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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第十章~新たなるAU
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ロベルトの悩み

講義が終わった志の学級の教室で、ロベルトはケント達に悩みを持ちかけた。


「…僕は…、いつも失敗ばかりです…。UD商会の頃から事あるごとに失敗し、鞭打ちにされそうになったり、パンを与えて貰えなかったりでした…。ここだってそうです…。先生の言葉を理解してるつもりだったのにちぐはぐな事をしてしまったり、草と花を間違えてむしり取ってしまったり…、そして今日は6歳の人に足し算を教えようとしてもなかなか聞いて貰えないどころか自分の声を真似された挙句、真面目に話してるのに『カムクリみたいな喋り方』と笑われて自分が嫌になってきます…。」


ロベルトは涙を流して悩みを話した。


「ロベルト、君はずっと他人と接する事を避けていたね。だから相手と接する際も形式的な感じになってしまうんだ。6歳児でもわかるよ。『この人は心のこもってない感じだな』って感じで。でも、君の学問の成績は以前に比べて良くなっている。他人から『だから何?』な感じで自分の成長を理解して貰えないのは心外だろうが、努力する事は忘れないでほしい。例え他人に認めて貰えなくても、努力していけば他人などどうでも良くなってくるから。そう、心ある者の理解があるなら人はいくらでも頑張れるんだ。君もね。カムイって知ってるかい?カムイはな、君がどんなに失敗しようが、どんなに変わった話し方だろうが、どんなに貧しかろうが、どんなに臆病だろうが関係ないんだよ。ただ、心ある者であるかどうかなんだ。カムイは心ある者にならいくらでも力になろうという気持ちがあるんだ。どんなに人付き合いが苦手でも心ある者ならばカムイは力を貸してくれるんだ。私が君に一番望む事は不器用でもいいから心ある者でいてほしいという事だ。」


ケントはロベルトに努力する事と、心ある者でいる事を望んでいると伝えた。


「カムイ…、僕も友達になれるんですか…?」


ロベルトは自分もカムイと友達になれるのか気になった。


「ああ、なれるよ。君が心ある者であるならね。人の友はいなくてもカムイを友とする者も結構多いからね。それから、AUはカムイと協力して事にあたるんだ。カムイと共に歩みたいならAUの道を歩むと良い。私達ケントAU団のようにね。ただ、平坦な道じゃない事だけは確かだけど。」

「カムイはとっても綺麗なお姉さんの姿をしたのもいれば、可愛い生き物の姿をしたのもいてとっても癒されるわ。『カムイセラピー』もある程よ。あなたもカムイと出逢えるといいわね。」


アジューリアもカムイはとっても魅力溢れる存在である事をロベルトに話した。


「ケント先生、アジューリア先生、有難うございました。」


ロベルトは二人に感謝して教室を後にした。そして、志の学級発足から一年が経とうとしていた。



カムイセラピー…カムイと触れ合う事による心身の回復法。AU達はカムイと接する機会が多い為、人見知りだった者がAUの道を歩み、カムイと出逢って人見知りを克服するケースも少なくない。

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