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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第十一章~主との再会
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帰還するも…

砂漠を抜けて森林地帯のグルンガルドに入り、ティータヘイムの四つ葉の騎士団に向かうケントAU団一行だった。四つ葉の騎士団本部が見えた頃には日暮れ時だった。


「皆、もうすぐティータヘイムの四つ葉の騎士団本部だ。そこに僕らの主がいるんだ。ジジョッタ以外は初めて逢う事になるね。」

「主がどんな方なのか楽しみね。副長として逢ってみたいわ。」

「団長が主と仰ぐ者か…、護るべき者である事は確かだな…。」

「やっと主に再会出来ます…。まさに茨の道でした…。」

「団長の主がどんな人か、わたし楽しみ~!」

「団長の主…、僕も気になります。」


ケントが皆に呼びかけると一人いない事に気づいた。


「あれ…、もう一人いない…!まさか、ロベルトが!?」

「何ですって!?」

「何と…。」

「これは一大事です!」

「さっきまでいたのに…。」

「くっ…、またしてもか…。」


ケントはロベルトがはぐれた事に動揺し、その動揺が団全体に伝わっていった。


「団長、ロベルトを捜しましょう。」


ジジョッタはケントにロベルトを捜す事を提案した。


「ジジョッタ、確かにロベルトを捜すのは大事だ…。でも、今は四つ葉の騎士団に向かうのが先決だ!そこを拠点に彼を捜せばいい。ここは森の中だ…。拠点が無い状態で捜索すると二重遭難になりかねない!そうした事態は未然に防ぐのが吉だ!」


ケントはジジョッタの提案を退け、四つ葉の騎士団に向かうのが先決と主張した。


「わたしも同感よ。やはり安全を確保するのが先決ね。」

「我も…。」

「確かにここは迷路みたいね。」

「僕も同感です…。(ロベルト…、無事でいてくれよ…。)」


他の団員もケントの方針を支持した。


「…やはり…、団長の仰る通りです…。捜索には準備が必要ですね…。」


ジジョッタもケントの方針に従う事にした。そして、ロベルトを除くケントAU団一行は四つ葉の騎士団本部に着いた。



四つ葉の騎士団本部にはエルフッドが出迎えた。


「久しぶりだね、ケント。!…おおっ、結構人数揃ってるね。」


エルフッドはケントが多くの仲間を連れている事に驚いた。


「はい…、もう一人いるんですが…、はぐれてしまいまして…。」

「これは一大事だ!まずは姉上に取り次ごう。」


エルフッドは応接室に一行を案内した。間もなくエルフェミスが応接室に入って来た。


「久しぶりねケント。それからジジョッタも。!…あら、アジューリアじゃないの。とっても大きな身体になったわね…。」

「エルフェミス様、お久しぶりです。」

「アジューリアも…、エルフェミス様と面識が…?」


ケントはアジューリアもエルフェミスと面識がある事に驚いた。


「ええ、ティーンの頃短期留学でお世話になったの。わたしに弓を教えてくれたのも彼女なの。それに、わたしも四つ葉の紋章を持っているのよ。」


アジューリアはケントにエルフェミスとの関わりについて話し、四つ葉の紋章を見せた。


「エルフェミス様、流星騎士団団長から書簡を預かって参りました。」


ケントはエルフェミスにヴィーナから預かった書簡を渡した。エルフェミスは書簡に目を通した。


「わかったわ。ケント、アジューリア、ムスタン、ジジョッタは訓練修了で正式にAUとなり、残り三名はAUとしての訓練の継続…、あれ!?どうして一人足りないの?」

「ここに来る途中ではぐれてしまいました。ロベルトと言います。」


ケントはメンバーが一人足りない経緯について話した。


「では、初対面の二人は…。」

「ユリアです。宜しくお願いします。」

「ソールと言います。これからお世話になります。」


初対面のユリアとソールはエルフェミスに挨拶をした。


「それではまず、AU会館にご案内…」


エルフェミスがAU会館に案内しようとすると、窓から巨大蛍が身体を黄色く光らせながら応接室に入って来た。巨大蛍は蛍の中では巨大だが、カムイの中では小型だ。


「大変だ~!お兄ちゃんが『トリッククローバー団』を名乗る人達に連れ去られちゃったよ~!!」


大きな蛍は友達がTC団に連れ去られたと伝えた。


「何!?…その『お兄ちゃん』の名は何と言うんだ?」


ケントは巨大蛍にお兄ちゃんの名を尋ねた。


「ロベルトって言う人なんだ!」


巨大蛍はロベルトと答えた。


「何だって!?ロベルトがトリッククローバー団に…。」


ケントのみならず全体が動揺した。果たしてケント達はロベルトを救えるのか?

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