『突然の嵐』
アルテミスって移動するのに役に立つよな・・・。
「この調子ならもうすぐ見えてくるはずなのじゃ」
ゴーレムの故障により、現在俺たちはアルテミスに乗って自宅を目指していた。
前にローズと一緒の時に使用した小屋の中に入り、ドラゴンの姿に戻っているアルテミスに運んでもらっている途中である。
この移動方法ならアルテミスの背中に乗って移動するときにさらされる風に当たらなくていいのが利点である。
まあ、欠点としては小屋は軽量化されているのだが空気抵抗のことを考えるとそこまでの飛行速度が出せに感じである。
「もう真っ暗だな・・」
時刻は真夜中になっていて、途中から曇りだして星明りとかがないので外が物凄く見にくい状態となっているが、ドラゴンの姿になっているアルテミスはそれでもわずかな光とかで見えているようである。
いったん地上に降りてそこで野宿するという手段を取りたいが、アルテミスは見えているようだとは言え、あたりが完全に暗闇なので不安なんだよね・・・。
「ん?」
ふと、窓に水滴が付いた。
「こりゃ降ってきたかな?」
「このぐらいなら平気じゃぞ」
ほんの少しの雨かと思っていたら、次第に雨が強くなってきた。
びしゃぁぁぁぁん!!ごろがっしゃぁぁぁん!!
「うおっ!?落雷か!」
風も激しくなってきたようで、どうやら嵐のようである。
アルテミスはこのまま飛行しても大丈夫のようだが、万が一という可能性もある。
この小屋はカトレア特製で全自動室温・気圧調節ができているのだが、全体としては少し頑丈なだけで特別物凄い小屋であるわけではない。
「カトレア!嵐より上空を飛ぶか地面に着陸してやりすごせ!」
「ならば上の方に出るのじゃ!!」
一気に高度が上がり、雲の上に俺たちは出た。
雲の上だけあって空は綺麗に晴れており、下の雲の方は黒く放電を放っていた。
「このまま嵐が通り過ぎるのを待つが・・・アルテミス、ねむくないよな?」
ここで眠られて墜落ってのは最悪だからな。
「まだ大丈夫なのじゃ」
大丈夫そうなのでほっとした。
とりあえず、嵐が起きている下の方よりも上空を進み、帰路につくのであった・・・・。
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「黒魔石によるものなんだけど・・・・あと少しだね」
「おお、あと少しで魔王復活のための十分なエネルギーがたまるのですね!!」
「長かったんだYO」
「なにせ、大掛かりなものは難しいからね。あの皇帝とかは利用しやしやすかったけどめったに似たような機会がないからなぁ」
「地道にちまちま活動してようやく実るときが来るんですねえ」
「数日前にさ、こっそりクーデターを起こそうとしているある貴族に渡した黒魔石あるよね。あれがうまいこと物凄い騒動を起こせばそれで十分かな」
「怪物が出ても、もはや何度も対峙している人がいるから大丈夫でしょう」
「間違いないYO]
「ま、うまいこと行くといいよねぇ・・・」
閑話挟んで新章かねぇ・・・・若干ネタバレに近い気がしなくもないが




