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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第十章~新たなるAU
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さらば学び舎

モスクール本部の応接室でヴィーナはファノと共にケント一行と今後について話し合った。


「…では、ソールとロベルトが新たにケントAU団の一員となるで宜しいですわね?」


ヴィーナはソールとロベルトに所属がケントAU団に移る意思を尋ねた。


「はい。」


二人は同意した。


「それでは、今からAU会員として必要な書類を渡しますわ。しっかり読んでからサインなさい。」


ヴィーナは二人に書類を渡した。二人は目を通し、自分の名前をサインした。


「サインの方確認しましたわ。それでは、あなた方の今後についてお話し致しますわ。まず、流星騎士団本部にわたくしと共に戻り、地下であなた方がAUの貴重なアイテムを授かっている間、わたくしは別の書類等の準備を致しますわ。準備が終わったらいよいよサンドガルドを出発ですわ。学び舎を巣立ったばかりの新たなAUの船出…、いつ見ても素敵ですわ…。ファノ…、あなたも理解出来まして?」

「はい…、仰る通りです。このモスクールを巣立つ者が世界でどう活躍するのか…、ワクワクしますね。」

「ふふ…。それでは出発する前に…、理事長のファノに別れの挨拶をしましょう。」


ヴィーナは別れの挨拶を促した。


「ファノ様、それがし共に一年間貴重な経験をさせて頂き、有難うございました。では、モスクールの皆にココロザシを!」

「一年間皆と過ごすよう計らって頂き…、有難うございました…。モスクールにも水の加護を…。」

「わたくし、一年間人と深く接してみて人の心をより理解しました。それでは、モスクールの皆にも真の業を…。」

「一年と短かったけど、学校というものを始めて経験して嬉しいでした。いつかお兄ちゃんに逢えたらいいなと思います。」

「ファノ先生、一年間有難うございました。これからもケント先生…、いや、ケント団長の元でAUとして様々な経験を積んでいきたいです。学び舎に光の加護がありますように…。」

「…僕…、これからも…、ソール君と…、ユリアちゃんと…、一緒に頑張ります…。…足手まといにならないよう…、気を付けます…。」


一行はそれぞれファノに別れの言葉を述べた。


「皆、有難う。あ、そうそう。もし、『ユングル』というニュートラルの男性に会ったら伝えて。『妹はいつでもモスクールで待ってる』って…。」

「ユングルとは一体…、どんな方ですか…?」


ケントはファノから聞いたユングルという人物について気になった。


「わたしの双子の兄よ。考古学者で『(いにしえ)の申し子』と呼ばれているの。ぶっきらぼうだけど優しい人よ。」

「わたしのお兄ちゃんと一緒だ~!」


今度はユリアが喰いついた。


「ふふっ…、ユリアだったわね…。一日でも早くお兄ちゃんに逢えるといいわね。」

「うん、有難う!」

「ふふっ…、それでは…、あなた達に光の加護を…。」


そしてケントAU団はモスクールに別れを告げ、ヴィーナの手配した馬車で流星騎士団本部に戻るのだった。

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