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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第三章~独りで始めるAU生活
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ジジョッタの言伝

『親愛なるケント様へ。わたくしは当分の間、あなたと行動を共に出来ません。それで、一つあなたにお伝えしたい事があります。ドロップナイツの指示がない限りはAU会館の外に出ないで下さい。グルンガルドでは相手が大男だったため国境なき騎士団内で良かったけど、今度の相手は動きが素早いため、施設の外ですら狙われる危険性があります。どうしても外に出る必要がある場合は必ずウンディーネとご同行下さい。ウンディーネにもわたくしと同じように霧の中でも物体を捕捉する能力があります。同行して貰う際はデクード炭のチップが必要です。それから、依頼や訓練は施設内で出来る物のみをお選び下さい。それでは、あなたに真の業を。ジジョッタより。』


(ジジョッタ…、ありがとう…。)

ケントは自分を気にかけてくれたジジョッタに感謝した。

「返信しますか?」

ケントがメールを読み終えた事を確認したウンディーネが尋ねた。

「はい。」

ケントの承諾を確認したウンディーネは、メールの用紙を渡した。

「この用紙に返事をお書き下さい。」

「わかりました…、…って…、筆記用具がないですよ!?」

筆記用具がない事に気づいたケントはウンディーネにそれを指摘した。

「筆記用具は購買部でお買い求め下さい。」

「わかりました。」

ケントはウンディーネに一礼して、購買部に向かった。


購買部で10ゲルダの羽ペン1ダースと、同じく10ゲルダのインクボトル1本を購入したケントは自室に戻ってジジョッタへの返書を書き始めた。


『親愛なるジジョッタへ。色々気にかけてくれてありがとう。僕はAU会館内の色んな施設を利用したんだ。とっても美味しい料理もあったし、色んな物が売ってあったし、風呂も快適だったよ。こんな場所でAUとしての訓練が受けられるのは嬉しい限りだ。当分の間は僕一人だけど、僕一人でも頑張ってみるよ。では、君に風の加護があらん事を。ケントより。』


(…これで良し…。)

返書を書き終えた頃、外は夜になっていた。

ケントは受付のウンディーネに返書を渡した。

「手数料として6ゲルダ頂戴致します。」

ケントはEGカードをウンディーネに渡して精算して貰った。一日の務めを果たして部屋に戻ったケントは床に就いた。

(今日は63ゲルダも使ったな…。明日はどう過ごそうか…。)


そして翌日、ドロップナイツの本部では込み入った会議が行われていた。

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