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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第二部第一章~ココロザシの地へ
155/159

サクラの道

 マキュリーナの召集でアクアポリスの応接室に集まったケントとアジューリアとムスタンだった。


「ケント、アジューリア、ムスタン、他の団員が訓練を積んでいる間、あなた達にはサクラヘイムで訓練を積んで貰うわ。期間は一年ね。」


 マキュリーナはケント達にサクラヘイムで一年間訓練を積むよう伝えた。


「サクラヘイム……、聞いた事があるけど実際に行くのは初めてだ……。」

「わたしもよ。サクラヘイムには綺麗な物がいっぱいあると言うわ。まさか、実際に行く事になるなんてね……。」

「サクラヘイムがいかなるヘイムだろうとも……、我はただ風に従うのみ……。」


 ケント達はサクラヘイムが自分達の訓練先と聞いて胸を躍らせた。


「サクラヘイムは多くのAUをこのブルドラシル中に輩出したヘイムよ。そこでの訓練は結構刺激になると思うわ。」


 エルフェミスはケント達にサクラヘイムでの訓練の価値について話した。


「はい。」

「うむ。」


「それでは、サクラヘイムに出発よ。」


 マキュリーナはケント達に出発すると伝えた。



 アクアポリスの門に停めてある馬車にマキュリーナはケントとアジューリアと一緒に乗り、ムスタンは馬と一緒に馬車曳きに回った。


「エルフェミス、わたし達は行って来るわ。留守番お願いね。」

「わかったわ、マキュリーナ。あなた達に風の加護を。」


 マキュリーナはエルフェミスに留守番を頼んだ。


「エルフェミス様、行って参ります。あなた方にもココロザシを。」

「エルフェミス様にも水の加護がありますように。」

「皆も達者でな……。」


 間もなく馬車はサクラヘイムに向かって走り始めた。



 馬車がアクアヘイムを離れた後、暫くしてケントは引率しているマキュリーナに何かを尋ねた。


「マキュリーナ様……、サクラヘイムとは一体どんなヘイムですか?」

「サクラヘイムは独特の文化が根付いているけど、とっても綺麗なヘイムよ。中でも『キモノ』と呼ばれる織物がとっても美しいの。それから、『フシノキ』という中が空洞の樹もあるわ。」

「フシノキとは一体……?」


 ケントは『フシノキ』について喰いついた。


「デクードとほぼ同等の緑のEL粒子を帯びていて貴重なEL資源の一つになっているの。結構しなるし、弓矢の材料に使われる事も多いわね。」

「はい……。それからサクラヘイムの『サクラ』の意味は一体何でしょうか?」


 今度は『サクラ』について喰いついた。


「サクラは……、サクラヘイムの在来樹なの。冬を越えて花が咲き、夏になる前に散っていく……、を毎年繰り返すの。あっ、外を見て。アジューリアも。」


 マキュリーナが二人に窓から外を見るよう促すとそこには、淡いピンク色の花弁を舞い散らせながら咲き誇る樹が道の両脇に並んでいた。


「これがサクラの樹よ。」

「これがサクラの樹……。」

「とっても綺麗ね……。」


 マキュリーナに促され、実際にサクラの樹を見た二人は見とれていたのだった。

 果たしてケントとアジューリアとムスタンはサクラヘイムでどんな訓練を科されるのだろうか……?



フシノキ……サクラヘイムの在来樹の一つで、繁殖力が強く、伐採したフシノキは貴重な資源として扱われる。アースガルドでは『竹』と呼ばれる。

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