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夜とあそぶ
いま この夜に
おきている 無数の命がある
きのうときょうの狭間
ゆめとうつつの臨界点
ひとりであり ひとりでない
ひらく花の 幽けきおと
異国で おりたたむ布
かつてわかれた あなたの笑み
ともるゆめ
馬のいななく
散らばる こころのかけらたちを
俯瞰して
ほしのあかり
つながっている
あなたとの 奇跡
うなばらに こぎだして浮かぶ
近くなる
歌を口ずさめば
かならずきくひとがいる
浮遊する 夜のあそび
月のふね
すきとおった青白いほほ
骨 と 骨が
ひびく夜
夜とあそぶ




