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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第九章~志の学級
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教育機関モスクール

アスティア城の倉庫で、UD商会の兵器商からスパイダータンクのマニュアルを渡されるも何が何だかわからないベムだった。

「何だこれは?訳がわからないな。」

「字が読めぬとは…、話にならぬな…。(ふっ…、良くも悪くも戦の申し子だけの事はあるか…。)」

「なあマスター…、俺に教えてくれないか。」

ベムはマニュアルに綴られた文章が読めずに戸惑った。

「…そうだな…、お前には『読み書き』の学問が必要だ…。」

「そうじゃなくて、これには『何が書かれてる』のか教えて欲しいんだよ!」

「お前に教えたところで物に出来る訳ではない。自分で読んで物にするものだ。…そうだな…、こいつに読み書きを教えてくれないか。」

戦女帝はベムの懇願を聞き入れない代わりに、兵器商に読み書きを彼に教えるよう頼んだ。

「申し訳ありません…。あなた方とそれがし共では所属が違います…。仕事と関係ない依頼には応じられません。」

兵器商は仕事と関係ない依頼は受けないと断った。

「ならば…、私はお前を雇おう。10KGでどうだ。」

戦女帝は10,000ゲルダで兵器商を雇うと申し出た。

「!!…わかりました…。この『フラット』…、喜んで雇われましょう…。(これであのブラック組織とおさらば出来るなら…、悪くないな…。)」

フラットは承諾し、戦女帝から10,000ゲルダを受け取った。

「かたじけない…。では早速…、ベムに読み書きを教えてやってくれ。それから、私の事は『マスター』だ。良いな。」

戦女帝はフラットに読み書きをベムに教えるよう改めて伝えた。

「了解しました、マスター。ではベム様…、こちらへ…。」

「ああ…。(何で一つや二つの字くらいでこんなに(つまづ)くんだよ…。)」

(戦の申し子よ…、これもお前の魂を育む為だ…。戦いが強いだけで生きていける程…、このブルドラシルは甘くはないぞ…。)

これからベムは()()()()()()()読み書きを教えて貰うのだった。


話を戻して、モスクヘイムの教育機関モスクールの応接室で理事長のファノと対面したヴィーナとケントAU団だった。

「私は流星騎士団管轄の教育機関モスクール理事長『光の申し子』ファノと申します。お見知り置きを。」

「ファノ、この者達をお願い致しますわ。ユリアは診療所暮らしで学校に通えなかった為学徒として、彼女以外は全員教員として訓練を科して頂きたいのですわ。期間は一年で…。」

ヴィーナはユリアを学徒として、彼女以外を教員として一年間訓練を科すよう頼んだ。

「わかりました。一年間私達にお任せ下さい。」

「それから…、先日UD商会から保護したレスティーン達をこの者達と同じ学級にするよう計らって頂けないでしょうか?彼らは救出して貰ったアジューリアに恩がありますわ。」

ヴィーナはUD商会のレスティーン達をケント達と同じ学級にするよう頼んだ。

「自分達が救った者達を自分達で育む…、悪くありません。お手並み拝見と参りましょう。」

ファノは全面的に快諾した。

「では、これから宿舎にご案内致します。」

ファノはケント達を宿舎に案内した。


ケントとアジューリアは教員用宿舎に、ジジョッタとユリアは学徒用宿舎にそれぞれ案内された。

「AU会館と同じくらい快適だね。でも…、人に物を教えるのは初めてだから緊張するな…。」

「ええ、わたしもよ。でも、これから一年間レスティーン達を育むのだからワクワクするわ。」

果たしてケント達はレスティーン達を教育出来るのか…?

本編に登場する主要キャラの一人『戦の申し子ベム』と『戦女帝』の師弟の絆を描いた短編外伝『ラピスラズリの夏の夜』もご愛顧頂けたら嬉しい限りです。

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