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将軍王のココロザシ  作者: TAK
第一部第八章~オペレーショントリニティ
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地下室の真相

流星騎士団地下基地ではヴィーナが相棒のクレアを通じて三部隊の管理をしていた。

(地下道がある…、という事は地下室に巨大兵器以外の何かがきっとあるかもしれませんわ…。もしかしたら相手に痛手を負わせる何かが…。)

ステラから地下道がある事を聞いたヴィーナはUD商会本部の地下室にも何かあると踏んだ。

『こちらムサシ。警備兵が今、金庫の方に集まり始めております。』

フレンの相棒のムサシは警備兵が金庫の方に集結している事をヴィーナに知らせた。

「了解しましたわ。…エクレール。これよりフェイズ(ツー)を開始なさい!ステラも発見した地下道から潜入なさい!」

『了解。』

『了解しました。』

ヴィーナはエクレールにフェイズ2の指令を出すと同時にステラに発見した地下道から潜入する指令を下した。


ヴィーナの潜入指令を受けたステラとアジューリアが地下道を伝っていくと、UD商会の地下室に続いていた。地下室には十数人近くのレスティーン達が牢に囚われていた。

「!!…ねえ、あなた達はどうして囚われているの?」

アジューリアは牢に囚われたレスティーン達に尋ねた。

「僕達には金が無かったんだ…。父さん母さんが働いても生きていけるかどうかわからない程度の金しか貰えないから僕達も働いて金を稼がなきゃいけなかったんだ…。ここなら金が貰えるって聞いて雇って貰ったんだ…。でも、毎日汗水流して働いてきたのにまだ1ゲルダも貰ってないんだ…。雇い主に金の事聞いたら『金が貰えるとは言ったがいつ貰えるかは言ってない』と言われたんだ…。僕…、もう金はいいから早くここ出たいよ~!!」

レスティーン達は泣き出した。

(これが…、レスティーン労働の実態…。)

アジューリアはレスティーン労働の実態を目の当たりにして動揺した。

「大丈夫よ。わたし達があなた達を出してあげる。…といっても鍵がなければね…。(盗賊団首領のフレンなら造作もない筈なんだけど…。)」

アジューリアはレスティーン達に解放すると約束したが鍵がない事に気づいた。次の瞬間…

「貴様ら…、どこから湧いて出て来た!」

「このレスティーン共は我々UD商会の労働力だ!それを奪うのはやめて貰おうか!」

槍を携えた二人の看守が二人の元にやって来た。

「…奪ってるのはどっちなの!?レスティーン達をただで働かせては逃げないように牢屋に閉じ込めるなんて…、明らかに奪ってるじゃないの!!家族から…!(…サターナ様からUD商会には気をつけるよう言われてなるべく関わらないように…、と思ったけど、レスティーン達がUD商会から心無い目に遭ってるのを見ていて…、やはり捨て置くなんて出来ないわ!)」

アジューリアは看守達に毅然と言い放った。

「おのれ…、小娘共め…!生け捕りにしてくれる!」

看守達はアジューリアの毅然たる態度に(いきどお)り槍を構えた。

「ステラ様…、行きましょう。」

「うん!」

ステラとアジューリアは看守達と交戦した。


ケントはエクレールと共に格納庫に向かっていた。しかし、金庫の方に警備が回ったとはいえ、近づくのは容易ではなかった。

「…なかなか近づけませんね…。」

「ええ…、手薄とはいえやはり警備が厳重ね…。」

二人は格納庫に潜入する事に苦戦していた次の瞬間…

「大変だ!地下室が襲撃されてる!!」

警備兵は地下室が襲撃を受けたと周囲に知らせた。

「なっ…、金庫破りだけあって金庫側からかと思ったが手薄の地下室から潜入してくるとは!くっ…、何がどうなってるんだ!」

多くの警備兵が地下室に殺到した。

「地下室があったなんて…、盲点ね…。でも…、おかげで格納庫に行けるわね。(ステラ…、結構粋な事するじゃない…。)」

「はい。」

エクレールは地下室の潜入について意外だったが、絶好の機会と捉えた。二人は迷わず格納庫に進んで行った。


「何…!?地下室が襲撃されただと…!?」

「はい、地下道を伝った侵入者がレスティーン労働者の詰所の地下室を襲撃し、看守から牢屋の鍵を奪い、牢屋のレスティーン労働者共を連れ出しているとの事です。」

金庫付近を警備していたスケロック達の元に伝令が来た。

「わかった…。俺も急行する…。お前達は引き続き金庫を守れ…。」

スケロックは他の警備兵に引き続き金庫を守るよう命じ、地下室に向かった。スケロックの姿が消えて間もなく、金庫付近で新たな影が現れた。

「お勤めご苦労さ~ん!予告通り来てやったぜ~!」

金庫付近の警備兵の前に現れたのは緑色に光る刀を携えたフレンだった。

「き…、貴様…!堂々と金庫破りとはいい度胸してるな!」

「行くぜ、ムサシ!」

フレンがムサシとして刀に語りかけると刀が緑色に激しく光り始めた。

「奥義…、『四つ葉斬り』!!」

フレンが風属性ELアーツ『四つ葉斬り』を繰り出すと、緑色の四つ葉の形をした閃光が発生し、警備兵達が吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられて気絶した。

「へっへ~、いかに厳重なロックだろうが俺の『アンロック』でちょちょいのちょいだぜ!」

フレンが光属性ELアビリティ『アンロック』を唱えると黄色の星の形をした閃光と共に金庫の鍵が開いた。


「何ですって!?地下室に侵入者が!?」

UD商会会長室ではドリーの元に伝令が地下室の襲撃を伝えた。

「大変です!金庫破りに遭いました!」

別の伝令が突然入って来て、金庫破りに遭った事を伝えた。

「なっ…、何ですと…!?くっ…、地下室や金庫が襲われてしまいましたか…。最後の砦である格納庫の方はどうなっているのです?」

ドリーは格納庫について伝令達に尋ねた。

「格納庫の方はまだ大きな動きはありません。」

「ならば…、全員を格納庫に向かわせなさい!あそこの新型兵器に何かあったら先方に顔向け出来ません!スケロック、そして他の皆に伝えなさい!『全力で格納庫の新型兵器を死守なさい』と!!」

ドリーは全員で新型兵器を死守するよう命じた。

「承知しました。」

伝令達は退出した。果たしてケント達の潜入工作の成否はいかに?

エルトリア様原作『リトルパラディン ~田舎娘だけど、聖剣に選ばれたので巨大ロボットに乗って騎士団長をやります!~』(略『リトパラ』)にて、サカキショーゴ様企画【シャルマエシリーズをエルトリア嬢に贈っちまおう企画!!】に便乗し、

自作ファンタジー群像劇シリーズ『レインボーボンズ』(略『RB』)とコラボした『シャルマエ in アクアポリス最深部~水の聖女大仰天!』を投稿しました。

RB主要キャラ『水の聖女マキュリーナ』が突然現れた『リトパラ』の主要キャラとどう関わるかを描いた短編小説です。

ご愛顧頂けたら嬉しい限りです。

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