また逢う日まで
AU会館に戻ったケントとジジョッタは出発の準備を始めた。
「ジジョッタ、僕達が明日行くブラーガルドについて何かわからないか?」
「ごめんなさい…、わたくし…、そこについては不案内です…。」
「わかった。じゃあ受付のヴァルキリーに聞いてみるよ。」
ケントは受付に向かった。
「すみません…、お尋ねしたい事があるのですが…。」
「どんな事をお聞きしたいのですか?」
「僕達、明日ブラーガルドのドロップナイツに行く予定ですが、ドロップナイツの本拠はブラーガルドのどこら辺なのでしょうか?」
「ドロップナイツですね。ブラーガルドの『アクアヘイム』にある大理石で出来た神殿『アクアポリス』を拠点としています。」
「アクアヘイムとは一体どんな場所なんでしょうか?」
「アクアヘイムはブラーガルド一の大都市です。水資源に恵まれているだけあって人口100K以上の規模を誇ります。このティータヘイムとは街道で繋がっているので迷う心配はほとんどありません。」
「ありがとうございました。」
ケントはヴァルキリーに一礼して自室に戻って荷支度を始めた。
そして一夜明け、ケントとジジョッタが受付のロビーに来ると、エルフェミスにエルフッドとGR一同も来ていた。
「エ…、エルフェミス様…。これは一体…?」
「あなた達のお陰で例の事件が解決したから、そのお礼としてGR総出で今日グルンガルドを出発するあなた達を見送る事にしたの。」
「こういう事は滅多にないからな。光栄に思うと良い。」
「僕達の為にわざわざ時間を割いて頂いて…、ありがとうございます。」
「ところで、あなた達これからブラーガルドに向かうのよね。ドロップナイツの団長にこれを渡しなさい。」
エルフェミスはケントに書状を渡した。
「これは…。」
「紹介状よ。あなた達が他のガルドのAU会館を利用するため等に必要な書類なの。あなたの父がわたしに送ったように。」
「色々とありがとうございます。」
ケントはエルフェミスに改めて一礼した。
自室の鍵を受付に預け、いよいよ出発の刻を迎えた。
「皆様、また逢う日まで。それでは行って参ります。」
「あなた達に風の加護があらん事を。」
「君達に風の加護があらん事を。」
「AU方に風のご加護を!」
「あなた方クローバーナイツにも真の業を。」
そして、ケントとジジョッタはクローバーナイツに見送られながらグルンガルドを後にした。




