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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第四章~ミストヘイムの戦い
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戦の後

先の戦いから帰還し、AU会館に戻ったケントだったが、精神的に落ち着かない様子だった。夕べもなかなか寝付けなかった。一人の将の死を目の当たりにしたのが原因である事は確かだと言える。何かと不安で仕方がないケントは受付のウンディーネに尋ねた。

「何か御用でしょうか?」

「相談室を利用したいのですが…。最近不安続きで…、なかなか眠れない夜でした…。このままでは仕事や訓練どころではありません…。」

「わかりました。至急ご案内致します。」

「ありがとうございます…。」

ウンディーネは相談室にケントを案内した。


相談室にはカウンセラーのウンディーネが座っていた。受付はカウンセラーに引き継いで相談室の扉を静かに閉めた。

「それでは、おかけ下さい。」

「はい…。」

ケントはウンディーネと向い合せに座った。

「ここでの話は特別な事情がない限りは他言致しませんので安心してお話し下さい。」

「はい…。僕は…」

ケントはウンディーネに先の戦いで感じた事や自分の悩み等を話した。


一方、アクアポリスでは、先の戦いでの例の作戦に失敗した件についての会議が行われていた。

「皆もご存知の通り、私達は例の救出作戦に失敗してしまいました。BBB団の将軍の話によれば要人はミドルガルドのアスティア王国に傭兵として移送されたとの事です。ミドルガルドは私達ドロップナイツの管轄外のため、単独での介入はできない…、という事はお手上げ状態…。ここに限らず、国境なき騎士団は『自分の管轄外のガルドへの単独介入はできない』という取り決めがあります。しかし、私は諦めるつもりはありません。一日でも早くレスティーン達を親元に帰してあげたいのです。そのためには、誰かがドロップナイツを脱け、AUとして任務を続行する必要があります。その特殊任務を受けようという者はお申し出下さい。」

マキュリーナは特殊任務を受ける者を募った。挙手したのはアジューリア一人だけだった。

「団長、その任務私がお受け致します。」

「アジューリア、あなたが受けるのね。」

「はい。私は先の作戦で失敗してしまいました。このまま諦める訳には参りません。」

「この任務は結構危険な任務よ。まさか、単独で出来ると思っていないかしら?」

「いいえ、だからこそ連れが必要です。」

「その連れについて心当たりはあるの?」

「はい、それは…」

アジューリアは自分が受ける任務での連れを指名した。


話を戻してAU会館の相談室

「ありがとうございました…。」

「相談すべき事があったらまたご利用下さい。」

ケントは相談室を後にした。さっきと比べて表情が晴れやかなのは明らかだ。


今度はAU会館の伝言板に向かうと、伝言板にはこう書かれていた。

『先の要人救出任務を受けた者へ、荷造りしてアクアポリスへ。水の聖女より』

(もうすぐここを発つんだな…。ジジョッタにまた会えるといいんだが…。)

ケントは自分の部屋を引き払う準備をした。もうすぐブラーガルドを発つ刻が近づいてきた。

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