『防犯システムの恐怖』
ちょっと今回は変わった感じ
念のため家の防犯システムを強化した翌日、早速かかった輩が何人かいた。そういったやつらは、今回はこの強化した防犯システムの意見をもらうために地下の牢屋に送られていた。気絶したりするとそこに送られる仕組みである。
そこにいた全員がものすごく青い顔で、もはや希望が見いだせないというような絶望し切ったものになっていた。
「・・・何があったんだ?」
我が家の防犯システムは全部ハクロ、カトレア、スラ太郎、ワゼに任せている。強化しておいてくれと言って2時間ほどでし終えてはいたが・・・・どんな強化をしたんだ?
~ハクロ~
「私ですか?単純に糸のトラップを増やしただけですよ?以前よりも粘着力を高めて引きはがせないほどにし、もがけばもがくほど絡みつくようにしました」
~カトレア~
「ゴーレムの数を倍にしただけです。ウッドゴーレムだけではなく、メタルゴーレムなども増やしました」
~スラ太郎~
「スライムイッパイオイタヨー?ケンコー二ガイナイモノダヨ?」
~ワゼ~
「ちょっとトラウマえぐるようにいたしましタ。その技術は秘密デス」
どうやらこの4人のそれぞれの防犯の強化が組み合わさってできたようである。
どんな感じなのか、聞いてみることにした。
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体験者:自称無職のAさん
あっしは今回はこの家に忍び込んで魔道具を壊せという頼みを金を払ってもらって引き受けたのでやんす。ですが、この家に入る前に何かが体中に巻き付き、よく見ると糸だったので取ろうかと思いやしたが、だんだん絡まっていって首にまで・・・・
体験者:冒険者DランクのBさん
拙者は、この家に忍び込んで魔道具を破壊するように依頼されていたのでござる。だが、その忍び込む前になにやらメイスやガントレットなどを仕込まれたゴーレムが、何百体も大群で・・・・
体験者:たまたま忍び込もうとしたただのこそ泥
お、俺はこの家に金目のものがないかと思って入り込もうとしただけだ。そしたら、いきなり何やらぬるぬるした液体がかかってきて、肌が溶けて、そのまま俺の口の中に入ったかと思うと・・・・
体験者:・・・精神がすでに壊れているようだったので話がきけず
その他:同じような感じ
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「・・・お前ら一体ホントになにをしでかしたの!?」
全員完全にトラウマになっているレベルじゃん!!しかも一人精神的にもうダメになっているし!!
なんか哀れに思い、カトレアに頼んで癒しの夢を見させてあげた。そのまま送検したが。
まあそれはいいとして、捕まえられた何人かの言葉に共通点があった。
「たのまれた」、「魔道具の破壊」という物だ。やはり、人為的なものが絡んでいる。
「やはりここ最近の魔道具の故障はこういったやつらが原因だったのか」
「でも誰に頼まれたかまではわかっていないんですよね・・・」
誰に聞いてもその依頼してきた人の容姿が一般人的なものばかりでわからない。目立った特徴もなく、いわば漫画やアニメにある印象の薄いようなモブキャラのような感じらしい。影が薄いともいえるか?
「おそらくじゃが目立たないようにしているんじゃろう。というか、そもそもそういった人が自己主張激しいような感じになるか?目立たなくするほうが賢明じゃろう」
まあそうだよな。
とりあえず、このまま家の防犯システムは現状維持にしておくか。この際情報を持ったやつがかかるまでこのままにしておいた方がいいしな。
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「はい?こちらとしてはそれ相応の謝礼を」
「やめてくれ!!いくら金をもらってもあの家を襲いたくないんだよ!!」
「怪物殺しの家だし、それに言ったやつらがみな夢も希望もない感じで帰ってきているんだよ!!」
数日後、王都のスラム街にてゼロの家にある魔道具を壊すように依頼しようとした事件の元凶は驚いた。
なぜか全員がゼロの家と聞いた途端に真っ青になって拒否してきたのだ。
数日前まではどんなことだろうともいくらでも金をつぎ込めばやってくれていた。金をいくらやろうとも、あの家には魔道具があるし、その修理依頼でその分の元をとれるだろうとたかをくくっていた。
だが数日たった今、誰しもが襲うのを恐怖するようになったようである。
仕方がないので、ゼロの家を狙うことをその人物はあきらめたのであった・・・。
後日談
ゼロの家は襲撃とかを請け負うあほどもでさえ恐れる恐怖の家となっていたのであった。あの家に手を出せば喰われる、あの家に忍び込もうとしたらかえって来れなくなるなどといわれて・・・。
ついでに、その防犯システムを国王に話したら王宮にも設置してみてくれないかと言われ検討中。国政を行う人にも敵はいるからなぁ・・・・普段は飄々とした人だけど。




