表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第十章~新たなるAU
136/159

各々の夢・青の節

いよいよ、ソール級長による最後の発表が始まった。


「はい。僕の夢は剣闘士になる事です。ケント先生とアジューリア先生のいかにも頼もしそうな身体を見て剣闘士になりたいと思いました。剣闘士になって賞金を稼いで、その金で貧しい人々を支えていきたいです。そして何より、僕達を救ってくれたアジューリア先生がいる、ケント先生率いるケントAU団に恩返しをしたいです。僕はもうフレッシュティーンの為、ここを巣立ったらすぐ社会に出ます。今の僕の望みはユリアと同じようにケントAU団の一員となってAUの訓練を積む事です。終わります。」


ソール級長の最後の発表に全員拍手した。


「有難う、ソール級長。それでは、志の学級の全ての講義が満了しました。年齢別の通常学級に編入する者もいれば、フレッシュティーンとなり、社会に出る者やティーンアカデミーに入学する者もいる事でしょう。例えどんな道を歩む事になっても、心ある者でいる事だけは忘れないで欲しい。人の失敗をフォローする者であって欲しい。それが私の望みです。皆さん、一年間有難うございました!では、アジューリア先生。」


ケントは学徒達に最後の挨拶をした後、アジューリアに促した。


「はい。UD商会の地下室であなた達を保護した時、まさか教員としてあなた達を指導するなんて夢にも思いませんでした。初めは不安でしたが、以前から(つちか)ってきた経験が活かせる事を知り、新たな経験と共に自他共に成長を実感出来て嬉しく思います。皆…、いつかは…、離れ離れになります…。だから…、今を…、大切に…、生きて下さい…。この学級で…、皆と学べて…、良かったと…、思えるように…。一年間…、有難う…。終わりです…。」


アジューリアは挨拶中に涙を流した。


「では、最後にジジョッタ先生。」


ケントはジジョッタに最後の挨拶を促した。


「はい。わたくしも人を教育するのは初めてでした。教育を通じて人の心を理解していく事を学びました。わたくし達ケントAU団はAUに戻りますが、ここでの経験も大いに役立つと信じています。皆さんもここでの経験を今後の人生にお役立て下さい。それでは、一年間有難うございました。」


ジジョッタが最後の挨拶を終えると学徒全員が拍手をした。


「それでは、最後の合図です。ここの清掃を済ませたら宿舎にある自分の荷物の移動をお願いします。ソール級長とユリアとロベルトは宿舎の荷造りが済み次第、本部の応接室にお越し下さい。」


ケントは最後の合図をした。



フレッシュティーン…13歳の事。対義語として『ラストティーン』があり、その場合は19歳の事を指す。



清掃が終わるとケントとアジューリアは教員詰所に挨拶をした後、宿舎の荷物をまとめて、本部の応接室に向かった。六人揃って応接室に入ると、そこには理事長のファノは勿論、ヴィーナもいた。


「ふふ…、お久しぶりですわ。」


ケントはヴィーナが直接来ている事に目を丸くした。果たして一行と二人はどんな話をするのだろうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ