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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第十一章~主との再会
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偽TC団

四つ葉の騎士団本部の会議室ではGRを交えて重要な会議が行われた。その会議にはケントAU団も同席していた。


「例の条約によって我々四つ葉の騎士団とTC団は相互不干渉の関係である事は皆も承知している筈です。そこに付け込んでTC団を騙り手当たり次第に略奪を働く(やから)も少なくありません。エルフッド、続きを。」


エルフェミスはクローバー条約を悪用した輩がいる事を伝え、エルフッドに続きを話すよう促した。


「はい。先日、さるAU団の一人がはぐれた挙句、TC団を騙る賊に囚われた情報を一体のカムイが寄せてきたのだ。そのカムイの話によれば、さる湖でそのAUと知り合い、賊に囚われた際に抵抗するも湖に叩き落されてAUはそのまま連れ去られたという事だ。そのAUを連れ去った賊はここを脱獄したグッダだ。」


エルフッドは犯人が脱獄囚グッダである事を伝えた。


「有難う、エルフッド。実は脱獄囚グッダは、ここにいるケントAU団団長であるケントとも因縁のある男です。初めは主にメイドのジジョッタと一緒だった彼は様々なガルドを巡って様々な訓練の過程で多くの仲間と出逢いここに戻って来ました。しかし、その途中でロベルトという仲間がはぐれた末にグッダに捕らえられた始末です。」


エルフェミスはグッダとケントについて説明した。


「かのAU方が戻っていらっしゃったか…。」

「結構な訓練を積んでいらっしゃたのは身体を見ればわかる…。」

「しかも、大勢の仲間を引き連れていらっしゃるとは…。」

「AU団の団長であるのも頷けるな…。」


当時の宿屋襲撃事件に立ち会ったGRの者達はケントの帰還に狂喜した。


「はい、ご静粛に。今回の作戦はグッダ率いる偽TC団の摘発並びに捕虜の救出です。その作戦にケントAU団も参加して頂きます。まず、ケントとアジューリアとムスタンはGRと共に直接参加なさい。あと、ジジョッタは後方でユリアとソールに救出後のロベルトの安全を確保なさい。最後に、ユリアとソールは後方で団長達やGRがどのように作戦を展開していくのかしっかり見ておきなさい。いいわね。」


エルフェミスはケントAU団にそれぞれ指示した。


「はい。」


ケントAU団一同は了解した。


「それでは道案内は…、ホタッテル、あなたにお願いするわ。」


エルフェミスは道案内をホタッテルに頼んだ。


「うん、僕に任せて!」


ホタッテルは了解した。


「これより、作戦を開始します!」


エルフェミスの合図で作戦が開始された。



偽TC団の畑でロベルトは働かされていた。


(確か『全部収穫しろ』だったね…。)


ロベルトは偽TC団の構成員から強制労働としてさる作物の実を片っ端から収穫した。しかし、そんな彼に何者かが蹴りを入れ、ロベルトは転倒した。ロベルトが見上げると斧と鞭を携えたグッダがいた。


「てめえ、誰が手当たり次第収穫しろっつったよ!!あぁ!!」


グッダは自分の指示を守らなかったロベルトに怒りの声をぶつけた。


「…ごめんなさい…。『全部収穫しろ』と言われたから…。」

「俺様は『()()()()()()()()()全部収穫しろ』っつったんだ!!何で手当たり次第収穫してんだ、あぁ!?」

「僕…、ただ全部収穫しろって…。それで…。」

「どうやらてめえには調教が必要のようだな!歯ァ喰いしばれェェェェェェェェェェェェェェェ!!」


グッダは鞭で自分の指示を良く聞いていなかったロベルトをはたこうとした瞬間、矢がグッダの鞭を捉え、そして断ち切った。グッダとロベルトが矢が飛んで来た方を見ると弓を構えたアジューリアが立っていた。


「だっ…、誰だてめ…!」

「わたし達の大切な人を…、(しいた)げないで!!」


アジューリアはグッダに強く言い放ち、グッダは狼狽(うろた)えた。ロベルトは聞き覚えのある声に安心した。グッダが動揺している隙を突いてムスタンはロベルトを自分の背中に乗せて後方に控えているジジョッタ達の元に連れて行った。間もなくケントがグッダの元に駆け付けた。


「グッダ…、牢でおとなしく業を全うしていれば良いものを…!」

「てめえは…、あの生意気なガキだったな…!ここで会ったが百年目!あの屈辱(くつじょく)は一生忘れねえよ!!」


再び対峙する事となったケントとグッダ…。果たして結末は…?

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