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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第十一章~主との再会
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ロベルトを連れ去りし者

月夜の中、TC団の飛行艇に単身乗り込んだエルフェミスだった。


「フレン、いるんでしょ!あなたに一つ話があるの!」


甲板の上でエルフェミスはフレンに呼びかけると、フレン本人が彼女の元にやってきた。


「今度は四つ葉の姐ちゃんか…。夜中に大声出してんじゃねえよ。ダチ共が起きんだろ。…で…、俺に話って何だ?まさかこの『エターナルフレンズ(EF)号』の事じゃねえだろうな?」

「フライングクローバー号の事はもういいの。それより…」


エルフェミスは自分達の建造した飛行艇をTC団が奪った事は言及しないと述べ、本題に入った。



エターナルフレンズ号…飛行艇『フライングクローバー号』のTC団名で、「永遠のダチ共」という意味でTC団首領のフレンが名付けた。



四つ葉の騎士団本部の応接室に戻ったエルフッドはケント達にホタッテルから知り得た情報を伝えた。


「そうですか…、あのTC団は偽物と…。」

「それだけじゃない。ロベルトなる者を連れ去ったのは以前我々が拘束したグッダという男だ。」

「グッダ…、拘束された筈の奴が何故…?」


ケントは自分の主への襲撃未遂事件を起こした末、GRに拘束されたグッダが何故ロベルトを連れ去ったのか気になった。


「脱獄したんだ…。我々も行方を追っていたのだが…、森の中だからなかなか見つからずじまいだった…。あの事件がなかったら空から摘発出来たんだがな…。」


エルフッドはグッダが脱獄した事を伝えた。


「そうですか…。(くっ…、またしても奴と戦わねばならないのか…。)」


ケントはグッダと最悪の再会になると思うと動揺した。



EF号の甲板でエルフェミスはフレンにロベルトの件を持ちかけた。


「ロベルト?誰だそいつは?」

「とぼけないで。あなた達が彼を連れ去ったって聞いたの。彼を返して。」

「おいおい、無い袖は振れねえっての。俺達ゃそのロベルトって奴を連れ去った覚えはねえぜ。」

「じゃあ一体誰が…?」

「知らねえな。…ま、一つ心当たりがあるとすりゃ、俺達『トリッククローバー団』の名を(かた)って略奪を働く奴等がごまんといやがるそうじゃねえか。そいつらだと俺は思うぜ。」

「…わかったわ…。あなた達に…、いえ…、ただご機嫌よう。」

「ああ…。(俺達の名を騙って手当たり次第略奪を働く奴等か…、上等じゃねえか!)」


エルフェミスはヴェーメでEF号を後にした。



偽TC団のアジトの牢屋にロベルトは囚われていた。


(何だよここ…、あのUD商会と同じじゃないか…。僕…、もう…、あんな想いは懲り懲りだというのに…。折角(せっかく)カムイと友達になれたのに…。何で皆と離れ離れにならなきゃいけないんだよ…。)


ロベルトは心で嘆いていた。これから地獄のような日々が待っている事を彼はまだ知らずにいた。

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