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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第八章~オペレーショントリニティ
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スパイダータンク

UD商会格納庫の八本足の大型兵器を前にしたケントとエクレールだった。

「この兵器がミドルガルドの誰かの手に渡る前に…。」

「フェイズ(スリー)に移りましょう…。」

「でも、どうやって遂行するんですか?ちょっとやそっとの攻撃じゃ…。」

「…大型兵器が相手なら…、カムイの力を借りざるを得ないわね!出でよ、『キリコーン』!!」

エクレールは黄色い光を放ち、星の紋章が彫られた角らしき物を取り出し、高く掲げた。すると、光を魄とし、角の生えた馬の姿をしたカムイが出現した。エクレールは相棒のキリコーンに跨った。

「行くわよ、キリコーン!ELアーツ、『ボルテックホーン』!!」

エクレールを乗せたキリコーンは角から(いかずち)を大型兵器に放った。しかし、巨大な影が割って入り、その影に直撃して爆発が発生した。

「!!…わからないけど…、突撃よ!!」

キリコーンは角に雷を帯びながらそのまま影ごと攻撃しようと大型兵器に突撃した。しかし、爆煙の中から突如現れた鋼鉄(はがね)の拳がキリコーンの角を捉えた瞬間…

「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

キリコーンは爆発し、エクレールは悲鳴を上げながら高く吹き飛ばされた。ケントはエクレールを何とか受け止めた。エクレールは気を失っていた。先程の破壊によって化身が解けたキリコーンのELコアである黄色い角が高い場所に転がった。ケントはエクレールをシャッターの近くに寝かせ、大型兵器の方を向くと先程の雷撃で衣類が焼け、外骨格が屈強の男性を思わせるフォルムの機械の身体が(あら)わになったスケロックが仁王立ちしていた。そして、ケント達が出て来た格納庫のシャッターが閉じた。

「飛んで火にいる夏の虫とはまさにこの事ですね!…ん!?誰かと思えばわたくし共の商談を突っぱねたケントAU団団長直々にお出ましとは…、何と面白い巡り合わせですね!それからこの輝きを放つ角…、更なる兵器開発に役立てそうなので頂戴させて貰います!」

格納庫の高い場所から現れたのはドリーだった。彼の手にはキリコーンのELコアが握られていた。

「ドリー!お前達UD商会はこの兵器をどこに引き渡すつもりだ!それからその角を返せ!」

ケントはドリーに例の大型兵器をどこに引き渡すのか問いただすと同時にキリコーンのELコアを返すよう言い放った。

「知れた事です!戦争のある場所に決まっています!それから角の事ですが、返せと言われても仕事の都合上返す事は出来ませんね!さあ、御託は終わりです!『機械(メカニック)狂戦士(バーサーカー)』スケロックよ、侵入者共を生かして帰してはなりません!!」

ドリーはスケロックにケント達を徹底的に攻撃するよう命じた。

「了解だ…。『スパイダータンク』には…、指一本触れさせぬ…。」

スケロックはドリーの命令に従うと同時に、ケントに『スパイダータンク』という大型兵器を破壊させないと言い放った。

「スケロックは我がUD商会自慢の全身兵器の戦士です!その力はクイーンガーディアンを破壊する事も造作もありません!すなわち、『ブルドラシル最強戦士ここにあり!』と言ったところでしょうか!…おっと…、我ながらお喋りが過ぎたようですね…。それでは、わたくしはこのスパイダータンクと共に失礼させて頂きます!ごきげんよう!」

ドリーはスケロックの事を自慢げに語り、スパイダータンクを格納庫から移動させながら退出していった。


(くっ…、あの兵器がミドルガルドに渡ったら…。それからエクレール様の相棒の角も…。)

「小僧…、まずは貴様から始末してやろう…。」

(もう後には退けないか…。)

スケロックはケントに迫った。ケントはスケロックの大いなる威圧感に恐慌(きょうこう)しながらも剣を構えた。果たして、ケントはスケロックを退けられるのか?

エルトリア様原作『リトルパラディン ~田舎娘だけど、聖剣に選ばれたので巨大ロボットに乗って騎士団長をやります!~』(略『リトパラ』)にて、サカキショーゴ様企画【シャルマエシリーズをエルトリア嬢に贈っちまおう企画!!】に便乗し、

自作ファンタジー群像劇シリーズ『レインボーボンズ』(略『RB』)とコラボした『シャルマエ in アクアポリス最深部~水の聖女大仰天!』を投稿しました。

RB主要キャラ『水の聖女マキュリーナ』が突然現れた『リトパラ』の主要キャラを連れた先は…、を描いた短編小説です。


ご愛顧頂けたら嬉しい限りです。

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