバーナは扉の鍵を開けて霊廟に入り、一行も彼女に続いた。


霊廟内は真っ暗であったが、紫色の淡い光がところどころに散りばめられていた。そして、最深部に一行が到達すると、全身紫にて頭部の無い巨大な女性騎士の姿をしたカムイがいた。彼女の右手には紫色の巨大な剣と左手には同じく紫色の巨大な盾が握られ、胸甲は女性型カムイだけあって丸みを帯びており、その左胸には月の紋章が施されていた。

「彼女が闇のクイーンガーディアン・『将軍女王(クイーンジェネラル)デュラ』よ。デュラ、一行に『月の紋章(ムーンエムブレム)』を授けてあげて。」

サキュバーナはデュラにエムブレムをケント達一行に授けるよう促すと、デュラは剣を振って五個の紫色に光る月型のエムブレムを生成した。エムブレムはケント達一行の手にそれぞれ収まった。

『…あなた達に…、月の紋章を…、授けます…。これで…、いつでも…、闇の力を…、使えます…。』

ムーンエムブレムは突然紫色の光を明滅させながら言葉を発した。

「なっ…、エムブレムが喋ってる…!?」

ケントは喋るエムブレムに一瞬動揺した。

「デュラは人と会話する際、ムーンエムブレムを介しての会話しかできないの。」

サキュバーナはデュラの会話である事を伝えた。

「そうでしたか…。(デュラ様…、物々しく強そうな外見に似合わず穏やかで奥ゆかしい物腰だな…。)」

ケントは会話の仕方に納得したと同時にデュラの外見と性格のギャップを感じていた。

『…闇の力は…、黒に通じる力でもあります…。使い方を誤ると…、破滅を齎してしまいます…。常に…、自分と向き合いながら…、行動下さい…。』

「承知しました。」

「はい。」

「ええ。」

「うむ…。」

「うん!」

デュラの忠告に一行は耳を傾け、頷いた。


「デュラ、それではわたし達失礼するわ。」

サキュバーナはデュラに別れの挨拶をした。

「あなたにも風の加護を。」

「あなたにも…、真の業を…。」

「あなたにも水の加護を。」

「貴殿にも…、風の加護を…。」

「デュラ姉ちゃん!綺麗なエンブレムありがとー!ユリア大切にするね!」

『…ふふっ…、ありがとう…。それでは…、あなた達に…、闇の御加護を…。』

一行もデュラと挨拶を交わして霊廟を後にした。


そして、サキュバーナと共に本部に戻った一行は応接室で彼女を交えて何かを話し合う事になった。

「あなた達はもうすぐケイブガルドを出発する事になるけど、その前に決めておくべき事があるの。」

「それって一体…?」

サキュバーナの決めておくべき事とは何なのかケントは気になっていた。彼女は一行にどんな話を持ちかけるのだろうか…?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ