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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第二章~AUへの第一歩
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激昂の女達

一夜明けた朝、クローバーナイツ本部の会議室ではGRによる例の事件による会議が行われていた。

「では、先日の宿屋での事件について聞かせて頂こう。」

エルフッドがGRの一人に現場の調査の成果について尋ねた。

「はい。犯人は『その日の朝まで例の部屋に泊まっていた者で忘れ物を取りに来た』と主張し、金髪の女性を連れ去る目的で例の客室のドアを蹴破って侵入し、ベッド等を物色しました。客室のドアには犯人の靴跡がくっきり出ており、裏口の階段からも同じ靴跡が検出されました。それから、宿泊客の台帳を調べたところ、被害にあった部屋のその時間帯には犯人は宿泊していなかった事が判明しました。」

「つまり、犯人は嘘をついてたって事ね。それで、犯人について目星はついてるの?」

今度はエルフェミスがそのGRに尋ねた。

「それが…あの靴跡だけで…。」

「話にならないわ。エルフッド、あなたはこの事件について何を感じたの?」

エルフェミスはエルフッドに振った。

「僕は…、メイドがお姫様抱っこしてこの本部に駆け込んだ様が…」

「いい加減になさい!わたしは今大事な話をしてるの!いくら弟でもふざけるんだったらつまみ出すわよ!」

「ひっ…、姉上…、ご容赦を…。」

激昂したエルフェミスに怯むエルフッド。

「じゃあ、わたしが先日本部で事情聴取した成果について話します。被害者は三人連れでうち男性一人、女性二人。犯人は被害者の一行を宿屋に入る前から尾行していた。宿屋で受付が一行を二階の客室に案内している間に犯人は宿屋の二階に侵入。犯人は受付の目を盗んで客室付近に忍び込み、客室から男性が階段を下りてすぐ、『その日の朝まで寝泊まりしていた者で忘れ物を取りに来た』と偽って扉をノックした。中にいたメイドは受付に申し付けるよう促すも聞き入れずしきりに扉をノックし続けた。不審に思ったメイドは金髪の女性を連れて窓を伝って脱出した。それから間もなく犯人によって扉が蹴破られ、例の女性を連れ去る目的でベッド等部屋全体が物色されていき、不首尾に終わった事を感じた犯人は裏口から逃走し、依然行方知れず。例の女性は以前、メイドと共に賊に囚われた事があり、そのメイドを逃がして貰うため、自分を夫に差し出せばいい金になると自ら出自を明かした。その賊がさる軍に鎮圧されるも生き残った者自身か、その生き残りから例の女性の事を聞きつけた同業者が犯人の可能性が高い。という事です。」

理路整然と成果を話すエルフェミスに会議に参加した一同は言葉が出なかった。

「エルフッド、あなたは例の宿屋をもう一度調査なさい。今度は被害関連に重点を。」

「はい、姉上。」

「それから、他のGRには引き続き例の宿屋の周辺の調査をお願いするわ。特に靴跡の方ね。」

「はっ。」

「では、明日の朝も会議を行います。それでは、解散!」

GRは再び事件現場に赴いていった。


一方、AU会館ではケントが受付のヴァルキリーに何か聞いていた。

「あの…、『AU会館』ってそもそもどんな施設でしょうか…?」

ケントとヴァルキリーの間に突然ジジョッタが割って入った。

「『AU会館』は、国境なき騎士団管轄のAUの生活を全面的にサポートする施設です!AU達は無料で様々なサービスを受けられます!但し、仕事の報酬の20%を施設に納めなければなりません!」

「ど…どうしたんだよ…、ジジョッタ…。そんなにむきになって…。」

「これは部屋の冊子に書かれている内容です!ケント様が寝ている間、わたくしはしっかり読みました!ヴァルキリーに聞くなら、まず、わたくしにお聞き下さい!」

「わ…、わかったよ…、これからは君に聞くからさ…。」

激昂するジジョッタにケントは戸惑い気味だった。

「じゃあ、ケント様、何について聞きたいですか?」

「ええと…」

ケントはジジョッタからAU会館の事についていろいろ質問した。

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