クローバーエムブレム
犯人が拘束されて一夜明け、ケントとジジョッタは伝言板に向かった。伝言板には、
『メイド連れのAUへ、本部に来られたし。RQ』
と書かれていた。
「『RQ』って事はエルフェミス様がお呼びという事ですね。」
「昨日の件での事かな?」
「そうだと思います。」
二人はクローバーナイツ本部に赴いた。本部ではエルフェミスとエルフッドが二人を出迎えた。
「よく来たわね。今日はあなた達を特別な場所へ案内するわ。」
「並の者では滅多に来れない場所だぞ。光栄に思うと良い。」
ケント達がエルフェミス達に連れられた場所は、ティータヘイム最奥部であった。
「エルフェミス様…僕達はこれからどこに向かうのですか?」
「『大樹の祠』よ。わたしの相棒のカムイ・『インドラ』がいるの。」
「インドラ…!?」
「グルンガルドの守護神で、風の『クイーンガーディアン』なの。風に関する力は彼女にかかればお手の物よ。」
「インドラ様は極めて穏やかで優しくて大きなお姉さんだが、一度『おこり』出すと…」
「エルフッド!余計な事は言わないの!」
「失礼しました、姉上。」
「…あっ、ほら。入口よ。」
一同は大樹の祠の内部に入った。
大樹の祠の内部では羽衣を纏った極めて大きく美しいエルフ風の女性がいた。全長は人の10倍程度で、風で出来た彼女の巨体は緑色に光っており、肌の色や身体の大きさからしてカムイである事が伺える。
(この方がインドラ様…とても綺麗な方だ…。)
ケントはインドラに恍惚とした。
「心ある者達よ。あなた達に四つ葉のクローバーを授けます。」
インドラは四つ葉のクローバーの形をした紋章をケントとジジョッタに授けた。紋章は緑色の柔らかい光を放っている。
「これは風の紋章・『四つ葉の紋章』です。これであなた達は風のカムイの協力を貰ったり、風に関する力を行使したりできます。ただ、他のエムブレムにも言える事ですが、使い方を誤るとブラックエレメントが発生してしまうのでご注意下さい。」
「インドラ様、ありがとうございます。」
ケントとジジョッタはインドラに感謝した。紋章の授与が終わり、エルフェミスがケントとジジョッタに手紙を渡した。
「ヨシーナがあなた達にって…。」
「ヨシーナ様が…。」
ケントとジジョッタはヨシーナからの手紙を読んでみた。その手紙には一体何が書かれているのだろうか…。




