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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第五章~アヤカシと戦う者
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拘束の理由

ケント達に拘束されたクロードは何かと納得出来ない様子だった。

「何で俺があんた達に捕まらなきゃならないんだ!」

「あなたがはぐれAUだからよ。」

アジューリアはクロードを拘束する理由を述べた。

「何で俺がはぐれAUなんだよ!」

「あなた、国境なき騎士団のAU会員登録していないでしょ。アヤカシと戦う際は会員登録をした上で、その依頼を受けるか、届け出をするかしないといけないの。アヤカシに恨みがあるからといって、手当たり次第アヤカシを破壊するとBEをまき散らす事になる。でも、依頼や届け出を出した上でならアヤカシの残骸の回収等適切な処理が行われてBEの拡散を最小限に出来るの。それだけじゃないわ。はぐれAUは依頼においても他のAUとの報酬面等様々なトラブルの原因にもなるの。そうしたトラブルを防ぐ為にも会員登録の必要がある。ところであなた、あの時モータロイドの少女を狙っていたけど、それは菫の騎士団を介しての事かしら?」

アジューリアはクロードにはぐれAUの弊害等について説明した上で、ユリアを付け狙うのが騎士団の許可が出ての事か尋ねた。そもそも何故アジューリアがはぐれAUに詳しいのかは以前、国境なき騎士団『雫の騎士団』関連の組織『BT』に属していたからだ。国境なき騎士団では『AU学』が必修だ。若手ながらAUの事を熟知している彼女ならではの答えと言える。

「…いや…。俺はただ妹の仇を討つ事で精一杯だったな…。」

クロードはユリアを狙った事を私怨(しえん)によるものである事を伝えた。間もなく紫色の馬車がやって来た。



AU学…AUに関する学問で、国境なき騎士団に属する者には必修である。内容はAUとの適切な関わり方やはぐれAU等、AUに直結した知識を学ぶ。また、『EL学』『カムイ学』と並行して学ぶ事も少なくない。

EL学…エレメントに関する学問で、AUの中でも特に魔法やカムクリを扱う職業には必修で、カムイ学と並行して学ぶ事が多い。エレメントの属性に、EL資源・技術やBEに関する知識等エレメントに直結した知識を学ぶ。

カムイ学…カムイに関する学問で、AUの中でも特にカムイと関わる職業『神威士』『カムイマスター』には必修だ。QGをはじめとするブルドラシルの様々なカムイに、カムイとの適切な関わり方等カムイに直結した知識を学ぶ。

神威士…AUの職業の一つで、カムイとの連携を得意とする職業。相棒のカムイとの連携によって様々なスキルを行使出来る。カムイと絆を深める事が重要なため、カムイ学は必修だ。

カムイマスター…神威士の上級職。様々なカムイとの連携で戦局を覆す程の強力なスキルを行使する。カムイ学を完璧に学び修め、かつカムイを慈しみ続けし者のみが至れる、いわゆる『悟りの境地』。



一方、ミドルガルドのさる地方の夜、眠り薬で眠っている高貴な女性をアスティアの傭兵ベムが抱きかかえて黒塗りの馬車に乗った。馬を駆っているのはベム同様黒装束のレスティーンの男性だった。このレスティーンもBBB団によって連れ去られ、傭兵としてアスティア王国に送られたのだ。

「よし、これよりマスターの元に戻るぞ!」

「全てはアスティアの為に!」

レスティーンの傭兵はアスティア王国まで馬車を走らせた。ベム達が彼女を連れ去った事が後にミドルガルド全体、何より祖国トラスティアに最悪の事態を齎す事になるとはケントは全く想像できなかった。


話を戻してクロードはバイオレットナイツ管轄の紫苑の刃の役人達によって馬車に押し込められ、V-800も押収された。戦いが起きた場所では他の役人達によってドクロイドの残骸の回収作業が行われていた。

「ご苦労様。後はわたし達に任せて、この書類をAU屋敷の依頼の窓口に渡しなさい。」

サキュバーナは要人拘束依頼完了の書類をケントに渡した。

「はい。」

ケントは快諾した。それから間もなくジジョッタとユリアに再会した。

「ジジョッタ、大丈夫か?」

ケントはジジョッタに尋ねた。彼女達は少なからずドクロイドとの戦いに巻き込まれたのだ。大丈夫かと尋ねるのは必然と言える。

「はい、わたくしは大丈夫です。」

「ケント兄ちゃん!()()()()()姉ちゃん!()()()おじさん!ユリア会いたかった!」

「!!…」

ケントとアジューリアとムスタンはユリアが「ベム兄ちゃんどこ?ユリア会いたい。」以外の言葉を話す様に驚いた。

「さあ、今日は屋敷に戻りましょう。皆で色々話もあるしね。」

アジューリアはユリアを含めたパーティー全体にAU屋敷に戻る事を提案した。

「はい。」

一行は頷いて帰還した。


一行はAU屋敷に戻ると例の依頼の報酬として4KGを受け取った後、厩でユリアを交えて話し合いをした。

「ユリア、何か言う事はないかしら?」

アジューリアはユリアに尋ねた。

「ユリア…、ベム兄ちゃんに会いたい!だから…、ケント兄ちゃん…、ユリアも一緒に連れてって!」

ユリアの大胆な一言にケントは動揺気味だった。果たしてケントはどんな答えを出すのか?

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