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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第五章~アヤカシと戦う者
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妹の仇

白銀の槍・V-800を携えた男性はドクロイドと少女型モータロイド・ユリアの二体のアヤカシと対峙した。ドクロイドはユリアを右手で一旦遠ざけて男性に立ちはだかった。


「あのアヤカシ娘を遠ざけて自ら戦うとは…、アヤカシにもアヤカシなりの心があるって事か…!」

「…ベム…、わしの…、倅…。」


男性はアヤカシの意外な一面を感じた。


「だが、貴様達アヤカシは俺達人間に対する心は持ち合わせていない!何故なら貴様達は俺達の村を荒らした挙句、妹を殺ったのだからなァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


男性はV-800を構えてドクロイドの脚を徹底的に攻撃していった。ところが、ドクロイドの骨は極めて頑丈で、その強度はヒッタイトに勝るとも劣らない程であった。男性はこれでもかこれでもかと言わんばかりに攻撃を続けるも、ガキンガキンという音だけでドクロイドに大きなダメージを与えるに至っていない始末だ。


「…ベム…、わしの…、倅ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


ドクロイドは雄叫びを上げて、反撃として男性を蹴飛ばした。


「ぐわっ!!」


男性は壁に背中を打ち付け、地面に倒れた。


(…何て強さだ…。…あのカムイが破壊されるのも頷けるな…。)


男性はV-800のELフィールドが衝撃を軽減してくれたため、何とか意識を取り戻すに至った。そこに、彼に近づいて来たドクロイドが跪き、上から男性を右手で覆いかぶさろうとした瞬間…。男性は何とか立ち上がり、渾身の力でドクロイドの右手をかわして飛び上がった。


「受け取れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


そして、V-800を七色に光らせながらドクロイドの腹部の脊椎を貫いた。そして、ドクロイドを突き抜けた彼の後ろで爆発が発生した。


「ベム兄ちゃんどこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?ユリア会いたいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」


ユリアは叫び声を上げた。ドクロイドの上半身と下半身が切り離され、上半身も動きが止まった。


(…やったか…。さて…、次はあのアヤカシ娘だな…。)


ドクロイドを破壊してひとまず安堵した男性は次の標的をユリアとし、近くを見まわしてみると、誰もいなかった。


(…あのアヤカシ娘め…、逃げたのか…!?だが…、俺は…、諦めないぞ!…くっ…、身体が(うず)くか…。近くに宿でもあればいいんだが…。)


男性はこの場を後にし、身体を休めるべく宿を探した。それから数日後、彼はユリアを捜すのに奔走する中でケント達一行と相まみえるのだった。



話を戻して、V-800を携えた男性は妹の墓に花を手向けていた。


「妹よ…、お前を殺めた巨大骸骨のアヤカシは俺が討ったぞ…。後はあのアヤカシ娘だな…。!!…」


男性は亡き妹にドクロイドを討った事と残りのアヤカシをこれから討つ事を伝えた直後、V-800が突然明滅した。


(何だ…!?まさか…、近くに誰かいるのか…?)


男性は誰かいるのではないかと感じた。そして、


「おい、誰かそこにいるんだろ!?こそこそしてないで出て来なよ!」


男性が言い放つと出て来たのは、自分に尾行していたバクットだった。


「…何だ…、バクットか…。てっきりアヤカシかと思ったよ…。」


このバクットがもうすぐ自分に降りかかる危機を救う事になる事を彼は未だ知る由もなかった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 憎しみは、新たな憎しみを生むだけだ。 さらにはその憎しみに決着を付けた後……果たして元の生活に戻れるのか。 化け物を殺せるようになった化け物に、居場所はあるのか。 いやそれ以前に、アヤカ…
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