初めての買い物
食事を終えてAU会館併設の購買部に向かったケント。購買部の受付にはウンディーネがいた。
「いらっしゃいませ。どれになさいますか?」
「一つお聞きしたい事があります。『サクラヘイム』とはどんな場所でしょうか?」
ケントはウンディーネにサクラヘイムについて尋ねた。
「サクラヘイムですね。独自の文化と言語を持つヘイムで、そこ出身のAUも各世界で活躍しています。」
「どんなAUがいるんでしょうか?」
「そうですね…。『サムライ』『シノビ』『モノノフ』等が結構多いです。」
「サムライ、シノビ、モノノフとは一体どんなものでしょうか?」
「サムライは『カタナ』という片方のみの曲がった刃を携えた剣士で、シノビは隠密行動を得意とするいわゆる『密偵』のような存在で、モノノフは『ブシドウ』の理念の元に戦ういわゆる『サクラ騎士』なところでしょうか?」
「ありがとうございました。」
ケントはウンディーネに一礼して、購買部の商品について調べてみた。最初目にしたのは木炭だった。
「デクード炭ですね。1Kにつき72ゲルダで、会員割引なら60ゲルダとなります。大抵は飲料用の水に使われます。あと、デクード炭のチップも扱っております。1ダース60ゲルダですが、会員には50ゲルダで扱います。」
「チップは何に使うんですか?」
「チップはウンディーネに何かお手伝いして貰いたい際に与えます。わたくし達ウンディーネは身体をきれいにしてくれる炭が大好物ですから。街中にいるウンディーネにチップ1枚与えてくれれば重い物を持ってくれたり、子供だったらボディーガードになってくれたり…と色々頼りになりますよ。」
「ありがとうございます。(ウンディーネってすごいんだな…。まるでジジョッタみたいだ…。)」
ケントはウンディーネにも驚いていた。次にケントが気になったのは白い粉だった。
「これは塩と言って、海を広く持つブラーガルドの特産品となっております。100グラン12ゲルダで、会員には10ゲルダとなります。」
「塩は確か料理に使う物ですよね…。他にも使い道はあるのでしょうか?」
「塩は勿論料理に使われる事が多いです。気分が優れない時に微量を水に溶かして飲むと元気になれます。」
「ありがとうございます。」
ケントは100グラン分の塩を手に取った。その次に気になったのは携行食だった。
「これは、『サクラビスケット』で、サクラヘイムのマストフード『イトヒキマメ』と『ウメボシ』を使用した栄養満点の携行食です。1缶12ゲルダで、会員なら10ゲルダでご奉仕致します。」
ケントは塩100グランとサクラビスケット1缶を受付に持って来た。
「これらに致します。」
「会員証はないでしょうか?」
ケントは受付のウンディーネに会員証を見せた。
「20ゲルダになります。EGカードでの支払いも可能です。」
「EGカードでお願いします。」
「はい。」
ケントはEGカードをウンディーネに渡した。ウンディーネは自分の左胸にある水の紋章にEGカードを近づけると、左胸から「ピッ」と音が鳴った。ウンディーネはEGカードをケントに返した。
「お買い上げありがとうございました。またお越しください。」
ケントは購買部を後にして、部屋に戻った。
今度は大浴場へ向かった。大浴場もどんな施設なのかケントはワクワクしていた。




