大樹の誓い
フレンの誘いを断った志の騎士団は、インドラとエルフェミスを交えて大樹の祠で誓いをかわした。
「インドラ様、それがし、『ケント=ココロザシ』は志の騎士団団長としての務めを果たし、最後まで主を護り抜く事を誓います!」
ケントはエルフェミスから、フレンの誘いを断ったお礼としてラストネームに『ココロザシ』を授かったのだ。
「インドラ様、私、アジューリアは志の騎士団副長として、団長を支え、主を護る事を誓います!」
「インドラ様…、我…、ムスタンは…、志の騎士団の元で…、護るべき者を護る事を…、ここに誓わん…!」
「インドラ様、わたくし、ジジョッタは志の騎士団を最後まで支える事を誓います!」
「インドラ様、わたし、ユリアは、ジジョッタ姉さんと共に志の騎士団を支える事を誓います!」
「インドラ様、それがし、ソールは志の騎士団の元で心身共に磨く事を誓います!」
「インドラ様…、僕…、ロベルトは…、皆の足を引っ張らないよう…、気を付けます…。」
「インドラ姉さん、僕、ホタッテルは光の力でマスターや皆さんを支えていきたいです。」
「ふふっ…。」
インドラはホタッテルの可愛い誓いに微笑んだ。
「インドラ様、それがし、コンラッドは志の騎士団を支え抜く事を誓います!」
「インドラ様、我々旧トラスティア兵共は志の騎士団と最後まで共に在り続ける事を誓います!」
シーナは言葉が話せない為、デクード紙に書いてインドラに渡した。彼女の誓いを読んだインドラは笑みを浮かべた。
『インドラ様、わたし、シーナは志の騎士団の皆の魂の拠り所となる事を誓います。』
「志の騎士団よ、あなた達に風の加護を授けます…。」
インドラは黄緑色の光で志の騎士団全員を覆った。かくして、大樹の誓いが終わった。
誓いを済ませた志の騎士団一行とエルフェミスは今後について語り合った。
「ケント、あなた達志の騎士団はこれからどうするの?」
「それがし共は…、ミドルガルドのアスティア城を目指す予定です。」
「アスティアって…、確か海に面しているブルー地方よりミドルガルドに覇を唱えている王国ね。どうしてそこに向かうのかしら?」
「アスティアは…、主とそれがしにとって…、父の仇なんです…。アスティア現王を王位から引きずり降ろさない限り…、ミドルガルドに未来はありません…。我々は父上から反アスティア勢力として使命を全うせよと命じられました…。直接アスティア城を目指せと…。それにはダイヤモンド街道を通るのが吉と書かれておりました…。」
「ダイヤモンド街道ね…。ブルー地方は海に面しているし…、海路はどうかしら?」
エルフェミスはアスティア城への道に海路を提案した。
「海路…、その手がありましたか…。でも…、我々は船一隻も保有しておりません。」
「ふふっ…、それなら、雫の騎士団があるわよ。雫の騎士団は造船技術も持っているわ。わたしも団長に働きかけるから安心なさい。」
「有難うございます!」
「礼には及ばないわ。あなた達がTC団の誘いを断ってくれたお礼よ。」
エルフェミスも志の騎士団と暫く行動を共にする事となった。
そして、志の騎士団はグルンガルドを出発する刻が来た。エルフッドやGRの皆が見送りに来たのだった。馬車を引くのはムスタンで、その中にはシーナが乗っていた。
「エルフッド、留守番お願いね。」
志の騎士団に一時同行するエルフェミスはエルフッドに四つ葉の騎士団の留守番を頼んだ。
「お任せ下さい、姉上。」
エルフッドは快諾した。エルフェミスは馬車に乗った。
「それでは、四つ葉の騎士団の皆に真のココロザシを!」
「四つ葉の騎士団にも水の加護を!」
「達者でな…、四つ葉の騎士団よ…。」
「四つ葉の騎士団にも真の業を…。」
「色々有難うございました!」
「四つ葉の騎士団の皆さんにも光の加護がありますように…。」
「皆の足を引っ張らないように気を付けます!」
「皆さんに光の加護がある事願ってるよ!」
「四つ葉の騎士団の皆様に水の加護がありますように…。」
「我々の魂は四つ葉の騎士団と共にあり!」
志の騎士団一同はエルフッド達に別れを告げた。
「それでは、志の騎士団に風の加護があらん事を!」
エルフッドとGR一同は志の騎士団を見送った。志の騎士団はブラーガルドに向かって行った。果たして、ケント=ココロザシは亡き父の言葉を胸にアスティア城に辿り着く事が出来るのか?
将軍王のココロザシ~第一部
<完>
第二部については来年執筆予定です。ご期待下さい。
他の作品もご愛顧頂けたら嬉しい限りです。




