35/44
毒どくどくと
鮮血が溢れる
どくどくどくと
毒毒毒毒毒毒と
溢れ、滴り、落ちる、底の底、そのまた底のほう
腸を掴み出し
喰らわねばならぬ
そのようにしてでも
生きねばならぬ
生まれたからには
毒を飲んでも
どくどくどくと
引き千切って
喰らい
昏い 昏い中 暗中の果てまでも
沈んだ固い石
そしていつの日か
ふわりと掬い上げる白い腕
美の女神の恥じらいの微笑み
掬われることが
救われることが
恐ろしくて
恐ろしくてそれでも目指して足掻いていや足掻かなくても
その光を、私は知っている…そしてあなたも




