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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第四章~ミストヘイムの戦い
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召集

緊急依頼を受けたケントは受付で預かっていた剣を受け取り、アクアポリスに向かう直前で一つの事を思い出した。

(あ…、ジジョッタからウンディーネを護衛につけるよう言われてたっけ…。)

ケントは購買部に向かい、デクード炭のチップを手にしようとした時、もう一つの事が浮かんで来た。

(あの依頼…他にも受けてる者いるのかな…。)

ケントは商品を戻して依頼の方に向かった。


ケントは依頼の窓口の受付のウンディーネの元を訪れた。

「失礼致します。」

「ケント様、いかなる御用でしょうか?」

「僕が請け負っている例の依頼の件ですが、他に請け負っていらっしゃる方はいないでしょうか?」

「はい、シュバリア族の男性の方で、確か名は『ムスタン』という方です。今頃ロビーで同じ依頼を受けた者を待っていらっしゃる筈です。」

「ありがとうございました。」

ケントはウンディーネに一礼して窓口を後にした。


ケントがロビーに向かうと下半身が馬で上半身が人間にて髪を項で束ねている男性がいた。屈強な身体をデクードの鎧に包み、大きなデクードの盾とデクードアックスを携える姿は『歴戦の戦士』と揶揄される程の強さを感じさせる出で立ちだった。

「失礼します。緊急依頼を受けた方ですか?」

「いかにも…。ぬしもその依頼を受けし者か…?」

「はい。ニュートラルのケントと申します。」

「我は『ムスタン』…。風の部族シュバリア族の戦士ぞ…。」

「ムスタン様ですね。宜しくお願い致します。(この威厳溢れる出で立ち…、まるで父上のようだ…。)」

寡黙ながらも威厳を感じさせる雰囲気のムスタンにケントは父の姿を重ねた。


二人はAU会館を出てアクアポリスに向かった。

「ケントよ、我の背中に乗るが良い…。」

「えっ…、宜しいのですか…?」

「なあに、遠慮はいらぬ…。ぬしも我も向かう場所は同じなのだからな…。」

「お言葉に甘えさせて頂きます。」

ケントはムスタンの背中に乗った。


「あの…、ムスタン様はどうしてこの依頼をお受けされたのですか?」

アクアポリスに向かう途中でケントはムスタンに尋ねた。

「我はただ人助けをしたい一心だな…。今までも商人の護衛等をこなしてきたからな…。ぬしこそなぜ引き受けたのだ…?」

「僕は…、以前救出任務を任された事があるんです。救出には成功したものの多くの者を死なせてしまいました…。あの時…、自分が…、まだまだ…、未熟なせいで…。」

ケントはコルホ山で主人を救出するために多くの兵を死なせてしまった事を悔むと同時に涙が出て来た。

「すまぬ…、嫌な事を思い出させてしまったな…。だが…、案ずるな…。今のぬしには我がついておる…。ご安心めされよ…。」

「ありがとうございます。」

このシュバリア族の者がケントの生涯の相棒となる事を彼はまだ想像しなかった。


アクアポリスに着いた二人はドロップナイツの役人に大会議室に案内された。大会議室にはドロップナイツ団長マキュリーナをはじめ、BT等大勢の兵達がいた。

「あら、二人だったのね。では、これより例の作戦会議を始めます。各自ご着席下さい。」

ケントとムスタンの近くの席にはアジューリアがいた。

「ケント…、隣のシュバリア族はともかく、まさかあなたが依頼を引き受けるとはね。まあ、改めて宜しくお願いするわ。」

マキュリーナの合図で作戦会議が始まった。果たしてどのようなやりとりが行われるのだろうか…。

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