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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第四章~ミストヘイムの戦い
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救援

ミストヘルバ島より出撃した艦では、BT陣営の1艦を火矢で炎上させた兵達が悦に浸っていた。

「『グラント艦長』、海戦も俺達BBB団が一枚上手ですぜ。ご覧下せえ、俺達の無数の火矢でBTども船一隻火だるまの始末ですぜ。!…奴ら溺れまいとして何かにつかまってますぜ。奴らに矢を射かけてとどめを刺しますか?」

「…捨て置け…。」

「今…、何と仰ったんすか…?」

「『捨て置け』と言うておる!」

「何で奴らをほっとくんすか?」

「彼奴らは生き延びようと必死になっておる。我々に対する戦意がないのは明らかだ。今度は近くの艦を狙う!皆の者、あの艦を追え!弓箭隊はすぐ様火矢の準備を初めよ!」

年配特有の貫禄と威厳を持つグラントは艦の兵士達に新たな攻撃の準備を呼び掛けた。

「はっ!」

若手の兵が多いBBB団の中で最年長にて『ベテラン将軍』の異名を持つグラントの乗る艦はBT陣営のもう1隻の艦に向かって移動した。


BT陣営の船への火矢の射程圏内に入り、グラントは甲板の上に一列になっている弓箭隊に合図をした。

「弓箭隊、火矢を構えよ!」

グラントの合図と共に弓箭隊はそれぞれ弓に火矢をつがえた。

「放てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…!!」

グラントが放てと合図しようとした瞬間、異変が起こった。弓箭隊が矢の形をした青い光で一網打尽にされたのだ。

「な…、一体何が起こっておる…!?」

グラントが矢が飛んで来た元を見てみると、もう一隻のBTの艦の上に青装束の女性騎士が弓を構えて立っていた。

「このアジューリアがいる限り…、船をこれ以上…、沈めさせはしない!」

アジューリアの艦は救援に間に合ったのだ。


間もなくアジューリアの艦はこれよりグラント艦長の乗る艦に橋をかける準備をしていた。

「ムスタン、わたし達と一緒に敵の船に乗り込むわよ!」

「うむ。」

「あなたは海に投げ出された兵達を救助して。」

「ふふ…、承知しました。」

ウンディーネは快諾した。千変万化の水の流れを把握しながら水中を移動できるウンディーネは水難事故による救助に打ってつけである。

「ケント、あなたはウンディーネ達が救助した兵達を船に引き上げて!」

「はい。」

アジューリアは各乗組員にそれぞれ指示を出した。

「隊長、これだけではまだまだ不十分かと存じます。旗艦にも救援を要請すると盤石でしょう。」

「そうね。じゃあ、旗艦のグウレイア様に救援信号を送って。」

アジューリアはウンディーネに救援信号を送るよう指示を出した。

「承知しました。」

ウンディーネは快諾して、旗艦に向けて左胸の紋章を七色に光らせた。

「送信完了しました。」

「ふふ…、ありがとう。」

アジューリアはウンディーネにお礼をした。


いよいよ敵の船に橋が架かった。アジューリア隊はムスタンを先頭にグラント率いる艦に乗り込む一方、ケントは後方で海に投げ出された兵士達の救助に向かった。そしてBTとBBB団の戦いもクライマックスの刻を迎えたのだった。

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