二人きりのAU会館
ステラの案内でケントとアジューリアはAU会館に向かう途中だった。
「あの…、ステラ様…。」
「何か?」
「今…、相棒のカムイがいないようですが…。」
「そう言えばそうね…。」
ケントとアジューリアはAU会館に案内して貰うステラの相棒がいない事が気になった。
「ああ、キングの事ね。今は化身を解いてるんだ。」
ステラはキングのELコアをケント達に見せた。コアは黄色く光るやや大きめの球状で、星の紋章が彫られていた。
「ふふっ…、とっても綺麗ね…。」
アジューリアは黄色く光るELコアに恍惚とした。
「キングは必要に応じて光で騎士の姿に化身できるんだ。私もなるべく彼に頼らないようにしてるけどね。」
「キング…、見た感じ結構強そうなのにどうしてですか?」
ケントはステラが相棒に何故なるべく頼らないようにする理由が気になった。
「カムイは酷使するとBEが発生しやすくなってしまう。カムイにはBEの量が多いと化身できなくなる制約があるんだ。つまり、カムイも人と同様に休息も必要って事。」
「なる程…、カムイにも休息は必要なんですね…。」
「あっ…、ここがAU会館だよ。」
ステラは一軒の建屋を指さして二人に伝えた。
AU会館の受付ではヴァルキリーが立っていた。
「今日はご苦労様。気になる事があったら施設にいるヴァルキリーに聞きなよ。じゃ、私は失礼するね。ご機嫌よう。」
「有難うございました。」
案内を終えたステラはケントとアジューリアに一礼して去っていった。
ケントとアジューリアは受付に武器を預け、宿舎で一休みした。アジューリアは部屋の冊子に目を通した。
「ケント、ここにもトレーニングルームがあるわ。それだけじゃない。マミーカフェも併設されてる。」
「何と…!結構設備が充実してるじゃないか!」
「ええ。でも…、待機中どう過ごすか話し合いましょう。」
「うん。」
二人は待機中のAU会館での過ごし方について話し合う事にした。
「…まず…、始めは購買部やマミーカフェ等の施設内の仕事を受ける…。仕事が終わったらトレーニングルームでマッスルアーマーの訓練に勤しみ、訓練が終わったらマミーカフェで食事…、その後それぞれ身体を流して就寝…、でどうかしら?」
アジューリアはケントに自分の考えた日単位のスケジュールを提案した。
「悪くないね。それで行こう。」
ケントは快諾した。
「ええ。でも…、念のため必ずロビーの伝言板はチェックする…、で盤石ね。」
アジューリアは伝言板には目を通す事も伝えた。そして、二人は床に就いた。
流星騎士団本部の会議室では例の組織に対する会議が行われていた。
本編の外伝作品『黒き将軍王』『ラピスラズリの夏の夜』もご愛顧頂けたら嬉しい限りです。




