『ビーチバレー』
青い海、白い砂浜、モンスターは危険なものがほとんどいない。
それがソウサカント島!
「それじゃ、遊ぶぞ!!」
その合図とともに、全員で海に飛び込んだ。
なお、アルテミスがドラゴン化して飛び込んだため高波が発生して速攻で陸に押し戻された。なんか一瞬王冠を水に入れてそのあふれる量で純金かどうか調べる話を思い出したんだが・・・・。
このソウサカント島は王族なども利用するリゾート地として有名だが、今この浜辺には俺たち以外の姿はなかった。どうやら今は俺たち以外にはこの島にはいないらしい。あと数日ほどで船が付いて、他の国の人が泊まりに来るらしいけどな。
とにかくほぼ貸し切りのような感じだった。
「主殿、競泳してみるかのぅ?」
「いや、無理だろ・・・」
さすがにドラゴンの姿のアルテミスと競泳したらその水しぶきがやばそう。ちなみに、何で水着に着替えないでドラゴンの姿で海に入っているのかという理由は着替えが楽という以外にもあった。
鱗なんかについている汚れなどを一気に洗い落とすことや、日光浴をしっかりするつもりらしい。ドラゴンの肌・・・・鱗?の健康維持のためにたまに必要なんだとか。
スラ太郎は砂遊びで城を作っていた。
しかし・・・ほかの眷属達を出して一緒に作っているせいか結構大きくないか?一軒家ほどのサイズになっているぞ。
「カイモーン」
そうスラ太郎が言うと、驚いたことに砂でできた城の城門と思われる部分が本当の城門の様に扉を開いた。
「どうなっているんだ?」
「『サンドスライム』マゼタノ」
要は砂でできたスライムか。というか、モンスターを組み込んでどうするんだよ・・・・・。あれ?もしかしてこの砂の城ほとんどがスライムでできているのか?某RPGにでてきたヘル〇ラウドかよ・・・・。
なお、後にこの砂の城自体が新種のスライムへと進化したらしく、『サンドキャッスルスライム』として月間「スライムクラブ」に紹介されたのは別の話である。
「あー、浮き輪っていいですよねー」
ハクロは海の上を浮き輪でぷかぷか浮いていた。体の構造からしてまともに泳げないようである。泳げる蜘蛛って確か地球にいたよな・・・。
浮き輪はハクロが糸を何重にも巻き、その隙間にたっぷりと空気を入れてよく織り込んで作られたものである。一応、頑丈なアラクネの糸なので穴が開いて沈む心配はないそうな。まあ、サイズがでかいけどな。
リーゼは水中を優雅に泳いでいた。進化したことによりさらに優雅さに磨きがかかり、見とれるほどである。というか、早いな・・・・さすが下半身が魚というべきか。
いつの間にか普通の水着から貝殻になっているんだけど・・・・。どうやら流されたらしい。
貝殻の感じとマッチして、見た目が完全に人魚だよな。セイレーン、マーメイド、人魚はこの世界では完全に別のモンスターだけど。一応貝殻同紙に細い紐をつなげて取れないようにしてはいるが・・・。
泳いだ後は、浜辺でビーチボールをすることになった。
組み合わせは俺とハクロVSローズとカトレアである。
スラ太郎は砂の城作りに夢中になっているし・・・・要塞化してきてないか?
アルテミスとリーゼが審判である。リーゼの場合は手旗信号になるけどね。
一応、魔法・糸・ゴーレム使用禁止の身体能力だけのルールである。カトレアの木の根は完全に体の一部なので禁止にはしていないが。
試合としては結構白熱した。
が、白熱しているがゆえに気が付いた。このメンバーはスタイルがいいので・・・・その、飛び上がってボールを撃ち返すたびに揺れるものがあるのだ。そりゃもう豪快に。
意識すると顔が熱くなってきてしまう。俺だって年頃の思春期男子だからね。
「ちょっと休憩!」
そのまま顔のほてりを冷ますように、俺は海に飛び込んだのであった。
みんなきれいなだけに、目の毒過ぎる・・・・。
今更だけど・・・この主人公、今17歳の男子だったな。
高校生ぐらいの年齢でそりゃきついわ。




